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知ってて得するリスクマネジメントの基本用語辞典

会社更生法

企業が事業を継続して再建を図る「再建型」の倒産手続き。適用対象は株式会社に限定され(会社更生法2条)、更生計画策定等により管財人が更生計画を遂行して事業の維持更生を図る。すべての利害関係人を手続に取り込み、役員、資本構成、組織変更まで含んだ抜本的な再建計画の策定が可能である。また、担保権者の権利行使が制限される。手続きが複雑で、厳格な法的拘束力を持ち、費用負担も大きいことから、比較的規模の大きな企業向きだった。しかし、再建までに時間がかかりすぎることなどから、現在の経済状況に合わなくなっていた。このため、平成14年12月に手続きの迅速化を目指して改正、平成15年4月に施行され、更生計画案の可決要件の緩和や弁済期間が最長20年間から最長15年に短縮された。

会社更生手続きの手順

  1. 更生手続開始申立て(会社更生法17条)
    申立権者
    ・当該株式会社
    ・当該株式会社の資本金の額の10分の1以上に当たる債権を有する債権者
    ・当該株式会社の総株主の議決権の10分の1以上を有する株主
  2. 保全管理命令(会社更生法30条)
    申立てとほとんど同時に保全管理命令が発令されることが多い
  3. 裁判所の調査を経て、更生手続開始決定
    裁判所は債権者、株主、担保権者、会社役員、従業員等のうちから適宜呼んで意見を聞き、主として「更生の見込み」の有無について調査する。その後さらに調査が続行され、裁判所が更生の見込みがあると判断した場合、更生手続開始決定される。したがってもし再建の見込みも薄いのに会社が整理をひきのばすために、会社更生の申し立てをしたのであれば、債権者は積極的に裁判所に意見を申し立てることが必要である。
  4. 更生手続開始決定と同時に裁判所から管財人が任命される。(会社更生法42条)
    更生管財人は、会社財産の管理処分権、経営権を持つだけでなく、更生計画案を作成しその実行を担当する重要な職務であるから、会社側と債権者とで協議してその人選について積極的に裁判所に意見を上申することが必要。
    更生開始決定と同時に裁判所は、その旨官報に公告したり、登記所等に登記させるほか、更生債権や更生担保権の届出期間、調査期間、第一回関係人集会の期日等を定めて関係者へ通知する。(会社更生法42,43条)
  5. 各種権利の届け出(会社更生法42,138条)
    債権者は指定された期間内(通常2カ月程度、開始決定日から2週間以上4カ月以下)に更生債権や更生担保権を裁判所に届け出なければ、原則として権利を失ってしまうので注意が必要である。届け出られたこれらの権利については、管財人が調査し裁判所が定めた期日にこれを認めるか否かを発表する。
  6. 債権調査期日日と第1回関係人集会(通常同時に開催される。)(会社更生法144条他)
    第一回関係人集会は概ね開始決定後2カ月以内に開かれ、管財人が経過報告、将来の方針等を発表し、債権者は管財人の選任、会社の業務・財産の管理等について意見を述べる。また債権調査期日には管財人が届け出られた各種債権を調べ、これを認めるか否かを発表する。管財人が認め、他からも異議がなければその債権は確定する。(管財人らが認めない場合は、1カ月以内に管財人ら異議者を相手に訴訟を起こす。)
  7. 更生計画案(会社更生法184条他)
    第1回関係人集会の後概ね10カ月位して(あらかじめ裁判所により定められた期間)、管財人らが作成し、裁判所に提出した更生計画案を審議する。
    更生計画案を受諾するか否かの議決が行われる。可決されれば、裁判所の認可決定を経て更生計画案が確定し、以後その計画に基づき債務の弁済等が行われていく。
    更生計画案の議決は更生担保権者(特別の先取特権、質権、抵当権、商法上の留置権等)の組、更生債権者の組、株主の組、等に分かれて行われる。
    可決の条件は、
    ・株主:通常、更生会社の多くは債務超過であるため、株主には議決権が与えられない(会社更生法166条)
    ・更生債権:議決権総額の2分の1以上の同意
    ・更生担保権(会社更生法196条):
      期限の猶予を定める場合は、議決権総額の3分の2以上の同意
      減免その他期限の猶予以外の方法による権利変更を定める場合は議決権総額の4分の3以上の同意
      事業全部の廃止を内容とする場合には議決権総額の10分の9以上の同意

会社更生法の運用実態

  1. TSRの倒産集計では、改正された平成15年4月以降の更生手続き申立てのうち、約8割が更生計画認可に、さらにそのうち6割が終結に至っている。
  2. 認可案件の約6割は申立てから1年以内で認可となっており、最長でも3年以内に認可されている。また、終結に至った企業の、申立から終結までの平均期間は約2年で、最長は約6年のケースがあった。
  3. 改正前の会社更生法では認可まで約2年、終結までは10年を覚悟する必要があったが、改正後は手続きが迅速に進んでいることがうかがえる。

中小企業再建または少額債権に対する特例措置

  1. 中小企業債権等の早期弁済制度(会社更生法47条)
    会社更生法47条第2項では更生手続開始の申立てを行った会社を主要な取引先とし、更生債権の弁済を受けなければ事業の継続に著しい支障をきたす恐れがある中小企業については、裁判所は更生計画の認可決定前でも職権または管財人の申立てにより弁済を認可できることとされている。
    一方、同条第5項においては、少額債権を早期に弁済することにより更生手続を円滑に進行することができるときは、更生計画認可決定前でも、管財人の申立てにより、裁判所は弁済の認可ができることとされている。これは債権者の頭数を減らした方が、更生手続が円滑に進むことから設けられた規定であるが、運用状況を見ると、30~50万円程度とすることが多い。本条文は、昭和40年不況により山陽特殊製鋼等多数の関連中小企業に大きな影響を与えた大型倒産が発生したことに対処するために設けられたものであるが、未だに本条文の存在を知らない中小企業が多いため、十分に活用されていない面もあると言われている。
    早期弁済の申立てを行ったからと言って不利な取扱いを受けるものではないから、積極的に管財人に早期弁済を行うよう働きかけていくことが中小企業者にとっては必要であろう。
  2. 更生計画による権利の変更(会社更生法168条)
    会社更生法では、既に述べたように債権は更生担保権、優先権のある更生債権、一般更生債権、劣後的更生債権等に区分され、同じ性質の権利を有する者の間で更生計画の条件(弁済率等)は平等でなければならないとされている。
    しかしながら、168条で更生債権者及び更生担保権者については、不利益を受ける者の同意がある場合、または別段の定めをしても衡平を害しない場合に、少額債権者について差を設けることができるとされている。この規定の実際の運用は少額債権の全額弁済の免除率の少額債権に対する配慮である。約2割のケースが適用されており少額債権の最高額は200万円未満が多いようだ。
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