全国企業倒産状況
2011年(平成23年)1月度 全国企業倒産状況
| 倒産件数 | 1,041件 |
|---|---|
| 負債総額 | 2,363億9,700万円 |
| 前月比(件数) | -5.5%(前月 1,102件) |
| 前月比(負債) | -4.0%(前月 2,464億8,000万円) |
| 前年同月比(件数) | -2.0%(前年同月 1,063件) |
| 前年同月比(負債) | -90.9%(前年同月 2兆6,032億3,800万円) |
(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)
倒産件数が前年同月比2.0%減の1,041件 18カ月連続で前年同月を下回る
2011(平成23)年1月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,041件、負債総額が2,363億9,700万円となった。
倒産件数は、前年同月比2.0%減(22件減)で18カ月連続で前年同月を下回った。この結果、連続減少期間としては過去4番目の長さとなった。依然として「景気対応緊急保証制度」や「中小企業金融円滑化法」などの金融支援策の効果が続いている。しかし、前年同月比では5カ月連続1ケタの減少率で、減少幅がさらに縮小した。
負債総額は、同90.9%減(2兆3,668億4,100万円減)で3カ月連続で前年同月を下回り、1月としては1996年(2,956億3,400万円)以来15年ぶりに3,000億円を下回った。
この大幅減は、前年同月が(株)日本航空と関連2社が会社更生手続開始を申請して、1月としては戦後最大規模(2兆6,032億円)にのぼり、その反動が大きく表れたことによる。負債100億円以上の大型倒産が2件にとどまった一方で、負債1億円未満の構成比が67.3%、従業員5人未満が68.1%を占めるなど、小・零細規模の企業倒産が中心を占めた。

産業別
産業別倒産件数 10産業のうち5産業で前年同月を上回る
増加率は、金融・保険業500.0%増(1→6件)を筆頭にして、小売業11.5%増(130→145件)、不動産業1.9%増(52→53件)、製造業1.8%増(161→164件)、卸売業0.8%増(120→121件)の順。
これに対して減少は、農・林・漁・鉱業42.8%減(7→4件)、運輸業17.9%減(39→32件)、建設業12.4%減(266→233件)、情報通信業8.6%減(46→42件)の4産業。このほかサービス業他が前年同月同数の241件だった。
| 産業別分類 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 農・林・漁・鉱業 | 4 | 1,803 |
| 建設業 | 233 | 40,943 |
| 製造業 | 164 | 41,279 |
| 卸売業 | 121 | 27,282 |
| 小売業 | 145 | 21,074 |
| 金融・保険業 | 6 | 16,034 |
| 不動産業 | 53 | 17,937 |
| 運輸業 | 32 | 7,420 |
| 情報通信業 | 42 | 6,544 |
| サービス業他 | 241 | 56,081 |
| 合計 | 1,041 | 236,397 |
※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

地区別
地区別倒産件数 9地区のうち7地区で前年同月を下回る
減少率は、四国35.7%減(28→18件)、九州12.9%減(77→67件)、北陸12.9%減(31→27件)、中国6.2%減(32→30件)、東北4.7%減(42→40件)、関東2.1%減(415→406件)、近畿0.7%減(282→280件)の順。
これに対して増加は、中部13.5%増(118→134件)と北海道2.6%増(38→39件)の2地区だった。
・北海道:件数は建設業倒産の増加により前年同月を上回る
・東北:全体の件数が、3カ月ぶりに前年同月比減少。県別件数では、山形、福島で前年同月比増加。
・関東:全体の件数が1月としては2年連続前年同月を下回る、県別件数では、茨城、群馬、東京で前年同月比増加。
・中部北陸:全体の件数が、中部は8カ月ぶりに前年同月比増加。北陸は4カ月連続で前年同月比減少。県別件数では、長野、岐阜、愛知、三重、福井で前年同月比増加。
・近畿:全体の件数が、4カ月ぶりに前年同月比減少。県別件数では、大阪、奈良で前年同月比増加。
・中国:全体の件数が、17カ月連続の前年同月比減少。県別件数では、岡山のみ前年同月比増加。
・四国:全体の件数が、最近1年間で最少タイ。県別件数では、徳島、高知で前年同月比増加。
・九州:全体の件数が、1月としては1973年(45件)以来の低水準。県別件数では、福岡、沖縄で前年同月比増加。
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 北海道 | 39 | 9,718 |
| 東北 | 40 | 8,276 |
| 青森 | 3 | 450 |
| 岩手 | 3 | 166 |
| 宮城 | 7 | 851 |
| 秋田 | 4 | 334 |
| 山形 | 8 | 1,842 |
| 福島 | 15 | 4,633 |
| 関東 | 406 | 95,943 |
| 茨城 | 25 | 4,608 |
| 栃木 | 11 | 10,131 |
| 群馬 | 19 | 3,110 |
| 埼玉 | 31 | 2,721 |
| 千葉 | 22 | 2,974 |
| 東京 | 232 | 65,151 |
| 神奈川 | 54 | 5,045 |
| 新潟 | 7 | 288 |
| 山梨 | 5 | 1,915 |
| 中部 | 134 | 29,389 |
| 長野 | 11 | 1,951 |
| 岐阜 | 14 | 1,154 |
| 静岡 | 17 | 13,341 |
| 愛知 | 86 | 12,602 |
| 三重 | 6 | 341 |
| 北陸 | 27 | 7,170 |
| 富山 | 9 | 944 |
| 石川 | 5 | 2,193 |
| 福井 | 13 | 4,033 |
| 都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
|---|---|---|
| 近畿 | 280 | 54,630 |
| 滋賀 | 5 | 320 |
| 京都 | 33 | 4,583 |
| 大阪 | 180 | 42,838 |
| 兵庫 | 40 | 5,793 |
| 奈良 | 14 | 829 |
| 和歌山 | 8 | 267 |
| 中国 | 30 | 5,412 |
| 鳥取 | 3 | 1,950 |
| 島根 | 1 | 40 |
| 岡山 | 12 | 1,868 |
| 広島 | 10 | 1,286 |
| 山口 | 4 | 268 |
| 四国 | 18 | 3,193 |
| 徳島 | 5 | 1,185 |
| 香川 | 4 | 178 |
| 愛媛 | 5 | 1,104 |
| 高知 | 4 | 726 |
| 九州 | 67 | 22,666 |
| 福岡 | 31 | 4,300 |
| 佐賀 | 3 | 5,675 |
| 長崎 | 7 | 4,214 |
| 熊本 | 8 | 1,585 |
| 大分 | 5 | 407 |
| 宮崎 | 4 | 5,210 |
| 鹿児島 | 3 | 948 |
| 沖縄 | 6 | 327 |
| 合計 | 1,041 | 236,397 |
※地区の範囲は以下に定義している。
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
◎形態別:法的倒産件数の構成比が過去最高の82.4%
◎産業別件数:製造業が1年5カ月ぶり前年同月を上回る
◎原因別:「不況型」倒産の構成比が81.7%、12カ月連続80%を上回る
◎資本金別:1千万円未満が前年同月比3.0%増の544件
◎上場企業倒産:2カ月連続発生、年度(4~3月)累計は1月末時点で10件(前年同期7件)
◎従業員数別:5人未満の構成比が最近1年間で2番目に高率の68.1%
◎業種別件数:広告関連業が前年同月比84.6%増の24件、酒類販売が同71.4%増の12件
◎中小企業倒産件数:前年同月比1.2%減の1,037件
当月の主な倒産
中小企業信用機構(株)/東京都/事業者向け貸金業/154億6,100万円/民事再生法
志眞建設(株)/大阪府/土木、建築工事/109億8,300万円/民事再生法
(株)シノハラ/静岡県/オフセット印刷機械製造/96億5,200万円/民事再生法
ヨシキ鋼材(株)/大阪府/鋼材販売ほか/69億円/民事再生法
大浦(株)/宮崎県/百貨店経営/45億8,900万円/民事再生法
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