全国企業倒産状況

2007年(平成19年)4月度 全国企業倒産状況

倒産件数 1,121件
負債総額 616,313百万円
前月比(件数) −10.1%(前月1,247件)
前月比(負債) +26.1%(前月488,698百万円)
前年同月比(件数) +3.1%(前年同月1,087件)
前年同月比(負債) +44.4%(前年同月426,782百万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

前年同月比3.1%増の1,121件、負債総額は6,163億円

 2007年(平成19年)4月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は1,121件、負債総額は6,163億1,300万円となった。※当社の倒産集計は、法的倒産のほかに銀行取引停止処分等の私的倒産を含む。

 

 倒産件数は、前年同月比34件増、3.1%増となり2カ月ぶりに前年同月を上回ったが、4月としては最近10年間で3番目に少ない件数だった。

 

 負債総額は、同1,895億3,100万円増、44.4%増となり、4月としては3年ぶりに5,000億円を上回った。これは負債10億円以上の大型倒産が同58.3%増(同28件増)の76件発生し、最近1年間で最多になったことが挙げられる。ただし全体では、負債1億円未満が月次倒産の64.4%を占め、小規模倒産が過半数を占める状況には変わりがない。

産業別

倒産件数、10産業のうち6産業で前年同月比減少

 

 減少率は、金融・保険業37.5%減(8→5件)、運輸業26.5%減(49→36件)、建設業15.0%減(345→293件)、不動産業12.1%減(41→36件)、情報通信業9.0%減(33→30件)、小売業1.4%減(138→136件) の順。

 

 これに対して増加率は、サービス業他34.3%増(189→254件)、卸売業23.6%増(131→162件)、農・林・漁・鉱業20.0%増(5→6件)、製造業10.1%増(148→163件)の4産業だった。特にサービス業他は最近1年間で件数が最も多かった。

産業別分類
件数(件)
負債額(百万円)
農林漁鉱業
6
1,630
建設業
293
65,987
製造業
163
39,292
卸売業
162
27,740
小売業
136
16,432
金融保険業
5
24,560
不動産業
36
59,745
運輸業
36
19,218
情報通信業
30
3,835
サービス業他
254
357,874
合計
1,121
616,313

 

※業種分類のコード改訂(日本標準産業分類に基づく)に伴い、弊社データベースは2004年1月度より新業種分類に移行。このため、産業別分類は従来の9産業から10産業に変更している。各数値は新業種コードに基づく。

地区別

 地区別倒産件数では、9地区のうち5地区で前年同月比減少。減少率は、中部25.5%減(133→99件)、北海道21.6%減(60→47件)、四国19.3%減(31→25件)、近畿1.9%減(307→301件)、東北1.6%減(61→60件)の順。

 これに対して増加率は、中国22.2%増(36→44件)、関東21.8%増(338→412件)、北陸17.1%増(35→41件)、九州6.9%増(86→92件)の4地区だった。

 また都道府県別では、前年同月比減少が23道府県、増加が21都府県、同数が3県となった。

 

北海道:件数は3カ月ぶりに前年同月比減少、負債総額は2カ月連続前年同月比増加

東北:全体の件数は2カ月連続前年同月比減少、負債総額は大型倒産発生から4月としては過去最大、県別件数では秋田、山形で前年同月比増加

関東:全体の件数は3カ月連続400件を上回る、県別件数では栃木、群馬、埼玉、東京、神奈川、新潟、山梨で前年同月比増加

中部北陸:件数は中部が7カ月ぶりに100件を下回る、これに対して北陸は3年1カ月ぶりに40件を上回る。県別件数では福井が倍増

近畿:全体の件数は2カ月ぶりに前年同月比減少、県別件数では大阪、兵庫、和歌山で前年同月比増加

中国:全体の件数が6カ月ぶりに前年同月比増加、県別件数では島根、岡山、広島、山口で前年同月比増加

四国:件数・負債総額ともに前年同月比減少、全体の負債総額は最近1年間で最小、県別件数では徳島、香川、高知で前年同月比減少

九州:件数・負債総額ともに前年同月比増加、県別件数では佐賀、宮崎、鹿児島、沖縄で前年同月比増加

地区/都道府県
件数(件)
負債額
(百万円)
地区/都道府県
件数(件)
負債額
(百万円)
北海道
47
13,860
近畿
301
70,563
東北
60
74,203
滋賀
12
445
青森
9
2,198
京都
36
5,974
岩手
5
665
大阪
177
39,858
宮城
11
2,390
兵庫
50
15,382
秋田
13
3,072
奈良
16
1,992
山形
11
1,087
和歌山
10
6,912
福島
11
64,791
中国
44
16,189
関東
412
358,929
鳥取
2
4,030
茨城
11
1,048
島根
4
2,082
栃木
20
15,470
岡山
15
2,500
群馬
21
6,894
広島
16
5,437
埼玉
45
6,864
山口
7
2,140
千葉
21
8,491
四国
25
3,196
東京
207
269,316
徳島
3
1,155
神奈川
64
21,621
香川
7
720
新潟
15
28,291
愛媛
11
1,161
山梨
8
934
高知
4
160
中部
99
37,332
九州
92
25,981
長野
15
17,947
福岡
36
7,121
岐阜
18
3,706
佐賀
8
1,113
静岡
11
2,985
長崎
6
2,195
愛知
43
11,101
熊本
8
1,111
三重
12
1,593
大分
5
3,400
北陸
41
16,060
宮崎
11
3,366
富山
4
1,133
鹿児島
11
6,114
石川
12
8,618
沖縄
7
1,561
福井
25
6,309
合計
1,121
616,313

 

※地区の範囲は以下に定義している。

関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)

中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)

北陸(富山、石川、福井)

近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)

 

◎形態別: 破産件数が前年同月比3.8%増の616件、構成比が54.9%を占める

◎企業倒産に伴う従業員被害者数が10,642人、2カ月連続1万人を上回る

◎原因別:販売不振の構成比が62.6%、15カ月連続月次倒産の6割を占める

◎ホテル・旅館業等の宿泊業倒産が前年同月比倍増の18件発生

◎第三セクターの倒産が2件発生、今年は4月末時点で累計6件

◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年同月比2.7%増の1,116件

当月の主な倒産

シーコム(株)/東京都/ホテル、海運業/109,700百万円/破産

(株)ダイエー/福島県/パチンコ店経営/63,600百万円/民事再生法

総武都市開発(株)/東京都/ゴルフ場経営/38,600百万円/民事再生法

(株)シーザーパークホテルアンドリゾートアジア/東京都/ホテル経営コンサルタント/28,800百万円/特別清算

(株)ライブドアファイナンス/東京都/投資・金融サービス事業/20,000百万円/特別清算 

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