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2013年度「コンプライアンス違反」企業の倒産 脱税、滞納などの「税金関連」が1.4倍増

 2013年度(2013年4月-2014年3月)に法令違反や粉飾決算、談合、偽装などのコンプライアンス違反が一因となった企業倒産は203件だった。これは前年度比1.3倍の高水準で、内容別では特に脱税や滞納などの「税金関連」の増加が目立った。

  • ※本調査の「コンプライアンス違反」倒産は、建設業法、貸金業法などの業法違反や金融商品取引法などの法令違反、粉飾決算、脱税、詐欺・横領、不正受給などをまとめた。

リスク管理の重要さが増す「コンプライアンス」

 最近の企業経営は「コンプライアンス(法令遵守)」が重要視されている。直接、法的違反でなくとも、「倫理や社会貢献などに配慮した行動」に反した社会的な不適切行為は消費者、取引先などの信頼を失い、事業継続が困難に至るケースも多い。企業にとってコンプライアンスはリスク管理という観点からも経営の重要課題に浮上している。

2013年度の「コンプライアンス違反」倒産203件 前年度比36.2%増

 2013年度にコンプライアンス違反が一因となり倒産した企業は203件だった。前年度(149件)より54件(36.2%増)増えた。年度上半期(4-9月)は前年同期比42.8%増(70→100件)、年度下半期(10-3月)は同30.3%増(79→103件)と、通期で増加をみせた。
増加の背景には、アベノミクス効果で大手企業が業績を伸ばしたのに対し、中小企業は業績回復の動きが鈍いことも大きい。業績不振の中小企業が追い詰められ、コンプライアンス違反に手を染めたが、業況改善に至らないまま違反が露見するケースが多い。

コンプライアンス違反企業倒産推移

負債1億円未満が前年度より6割増

 203件の負債総額は1,530億8,100万円(前年度比28.0%減、前年度2,127億6,800万円)に減少した。このうち、負債100億円以上の大型倒産は1件(前年度5件)だったのに対し、負債5千万円未満は42件(前年度比61.5%増、前年度26件)と小規模企業が増勢した。
主な倒産事例では、高い技術力を持ちながら粉飾で優良企業を装ってきた(株)アクロス(埼玉・負債70億円)や、国の「中小企業IT経営力大賞2011」を受賞した(株)グルメン(東京・同39億2,900万円)は、売上高の水増しで資産超過を繕っていた。

違反内容別 「税金関連」が前年度より4割増の66件

 203件の違反内容別では、脱税や滞納などの「税金関連」が66件(前年度比37.5%増、前年度48件)と増加が目立った。不正な会計処理で虚偽の決算報告書作成などの「粉飾」も27件(同14件)とほぼ倍増した。このほか、公共事業などの競争入札で事前に業者間で入札価格や落札者などを決める独占禁止法違反の「談合」が4件(同5件)、詐欺・横領が10件(同5件)などだった。
なお、「その他」71件には、建設業法や貸金業法など業法違反、金融商品取引法や食品衛生法などの法令違反、贈収賄、不法投棄などを含む。

コンプライアンス違反企業倒産内容別

産業別 サービス業他が最多の58件

 コンプライアンス違反倒産203件を産業別でみると、サービス業他が58件(構成比28.5%)で最も多かった。次いで、建設業39件、製造業27件、卸売業27件、運輸業18件、小売業11件、不動産業9件、情報通信業7件、金融・保険業6件、農・林・漁・鉱業1件だった。
最も多かったサービス業他では、飲食店が10件、老人福祉・介護事業が8件、ホテル、旅館など宿泊業が4件あった。これらは売上不振から税金滞納のケースが多い。また、老人福祉・介護事業では、経営不振から介護報酬の不正請求などに手を染めたケースもみられた。

 企業の社会的責任が重視されるとともに、コンプライアンスは金融機関の融資継続の条件や、企業間の取引条件にも要求されている。だが、それでもコンプライアンス違反企業は後を絶たない。特に税金滞納については、全税目で1兆2,702億円(平成24年度末時点)となっている。このうち消費税は3,960億円(同)と31.1%を占めている。4月1日に消費税増税が実施されたが、今後、企業業績の回復が遅れると消費税の滞納が増える可能性もある。粉飾決算や、脱税・税金滞納、不正受給などは業績不振の企業に多く、2013年度の「コンプライアンス違反」倒産の増加は、アベノミクス効果の波及が遅れた中小企業の焦りを反映した動きともいえる。

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