全国企業倒産状況
2012年(平成24年)2月度 全国企業倒産状況
| 倒産件数 | 1,038件 |
|---|---|
| 負債総額 | 6,312億6,300万円 |
| 前月比(件数) | +5.3%(前月 985件) |
| 前月比(負債) | +80.6%(前月 3,493億5,500万円) |
| 前年同月比(件数) | +5.1%(前年同月 987件) |
| 前年同月比(負債) | +53.8%(前年同月 4,101億8,800万円) |
(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)
倒産件数が前年同月比5.1%増の1,038件 過去最大の製造業倒産が発生
2012年(平成24年)2月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,038件、負債総額が6,312億6,300万円となった。
倒産件数は、前年同月比5.1%増。3カ月ぶりに前年同月を上回り、地区別では、9地区のうち6地区で前年同月を上回った。産業別ではサービス業他と建設業が3カ月ぶりに増加し、原油高の影響が懸念される運輸業が5カ月ぶりに40件を上回った。
負債総額は、前年同月比53.8%増と大幅に増加した。これは、東証1部上場でDRAM製品開発、製造のエルピーダメモリ(株)(東京)が会社更生法の適用を申請したことによる。2011年9月以来、5カ月ぶりの上場企業の倒産で、製造業としては過去最大(負債4,480億3,300万円)となった。同社だけで2月の負債総額の7割(構成比70.9%)を占めた。

産業別
産業別倒産件数 10産業のうち6産業で前年同月を下回る
減少率は、金融・保険業66.6%減(3→1件)、農・林・漁・鉱業44.4%減(9→5件)、小売業11.3%減(132→117件)、製造業11.0%減(145→129件)、不動産業4.5%減(22→21件)、卸売業1.3%減(145→143件)の順。製造業が13カ月連続、不動産業は2カ月連続で減少し、どちらも最近1年間で最少件数だった。卸売業は3カ月ぶりに減少した。
増加は、サービス業他が36.3%増(198→270件)、情報通信業25.6%増(39→49件)、運輸業14.2%増(35→40件)、建設業1.5%増(259→263件)の4産業だった。サービス業他と建設業が3カ月ぶりに増加し、原油高の影響が懸念される運輸業が5カ月ぶりに40件を上回った。
産業別構成比は、サービス業他26.0%、建設業25.3%、卸売業13.7%、製造業12.4%、小売業11.2%など。
| 産業別分類 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 農・林・漁・鉱業 | 5 | 844 |
| 建設業 | 263 | 37,368 |
| 製造業 | 129 | 482,015 |
| 卸売業 | 143 | 20,384 |
| 小売業 | 117 | 7,270 |
| 金融・保険業 | 1 | 8,000 |
| 不動産業 | 21 | 7,387 |
| 運輸業 | 40 | 20,281 |
| 情報通信業 | 49 | 4,424 |
| サービス業他 | 270 | 43,290 |
| 合計 | 1,038 | 631,263 |
※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

地区別
地区別倒産件数 9地区のうち6地区で前年同月を上回る
増加率は、四国45.0%増(20→29件)、中国32.3%増(34→45件)、北海道21.9%増(41→50件)、北陸13.0%増(23→26件)、関東8.0%増(373→403件)、九州1.5%増(63→64件)の順。減少したのは、東北10.3%減(29→26件)、近畿2.9%減(269→261件)、中部0.7%減(135→134件)の3地区だった。
・北海道:件数が10カ月ぶりに50件台に乗る。
・東北:全体の件数が、14カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、青森、山形で前年同月比増加。
・関東:全体の件数が、2カ月ぶりに前年同月を上回る。県別件数では、茨城、栃木、群馬、埼玉、神奈川、新潟で前年同月比増加。
・中部北陸:全体の件数が、中部は2カ月ぶりに前年同月比減少、北陸は7カ月ぶりに前年同月を上回る。県別件数では、長野、静岡、富山、石川で前年同月比増加。
・近畿:全体の件数が、8カ月連続で300件を下回る。県別件数では、奈良のみ前年同月比増加。
・中国:全体の件数が、2カ月ぶりに前年同月を上回る。県別件数では、鳥取、島根、広島、山口で前年同月比増加。
・四国:全体の件数が、2カ月連続で前年同月を上回る。県別件数では、徳島、愛媛、高知で前年同月比増加。
・九州:全体の件数が、2カ月連続で前年同月を上回る。県別件数では、福岡、佐賀、宮崎で前年同月比増加。
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 北海道 | 50 | 12,867 |
| 東北 | 26 | 13,698 |
| 青森 | 5 | 2,741 |
| 岩手 | 2 | 48 |
| 宮城 | 4 | 515 |
| 秋田 | 2 | 8,111 |
| 山形 | 9 | 867 |
| 福島 | 4 | 1,416 |
| 関東 | 403 | 519,708 |
| 茨城 | 17 | 850 |
| 栃木 | 13 | 5,511 |
| 群馬 | 16 | 2,185 |
| 埼玉 | 48 | 6,640 |
| 千葉 | 21 | 2,999 |
| 東京 | 223 | 492,360 |
| 神奈川 | 49 | 5,229 |
| 新潟 | 12 | 2,855 |
| 山梨 | 4 | 1,079 |
| 中部 | 134 | 23,170 |
| 長野 | 16 | 4,160 |
| 岐阜 | 14 | 2,467 |
| 静岡 | 28 | 10,353 |
| 愛知 | 65 | 4,894 |
| 三重 | 11 | 1,296 |
| 北陸 | 26 | 5,400 |
| 富山 | 6 | 2,086 |
| 石川 | 11 | 2,557 |
| 福井 | 9 | 757 |
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 近畿 | 261 | 34,987 |
| 滋賀 | 8 | 681 |
| 京都 | 24 | 1,433 |
| 大阪 | 149 | 13,745 |
| 兵庫 | 54 | 17,325 |
| 奈良 | 18 | 1,222 |
| 和歌山 | 8 | 581 |
| 中国 | 45 | 6,250 |
| 鳥取 | 5 | 1,330 |
| 島根 | 7 | 2,056 |
| 岡山 | 7 | 898 |
| 広島 | 16 | 1,468 |
| 山口 | 10 | 498 |
| 四国 | 29 | 5,536 |
| 徳島 | 8 | 3,151 |
| 香川 | 5 | 347 |
| 愛媛 | 8 | 934 |
| 高知 | 8 | 1,104 |
| 九州 | 64 | 9,647 |
| 福岡 | 26 | 2,784 |
| 佐賀 | 8 | 638 |
| 長崎 | 4 | 974 |
| 熊本 | 6 | 446 |
| 大分 | 5 | 380 |
| 宮崎 | 6 | 3,954 |
| 鹿児島 | 4 | 222 |
| 沖縄 | 5 | 249 |
| 合計 | 1,038 | 631,263 |
※地区の範囲は以下に定義している。
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
◎形態別:法的倒産の構成比が過去最高の83.6%を占める
◎「東日本大震災」が影響した「震災関連」倒産が53件
◎従業員数別:5人未満が前年同月比12.0%増の736件
◎負債額別:負債1億円未満が前年同月比12.4%増の743件
◎原因別:赤字累積などの「既往のシワ寄せ」が4カ月連続増加
◎中小企業金融円滑化法に基づく返済猶予利用後の倒産が17件、円高関連倒産が7件
◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は前年同月比4.6%増の1,031件
当月の主な倒産
エルピーダメモリ(株)/東京/DRAM製品開発、製造/4,480億円/会社更生法
海上アクセス(株)/兵庫/旅客海上輸送、駐車場管理/138億円/民事再生法
(株)日本イノベーション/東京/ファクタリング業/80億円/破産
秋田エルピーダメモリ(株)/秋田/半導体製造/79億円/会社更生法
(株)清/東京/ステーキハウス経営/74億円/破産
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