• プレスリリース

東京商工リサーチと一橋大学との共同研究「機械学習手法・AIを用いた企業の将来予測」に関する特許取得について

株式会社東京商工リサーチ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 河原光雄、以下TSR)と国立大学法人一橋大学(本部:東京都国立市、学長 蓼沼宏一、以下一橋大学)は、「企業情報処理装置、企業のイベント予測方法及び予測プログラム」(以下、本モデル)の特許を取得したことを発表いたします。尚、本発表は2019年3月27日に発表した「一橋大学との共同研究 「機械学習手法・AIを用いた企業の将来予測」 に関する特許出願について」の続報となります。

概要

本モデルは、企業が直面する退出や成長といった事象(イベント)の将来時点での発生確率を、TSRが保有する数百万社に及ぶ企業に関する属性情報、財務情報、サプライチェーンネットワーク情報(例:仕入、販売)などのビッグデータと機械学習手法によりモデル化したものです。

■特許について

  • 発明の名称 :企業情報処理装置、企業のイベント予測方法及び予測プログラム
  • 特許番号 :第6611068号
  • 特許取得日 :令和1年11月8日
  • 特許権者 :株式会社東京商工リサーチ/国立大学法人一橋大学

共同研究の目的及び特許取得の経緯

リスク管理において必要となるデフォルト予測などの業務において用いられている伝統的な手法(例:回帰分析)は、モデル構築に当たって考慮することのできる変数の数に限界が存在することや、モデル構築に際して分析者の裁量が存在してしまうことなどの問題があり、いわゆる“ビッグデータ”(高観測数の高次元データ)の分析とは相性が悪いといえます。このような課題を踏まえて、TSRと一橋大学(大学院経営管理研究科・宮川大介准教授)では、TSRが長期に亘って構築・蓄積してきた日本全国の企業を対象とする企業レベルビッグデータに機械学習手法を用いた高精度の将来予測モデル構築を目的として、共同研究を進めてきました。この度、こうした共同研究の成果として、TSRと一橋大学は、企業レベルで発生する将来の事象(イベント)を予測するための「学習用データセットとその生成方法」、及び「機械学習の手法を用いた将来予測方法と予測プログラム」を発明し、これが特許として認められました。

今後の展開

TSRは本モデルを用いて、お客さまが抱える課題を解決するための商品・サービスの提供を行ないます。具体的には「企業レベルの将来予測」の応用例として、企業の退出(例:廃業)に対応する事象(イベント)のほか、企業の成長に対応する事象(イベント)をスコア(指標)形式で表現した商品・サービスを本年度中に展開します。また、本モデルの拡張性を生かし、個別のお客さまが抱える経営課題に即した高度な分析サービス(例:与信管理の高度化に向けたモデル開発、お客さまが関心のある個々の事象(イベント)向けにカスタマイズされた予測スコアなど)を展開する予定です。

一橋大学コメント

本学では、社会的課題の解決に向けた学術研究の推進と、研究成果の社会実装を全学の重要な目標として設定しています。
TSRとの共同研究成果に基づく今般の特許取得は、社会科学系大学において、学術研究を基にして社会に貢献するための新しい方向性を示す重要な一歩であると考えています。
本学大学院経営管理研究科 宮川研究室では、様々な業界のトップ企業との共同研究が進行中です。一橋大学は、学術的に意義の高い研究を実務的に意味のある形で応用・実装する取り組みを今後も一層進めていきます。

提供開始日

2020年1月15日(水)

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