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「コンプライアンス違反」関連倒産 「粉飾」が前年より3倍増

2013年度上半期(2013年4-9月)に法令違反や粉飾、談合、偽装などのコンプライアンス違反が一因となった企業倒産は前年同期より1.4倍増の98件だった。違反内容では、脱税や滞納などの「税金関連」が最も多く、「粉飾」も約3倍増と急増、コンプラ違反が経営基盤を揺るがす状況が強まっていることがわかった。

  • ※本調査は、建設業法、貸金業法などの業法違反や金融商品取引法などの法令違反、粉飾決算、脱税、詐欺・横領、不正受給などが倒産の一因となった事例を対象にまとめた。

相次ぐ企業不祥事の反省から、経営の「コンプライアンス(法令遵守)」が重要視されている。直接の法的違反でなくても、「倫理や社会貢献などに配慮した行動」に反した社会的に不適切な行為は消費者、取引先などの信頼を失い、事業継続が困難になるケースもみられる。個人だけでなく企業にもコンプライアンスは、リスク管理という観点から経営の重要課題に浮上している。

「コンプライアンス違反」関連倒産98件 前年同期の1.4倍増

2013年度上半期にコンプライアンス違反を一因にした倒産は98件だった。前年同期(70件)と比べて28件(40.0%増)増加した。今年1-9月累計は139件(前年同期134件)と5件増で、特に1-3月累計は41件(同64件)と前年同期を下回っていただけに、4月以降の急増ぶりが際立った。
増加した背景には、中小企業の業績回復の遅れがある。さらに倒産抑制に絶大な効果を発揮した中小企業金融円滑化法の下で、企業の経営内容がこれまでより表面化しやすくなったという事情も重なり、コンプライアンス違反の発覚が金融支援に影響を及ぼしたとみられる。

負債10億円以上は18件

98件の負債総額は799億2,800万円(前年同期642億2,400万円)で、前年同期を24.4%上回った。負債10億円以上の大型倒産は18件(前年同期14件)にとどまり、負債1億円以上5億円未満が37件(同24件)で最多だった。負債1億円未満も32件(同23件)で、小・零細企業の増加が目立った。
主な倒産事例は、個人から預託金を集めて不動産開発分譲を行っていたが、トラブル発生から多数の訴訟を抱えていた(株)ZKR(大阪・負債197億円)。循環取引や架空売上などで粉飾決算に手を染めた(株)アクロス(埼玉・同70億円)。10年以上前から売上過大や架空利益計上の粉飾決算を続けていた宮野(株)(岡山・同38億円)など。

違反内容別 粉飾が約3倍増

98件の違反内容別では、最多は脱税や滞納など「税金関連」の28件(前年同期23件)だった。次いで、不正な会計処理を行い虚偽の決算報告作成などの「粉飾」も17件(同6件)と約3倍増に急増した。このほか、詐欺・横領が6件(3件)、診療報酬や助成金などの不正受給が5件(同1件)、公共事業などの競争入札で事前に業者間で入札価格や落札者などを決める独占禁止法違反の「談合」が2件(同3件)などだった。「その他」36件には、建設業法や医師法など業法違反、金融商品取引法や食品衛生法などの法令違反、増収賄、不法投棄などが含まれる。

産業別 サービス業他が最多の27件

コンプライアンス違反関連倒産98件を産業別にみると、サービス業他が27件(構成比27.5%)で最も多かった。次いで、建設業20件、卸売業16件、製造業13件、運輸業9件、小売業5件、不動産業3件、情報通信業2件、金融・保険業2件、農・林・漁・鉱業1件の順。
最多のサービス業他は、飲食店5件、診療所などの医療業4件、持ち帰り・配達飲食サービス業3件、ホテル・旅館などの宿泊業が2件と続く。このうち、飲食店では売上不振から税金や電気料金の滞納や、医療業では診療報酬の不正請求、持ち帰り・配達飲食サービス業では食中毒事件、ホテル・旅館業では従業員への賃金未払いなどがあった。

最近は、金融機関の融資継続の条件としてコンプライアンスが要求されている。だが、厳しい環境でもコンプライアンス違反の企業は後を絶たない。2013年度上半期の特徴は、粉飾決算など不正な会計処理の急増がある。長引く経営不振から「背に腹は変えられず」に不正経理に手を染めたと見られるが、金融機関や取引先への情報開示がこれまで以上に求められる時代では、一時しのぎではすまなくなっている。企業倒産は金融支援などの政策効果で抑制されているが、コンプライアンス違反関連倒産の増加は、業績改善が遅れた企業の苦悩を映す「鏡」でもある。

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