全国企業倒産状況

2006年度(平成18年度)[2006.4-2007.3] 全国企業倒産状況

倒産件数 13,337件
負債総額 5兆4,462億5,400万円
対前年度比(件数) +1.2% (前年度 13,170件)
対前年度比(負債) −11.0% (前年度 6,122,013百万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数が前年度比1.2%増の1万3,337件、5年ぶりに前年度比増加

 2006年度(2006年4月〜2007年3月)の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は、1万3,337件、負債総額が5兆4,462億5,400万円となった。※当社の倒産集計は、法的倒産のほかに銀行取引停止処分等の私的倒産を含む。

倒産件数は、前年度比1.2%増となり5年ぶりに前年度を上回った。ただし年度としては、1997年度以降の最近10年間で3番目に少ない件数で、かつ戦後24番目の水準だった。

負債総額は、前年度比11.0%減で6年連続前年度比減少となり、年度としては1990年度以来16年ぶりに6兆円を下回った。また平均負債額は同12.0%減の4億800万円にとどまり、1990年度以降で最小になるなど倒産の小型化が目立った。


産業別

倒産件数、10産業のうち6産業で前年度比増加

 前年度比増加率は、ソフトウェア業等の倒産増加による情報通信業の19.3%増(290→346件)を筆頭にして、卸売業5.4%増(1,826→1,926件)、小売業3.7%増(1,720→1,784件)、農・林・漁・鉱業2.3%増(84→86件)、サービス業他2.3%増(2,468→2,525件)、建設業2.2%増(3,790→3,875件)の順。

これに対して前年度比減少は、金融・保険業48.1%減(110→57件)、運輸業9.0%減(463→421件)、不動産業8.2%減(485→445件)、製造業3.2%減(1,934→1,872件)の4産業だった。

産業別分類 件数(件) 負債額(百万円)
農・林・漁・鉱業 86 175,271
建設業 3,875 709,253
製造業 1,872 617,877
卸売業 1,926 410,438
小売業 1,784 308,768
金融・保険業 57 54,250
不動産業 445 1,431,135
運輸業 421 92,318
情報通信業 406 130,679
サービス業他 2,465 1,516,265
合計 13,337 5,446,254

※業種分類のコード改訂(日本標準産業分類に基づく)に伴い、弊社データベースは2004年1月度より新業種分類に移行。このため、産業別分類は従来の9産業から10産業に変更している。各数値は新業種コードに基づく。


地区別

地区別倒産件数では、9地区のうち6地区で前年度比増加。また都道府県別では、前年度比増加が31都府県、減少が16道府県となった。

  • 北海道:件数が6年連続前年度比減少、年度としては最近10年間で最小
  • 東北:全体の件数が2年連続前年度比増加、県別件数では青森、岩手、山形、福島で前年度比増加
  • 関東:全体の件数が2年ぶりに前年度比増加、県別件数では茨城、栃木、千葉、東京、新潟、山梨で前年度比増加
  • 中部北陸:件数は中部が2年ぶりに前年度比減少、北陸は4年ぶりに前年度比増加、県別件数では長野、静岡、三重、富山、石川、福井で前年度比増加
  • 近畿:全体の件数が2年ぶりに前年度比減少、負債総額は5年連続前年度比減少で1990年度以来の1兆円割れ
  • 中国:全体の件数が2年連続前年度比増加、県別件数では島根を除き鳥取、岡山、広島で前年度比増加
  • 四国:全体の件数が5年ぶりに前年度比増加、県別件数では4件すべてで前年度比増加
  • 九州:全体の件数が6年ぶりに前年度比増加、県別件数では福岡、佐賀、熊本、沖縄で前年度比増加
地区別分類 件数(件) 負債額(百万円)
北海道 546 321,086
東北 802 255,695
青森 123 39,020
岩手 108 30,007
宮城 165 53,996
秋田 102 23,036
山形 161 33,320
福島 143 76,316
関東 4,455 2,486,016
茨城 164 119,344
栃木 143 92,977
群馬 133 123,867
埼玉 412 128,714
千葉 347 131,507
東京 2,413 1,663,740
神奈川 590 124,032
新潟 144 56,153
山梨 109 45,682
中部 1,391 470,837
長野 161 46,793
岐阜 199 90,179
静岡 279 87,830
愛知 609 204,869
三重 143 41,166
北陸 329 94,200
富山 87 21,370
石川 133 43,480
福井 109 29,350
近畿 3,620 949,773
滋賀 121 25,672
京都 569 243,763
大阪 2,036 419,002
兵庫 617 160,653
奈良 176 81,570
和歌山 101 19,113
中国 634 271,043
鳥取 64 23,094
島根 47 13,287
岡山 159 105,792
広島 255 102,137
山口 109 26,733
四国 372 228,856
徳島 79 33,384
香川 80 23,873
愛媛 109 131,986
高知 104 39,613
九州 1,188 368,748
福岡 486 124,358
佐賀 53 7,661
長崎 117 37,901
熊本 151 60,078
大分 95 38,726
宮崎 84 17,432
鹿児島 118 38,506
沖縄 84 44,086
合計 13,337 5,446,254
  • ※地区の範囲は以下に定義している。
    関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
    中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
    北陸(富山、石川、福井)
    近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 形態別:破産件数が年度過去最多の7,313件、民事再生法が年度過去最少の529件
  • 負債額別:負債1億円未満の構成比が65.5%、年度としては最近10年間で最も高い比率
  • 従業員数別:従業員数5人未満の構成比が61.0%、2年連続6割を占める
  • 第三セクターの倒産が前年度同数の12件発生した
  • 上場企業倒産が前年度比5件減の3件、年度としては最近10年間で最少件数
  • 企業倒産に伴う従業員被害者数が前年度比0.3%増の10万9,414人、6年ぶりに前年度を上回る
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年度比1.2%増の1万3,282件、年度倒産に占める構成比は99.5%となった

当年の主な倒産

  • (株)エフ・アール・イー/東京都/不動産業/228,500百万円/破産
  • 青山管財(株)/東京都/不動産業/148,700百万円/民事再生法
  • 東京臨海副都心建設(株)/東京都/不動産業/144,000百万円/民事再生法
  • 竹芝地域開発(株)/東京都/不動産業/119,000百万円/民事再生法
  • (株)東京テレポートセンター/東京都/不動産業/117,000百万円/民事再生法

禁・転載・複写

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】マツオインターナショナル~膨らんだ債務と抜本再生への移行~

婦人服ブランド「ヴィヴィアン タム」「慈雨(じう)」「t.b2」などを展開し、ピーク時には国内外で約400店を構えていたマツオインターナショナル(株)(TSRコード:292635265、以下マツオ)が12月11日、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。

2

  • TSRデータインサイト

交響楽団の収益悪化、来場者戻らずコスト上昇 ~ 綱渡りの自助経営、草の根のムーブメントへの期待 ~

交響楽団が存立の危機に立たされている。多くの交響楽団で収入が落ち込んでおり、赤字が目立つ。会場費や団員などの人件費、楽器の輸送コストなどが上昇のうえ、寄附金や補助金による収入は頭打ちで綱渡りの運営だ。東京商工リサーチは、3期連続で業績が比較できる20団体を調査した。

3

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

4

  • TSRデータインサイト

長渕剛さん側、イベント会社の破産申立に続き代表を刑事告訴 ~長渕さん「徹底追求」、イベント会社代表「横領でない」と反論~

歌手の長渕剛さんが代表を務める個人事務所の(株)オフィスレン(渋谷区)が、イベント運営を委託していたダイヤモンドグループ(株)(東京都中央区)の代表を業務上横領罪で刑事告訴したことがわかった。東京商工リサーチの取材で長渕さん側が明らかにした。

5

  • TSRデータインサイト

「ペット・ペット用品小売業」倒産が過去2番目の14件 実質賃金の低迷と物価高がペットの世界にも影響

2025年11月の「ペット・ペット用品小売」の倒産は、1件(前年同月ゼロ)にとどまったが、1-11月累計は14件(前年同期比27.2%増)に達した。

TOPへ