全国企業倒産状況
2012年度(平成24年度)の全国企業倒産1万1,719件
| 倒産件数 | 11,719件 |
|---|---|
| 負債総額 | 3兆757億1,000万円 |
| 対前年度比(件数) | -7.7%(前年度 12,707件) |
| 対前年度比(負債) | -22.9%(前年度 3兆9,906億4,000万円) |
(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)
倒産件数が1万1,719件 年度としては21年ぶりに1万2,000件を下回る
2012年度(2012年4月~2013年3月)全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は、1万1,719件、負債総額は3兆757億1,000万円となった。
倒産件数は、前年度比7.7%減。年度としては4年連続の減少で、1991年度(1万1,557件)以来、21年ぶりに1万2,000件を下回る低水準となった。年度としては戦後35番目の水準だった。都道府県別の件数では、前年度を下回ったのが33都道府県となり、全国的に倒産が減少した。減少要因としては、「中小企業金融円滑化法」や「セーフティネット保証(5号)」などの資金繰り支援効果が挙げられる。
こうしたなか、「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産は、年度累計で303件となり、前年度(174件)の1.7倍となった。特に、2013年3月は調査開始以来で最多となる38件が発生し、年度後半にかけて増勢が目立った。これは業績回復が伴なわず息切れする中小企業が多いことを浮き彫りにした。
負債総額は、前年度比22.9%減となり、年度としては4年連続で前年を下回り、水準としては戦後27番目だった。負債10億円以上の大型倒産が、1990年度(332件)以来の400件割れとなったことが影響した。負債1億円未満の倒産が約7割(構成比69.2%)を占め、小規模企業を中心に推移した。

産業別
建設業倒産 年度としては21年ぶりに3,000件を下回る
2012年度の産業別は、倒産件数が10産業のうち7産業で前年度を下回った。
建設業は2,867件(前年度比15.0%減)。年度としては4年連続の減少で、1991年度(2,474件)以来、21年ぶりに3,000件を下回った。
また、製造業1,791件(前年度比2.8%減)、小売業1,413件(同2.0%減)、不動産業370件(同3.3%減)も、そろって4年連続で減少した。情報通信業は484件(同7.9%減)で3年連続で減少した。サービス業他は2,484件(同14.1%減)で2年ぶりに減少した。
一方、卸売業は1,693件(同1.9%増)、運輸業が459件(同10.0%増)、金融・保険業が63件(同6.7%増)となり、それぞれ4年ぶりに増加に転じた。このうち、運輸業は燃料価格の高止まりや輸出停滞による物流量低迷が響いた。
| 産業別分類 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 農・林・漁・鉱業 | 95 | 60,482 |
| 建設業 | 2,867 | 371,723 |
| 製造業 | 1,791 | 556,574 |
| 卸売業 | 1,693 | 304,535 |
| 小売業 | 1,413 | 164,790 |
| 金融・保険業 | 63 | 444,182 |
| 不動産業 | 370 | 206,958 |
| 運輸業 | 459 | 229,101 |
| 情報通信業 | 484 | 79,715 |
| サービス業他 | 2,484 | 657,650 |
| 合計 | 11,719 | 3,075,710 |
- ※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

地区別
東北は45年ぶりに400件を下回る低水準
2012年度の地区別倒産件数は、9地区のうち北陸を除く8地区で前年度を下回った。
- 北海道:全体の件数が、年度としては4年連続で500件を下回り、2年ぶりの減少。
- 東北:全体の件数が、年度としては45年ぶりに400件を下回る低水準。県別件数では、宮城、秋田で前年度比増加。
- 関東:全体の件数が、年度としては4年連続の減少。県別件数では、栃木、山梨で前年度比増加。
- 中部北陸:全体の件数が、中部が年度としては4年連続の減少、これに対し北陸は2年連続で前年度を上回る。県別件数では、静岡、三重、富山、福井で前年度比増加。
- 近畿:全体の件数が、年度としては3年連続の減少。県別件数では、京都のみ前年度比増加。
- 中国:全体の件数が、年度としては2年ぶりに前年を下回る。県別件数では、山口のみ前年度比増加。
- 四国:全体の件数が、年度としては4年連続で減少。県別件数では、高知のみ前年度比増加。
- 九州:全体の件数が、年度としては2年ぶりに前年を下回る。県別件数では、鹿児島のみ前年度比増加。
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 北海道 | 432 | 96,597 |
| 東北 | 354 | 123,916 |
| 青森 | 49 | 54,796 |
| 岩手 | 42 | 10,125 |
| 宮城 | 77 | 11,700 |
| 秋田 | 78 | 22,552 |
| 山形 | 58 | 6,201 |
| 福島 | 50 | 18,542 |
| 関東 | 4,476 | 1,211,174 |
| 茨城 | 138 | 19,454 |
| 栃木 | 121 | 33,730 |
| 群馬 | 151 | 48,123 |
| 埼玉 | 543 | 66,175 |
| 千葉 | 336 | 64,801 |
| 東京 | 2,344 | 842,521 |
| 神奈川 | 654 | 94,444 |
| 新潟 | 132 | 26,275 |
| 山梨 | 57 | 15,651 |
| 中部 | 1,539 | 299,017 |
| 長野 | 139 | 31,338 |
| 岐阜 | 161 | 24,985 |
| 静岡 | 339 | 68,345 |
| 愛知 | 784 | 119,557 |
| 三重 | 116 | 54,792 |
| 北陸 | 344 | 186,090 |
| 富山 | 103 | 50,113 |
| 石川 | 144 | 50,231 |
| 福井 | 97 | 85,746 |
| 近畿 | 2,966 | 808,649 |
| 滋賀 | 102 | 55,798 |
| 京都 | 380 | 54,380 |
| 大阪 | 1,627 | 522,563 |
| 兵庫 | 609 | 144,084 |
| 奈良 | 137 | 13,328 |
| 和歌山 | 111 | 18,496 |
| 中国 | 511 | 93,711 |
| 鳥取 | 42 | 7,407 |
| 島根 | 50 | 3,977 |
| 岡山 | 111 | 31,512 |
| 広島 | 221 | 29,882 |
| 山口 | 87 | 20,933 |
| 四国 | 261 | 59,121 |
| 徳島 | 45 | 6,206 |
| 香川 | 74 | 18,528 |
| 愛媛 | 86 | 26,324 |
| 高知 | 56 | 8,063 |
| 九州 | 836 | 197,435 |
| 福岡 | 362 | 73,202 |
| 佐賀 | 50 | 9,784 |
| 長崎 | 70 | 23,177 |
| 熊本 | 96 | 17,361 |
| 大分 | 62 | 16,489 |
| 宮崎 | 57 | 15,539 |
| 鹿児島 | 71 | 13,205 |
| 沖縄 | 68 | 28,678 |
| 合計 | 11,719 | 3,075,710 |
※地区の範囲は以下に定義している。
- 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
- 形態別:法的倒産の構成比が年度過去最高の82.7%
- 従業員数別:5人未満の構成比が年度としては過去20年間で最高の67.78%
- 原因別:赤字累積などの「既往のシワ寄せ」が前年度比2割増、年度としては2年連続で前年を上回る
- 「東日本大震災」が影響した「震災関連」倒産が年度としては441件発生
- 負債額別:負債10億円以上の大型倒産が397件 年度としては1990年度以来の400件割れ
- 資本金別:資本金1億円以上が145件 年度としては16年ぶりに150件を下回る
- 従業員被害状況:7万787人、年度としては4年連続で前年を下回る
- 上場企業倒産が前年度比2件増の6件
- 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は前年度比7.6%減となり、年度としては4年連続で前年を下回る
当月の主な倒産
- (株)クラヴィス/大阪/消費者向け貸金業/3,268億8,700万円/破産
- 三光汽船(株)/東京/海運業/1,558億7,400万円/会社更生法
- NISグループ(株)/東京/総合金融サービス事業/512億4200万円/民事再生法
- 神戸市住宅供給公社/兵庫/分譲・賃貸管理・受託事業/503億500万円/民事再生法
- ワシ興産(株)/福井/軽合金鍛造、不動産賃貸・売買/404億3,300万円/会社更生法