全国企業倒産状況

2011年(平成23年)7月度 全国企業倒産状況

倒産件数 1,081件
負債総額 2,209億1,200万円
前月比(件数) -7.2%(前月 1,165件)
前月比(負債) +2.1%(前月 2,163億5,300万円)
前年同月比(件数) +1.4%(前年同月 1,066件)
前年同月比(負債) -19.7%(前年同月 2,753億3,300万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数が3カ月連続で前年同月を上回る 7月「震災関連」倒産は68件発生


 2011(平成23)年7月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,081件、負債総額が2,209億1,200万円となった。

 

 倒産件数は、前年同月比1.4%増となり、3カ月連続で前年同月を上回った

 倒産件数の増勢の背景には、7月の「東日本大震災」関連の倒産が68件発生するなど震災が影響した。「震災関連」倒産は7月末までに累計243件に達した。1995年の「阪神・淡路大震災」では、震災発生から5カ月間で関連倒産が累計76件だったのに対して、3倍増のペースで推移している。今後の推移が注目される。

 

 負債総額は、同19.7%減(544億2,100万円減)で、7月としては過去20年間で最少金額となった。これは負債10億円以上の大型倒産が同23.2%減の33件(前年同月43件)となったことが影響した。このように企業倒産は依然として小・零細規模の倒産が中心に推移している。

 企業倒産月次推移


産業別


産業別倒産件数 10産業のうち4産業で前年同月を上回る

 増加率は、農・林・漁・鉱業15.3%増(13→15件)、サービス業他11.2%増(204→227件)、不動産業9.6%増(31→34件)、建設業9.7%増(287→315件)の順。

 これに対し、減少は金融・保険業33.3%減(6→4件)、小売業14.7%減(122→104件)、卸売業9.2%減(151→137件)、製造業3.3%減(180→174件)、運輸業2.8%減(35→34件)の5地区。このほか情報通信業が前年同月同数の37件だった。


産業別分類 件数(件) 負債額(百万円)
農・林・漁・鉱業 15 4,810
建設業 315 42,008
製造業 174 47,910
卸売業 137 29,984
小売業 104 9,737
金融・保険業 4 1,927
不動産業 34 25,371
運輸業 34 3,032
情報通信業 37 9,305
サービス業他 227 46,828
合計 1,081 220,912


※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

主要産業倒産件数推移


地区別

地区別倒産件数 9地区のうち5地区で前年同月を上回る


 増加率では、中国23.6%増(38→47件)、九州13.6%増(73→83件)、近畿4.7%増(272→285件)、北陸4.7%増(21→22件)、関東2.2%増(401→410件)の順。

 

 これに対し減少は、東北22.4%減(58→45件)、北海道12.8%減(39→34件)、中部6.0%減(133→125件)、四国3.2%減(31→30件)の4地区だった。

・北海道:件数が7カ月ぶりに前年同月を下回る。

・東北:全体の件数が、7カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、岩手のみ前年同月比増加。

・関東:全体の件数が、7カ月ぶりに前年同月を上回る。県別件数では、群馬、埼玉、神奈川、新潟で前年同月比増加。

・中部北陸:全体の件数が、中部が5カ月ぶりに前年同月比減少、これに対して北陸は4カ月連続で前年同月を上回る。県別件数では、長野、静岡、石川、福井で前年同月比増加。

・近畿:全体の件数が、2カ月ぶりに前年同月を上回る。県別件数では、大阪、兵庫、奈良で前年同月比増加。

・中国:全体の件数が、3カ月連続で前年同月を上回る。県別件数では、岡山、広島で前年同月比増加。

・四国:全体の件数が、4カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、徳島、香川、高知で前年同月比増加。

・九州:全体の件数が、3カ月連続で前年同月を上回り今年最多。県別件数では、福岡、長崎、熊本、沖縄で前年同月比増加。

都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
北海道 34 15,031
東北 45 15,148
青森 7 917
岩手 12 3,932
宮城 6 358
秋田 4 289
山形 8 1,061
福島 8 8,591
関東 410 79,263
茨城 13 1,441
栃木 11 912
群馬 12 3,024
埼玉 50 5,823
千葉 31 8,303
東京 199 39,782
神奈川 69 7,658
新潟 23 12,170
山梨 2 150
中部 125 40,848
長野 14 9,311
岐阜 16 2,932
静岡 27 3,503
愛知 61 23,829
三重 7 1,273
北陸 22 2,612
富山 6 1,128
石川 11 1,243
福井 5 241
都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
近畿 285 28,313
滋賀 7 486
京都 26 2,706
大阪 179 14,754
兵庫 56 9,255
奈良 12 769
和歌山 5 343
中国 47 7,355
鳥取 1 50
島根 2 97
岡山 15 4,953
広島 24 1,895
山口 5 360
四国 30 12,330
徳島 4 310
香川 9 3,466
愛媛 8 6,209
高知 9 2,345
九州 83 20,012
福岡 37 5,997
佐賀 4 1,335
長崎 8 617
熊本 13 3,089
大分 2 325
宮崎 7 642
鹿児島 6 1,959
沖縄 6 6,048
合計 1,081 220,912


※地区の範囲は以下に定義している。

関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)

中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)

北陸(富山、石川、福井)

近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)


 

◎原因別:「運転資金の欠乏」が前年同月比47.5%増(40→59件)

◎負債額別:負債1億円未満の小規模倒産が726件で全体の約7割(構成比67.1%)を占める

◎都道府県別件数:21府県で前年同月を上回る

◎産業別件数:建設業が3カ月連続で前年同月を上回る

◎業種別件数:飲食業(53→67件)、宿泊業(5→8件)などで増加が目立つ

◎中小企業基本法に基づく中小企業の倒産件数は、前年同月比1.5%増の1,077件

当月の主な倒産


(株)釧路振興公社/北海道/不動産業/負債109億円/特別清算


(株)アイ・ピー・ジー・アイ/東京/アパレル製品販売、商標権管理/負債75億円/民事再生法


(株)横谷温泉旅館/長野/旅館経営/負債66億円/民事再生法


(株)ラハイナコーポレーション/愛知/不動産業、ソフトウェア業/負債65億円/破産


(株)アサヒグラフィックス/愛知/オフセット印刷/負債48億円/民事再生法


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