全国企業倒産状況

2017年10月の全国企業倒産733件

2017年10月の倒産

倒産件数は733件 6年3カ月ぶりに2カ月連続で前年同月を上回る

 2017年(平成29年)10月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は件数が733件、負債総額は958億7,900万円だった。
倒産件数は、前年同月比7.3%増(50件増)になり、2011年7月以来、6年3カ月ぶりに2カ月連続で前年同月を上回った。今年3月以降は、前年同月比増加(3月、5月、7月、9月)と減少(4月、6月、8月)を交互に繰り返してきたが、ここにきて倒産減少の「底打ち」の動きが強まりをみせている。
これを裏付けるように、都道府県別でも前年同月比増加が25都府県、減少が19道県で、2カ月連続で「増加」が「減少」を上回った。
負債総額は、前年同月比13.8%減(153億5,600万円減)で8月(923億7,500万円)に次いで今年2番目に少ない金額だった。負債1億円未満が557件(前年同月比15.8%増、構成比75.9%)と全体の7割を占め、依然として小規模企業倒産を中心に推移した。

企業倒産月次推移


  • 「人手不足」関連倒産が2013年からの調査開始以来で年最多39件
  • 負債別:負債10億円以上の大型倒産が4カ月連続で前年同月を上回る
  • 都道府県別件数:前年同月より増加が25都府県、減少が19道県になり、2カ月連続で「増加」が「減少」を上回る。
  • 原因別件数:「販売不振」が2カ月連続で前年同月を上回る
  • 従業員数別:5人未満の構成比が74.4%、19カ月連続で70%を上回る
  • 「熊本地震」関連倒産が1件発生し、累計で24件にのぼる
  • 業種別:飲食業(52→69件)、老人福祉・介護事業(11→15件)などで倒産増加
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が、3カ月連続ですべて(構成比100.0%)を占める

産業別 サービス業他が8カ月連続で前年同月を上回る

 2017年10月の産業別倒産件数は、10産業のうち5産業で前年同月を下回った。
こうしたなか、サービス業他は215件(前年同月比17.4%増)で8カ月連続の増加。内訳では、専門料理店(16→22件)、食堂,レストラン(12→18件)などの飲食業や、労働者派遣業(4→9件)、美容業(4→7件)で増加をみせた。
また、運輸業は15件(前年同月比7.1%増)で3カ月連続で前年同月を上回り、建設業148件(同29.8%増)と卸売業111件(同3.7%増)がともに2カ月連続で増加した。
この一方で、製造業84件(同2.3%減)と小売業91件(同9.9%減)が、ともに5カ月連続で前年同月を下回り、不動産業は28件(同9.6%減)で3カ月連続で減少した。また、情報通信業34件(同5.5%減)が2カ月ぶりの減少、金融・保険業は1件(前年同月5件)で5カ月ぶりの減少。農・林・漁・鉱業は2カ月連続で前年同月同数の6件だった。

2017年10月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 北陸・中国・九州の3地区で今年最多

 2017年10月の地区別件数は、9地区のうち6地区で前年同月を上回った。
このうち、近畿が190件(前年同月比16.5%増)で4カ月連続の増加。中部94件(同8.0%増)と北陸23件(同109.0%増)および四国10件(同25.0%増)がそれぞれ2カ月連続で前年同月を上回った。また、九州が63件(同12.5%増)で5カ月ぶりに増加に転じ、中国は34件(同61.9%増)で2カ月ぶりに前年同月を上回った。このうち、北陸・中国・九州は今年の最多件数だった。産業別では、近畿が建設業(26→41件)や小売業(20→26件)で件数を押し上げた。倍増した北陸は、サービス業他(4→7件)や小売業(ゼロ→5件)などで増加が目立った。
一方、北海道は20件(前年同月比9.0%減)で4カ月連続の減少、東北は22件(同37.1%減)で2カ月連続の減少、関東277件(同1.0%減)で2カ月ぶりに前年同月を下回った。

2017年10月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)NK商事/岡山県/紳士コート販売/52億円/破産
  2. (株)日商/宮城県/土木・とび・土工工事/37億9,400万円/破産
  3. KE(株)/広島県/不動産業/36億5,200万円/特別清算
  4. (株)システムジュウヨン/大阪府/生活雑貨販売/33億2,200万円/民事再生法
  5. TM企画(株)/岡山県/紳士コート製造/26億3,500万円/破産

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSR速報 ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ