全国企業倒産状況
2010年度(平成22年度)上半期(4-9月) 全国企業倒産状況
倒産件数 | 6,555件 |
---|---|
負債総額 | 2兆7,673億9,500万円 |
前年同期比(件数) | -15.2%(前年同期7,736件) |
前年同期比(負債) | +10.5%(前年同期2兆5,029億3,400万円) |
(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)
倒産件数が前年同期比15.2%減の6,555件、4年ぶりに年度上半期7,000件を下回る
2010(平成22)年度上半期(4月~9月)の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は6,555件、負債総額が2兆7,673億9,500万円となった。
倒産件数は、前年同期比15.2%減で、年度上半期としては2年連続で前年同期を下回った。また2006年(6,531件)以来4年ぶりに7,000件を下回り、年度上半期では戦後28番目となった。
主な減少要因は、「景気対応緊急保証制度」や政府系金融機関の低利融資「セーフティネット貸付」などの中小企業向けの金融支援効果に加え、「中小企業金融円滑化法」などの政策効果が挙げられる。
負債総額は、前年同期比2,644億6,100万円増(10.5%増)となり、年度上半期としては戦後17番目となった。
ただし、負債10億円以上の大型倒産は同31.1%減の274件(前年同期398件)となり、年度上半期としては1990年度(105件)以来20年ぶりに300件を下回った。
産業別
倒産件数、10産業のうち9産業で前年同期を下回る
減少率は、不動産業24.5%減(293→221件) 、製造業19.1%減(1,289→1,042件)、運輸業17.5%減(296→244件)、卸売業16.4%減(1,044→872件)、サービス業他15.6%減(1,530→1,290件)、建設業14.6%減(2,079→1,774件)、金融・保険業11.3%減(44→39件)、小売業10.3%減(832→746件)、情報通信業7.7%減(296→273件)の順。
これに対して増加は、農・林・漁・鉱業63.6%増(33→54件)のみ。
産業別分類 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
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農・林・漁・鉱業 | 54 | 19,470 |
建設業 | 1,774 | 276,474 |
製造業 | 1,042 | 322,333 |
卸売業 | 872 | 217,091 |
小売業 | 746 | 101,459 |
金融・保険業 | 39 | 1,135,028 |
不動産業 | 221 | 287,923 |
運輸業 | 244 | 40,301 |
情報通信業 | 273 | 53,828 |
サービス業他 | 1,290 | 313,488 |
合計 | 6,555 | 2,767,395 |
※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。
地区別
倒産件数、9地区すべてで前年同期を下回る
減少率は、中国27.0%減(303→221件)、九州23.6%減(563→430件)、東北21.8%減(366→286件)、北陸17.1%減(210→174件)、近畿16.9%減(2,164→1,797件)、北海道15.1%減(264→224件)、関東13.3%減(2,898→2,511件)、中部5.8%減(783→737件)、四国5.4%減(185→175件)の順だった。
また都道府県別倒産件数では、前年同期を上回ったのが7県、減少が39都道府県、同数が1県となった。
- 北海道:件数が前年同期比15.1%減で20年ぶりに250件を下回った、負債は同44.1%減。
- 東北:件数が前年同期比21.89%減、負債は同25.1%減。県別件数では、全県で前年同期比減少。
- 関東:件数が前年同期比13.3%減、これに対して負債は同58.3%増。県別件数では、栃木、新潟で前年同期比増加。
- 中部北陸:中部の件数は前年同期比.5.8%減、北陸は件数が同17.1%減。県別件数では、岐阜、石川で前年同期比増加。
- 近畿:件数が前年同期比16.9%減、負債は同24.1%減。県別件数では、兵庫のみ前年同期比増加。
- 中国:件数が前年同期比27.0%減、負債が同57.2%減。県別件数では、全県で前年同期比減少。
- 四国:件数が前年同期比5.4%減、負債が同36.2%減。県別件数では、徳島、愛媛で前年同期比増加。
- 九州:件数が前年同期比23.6%減で年度上半期では平成初の500件割れ、負債は同52.0%減。県別件数では、全県で前年同期比減少。
都道府県 | 件数(件) | 負債額(百万円) |
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北海道 | 224 | 62,751 |
東北 | 286 | 69,423 |
青森 | 43 | 13,512 |
岩手 | 40 | 11,151 |
宮城 | 62 | 19,434 |
秋田 | 36 | 5,057 |
山形 | 45 | 4,572 |
福島 | 60 | 15,697 |
関東 | 2,511 | 1,954,537 |
茨城 | 92 | 79,155 |
栃木 | 83 | 23,599 |
群馬 | 82 | 18,393 |
埼玉 | 282 | 53,358 |
千葉 | 204 | 40,021 |
東京 | 1,321 | 1,620,218 |
神奈川 | 349 | 90,927 |
新潟 | 75 | 24,838 |
山梨 | 23 | 4,028 |
中部 | 737 | 173,401 |
長野 | 76 | 17,358 |
岐阜 | 107 | 27,700 |
静岡 | 131 | 30,596 |
愛知 | 350 | 79,453 |
三重 | 73 | 18,294 |
北陸 | 174 | 44,914 |
富山 | 55 | 11,140 |
石川 | 80 | 26,761 |
福井 | 39 | 7,013 |
近畿 | 1,797 | 303,802 |
滋賀 | 70 | 16,163 |
京都 | 225 | 17,357 |
大阪 | 1,004 | 170,831 |
兵庫 | 369 | 74,351 |
奈良 | 54 | 7,823 |
和歌山 | 75 | 17,277 |
中国 | 221 | 45,686 |
鳥取 | 11 | 1,570 |
島根 | 25 | 5,221 |
岡山 | 56 | 10,589 |
広島 | 84 | 16,036 |
山口 | 45 | 12,270 |
四国 | 175 | 35,495 |
徳島 | 31 | 6,192 |
香川 | 31 | 6,721 |
愛媛 | 87 | 19,546 |
高知 | 26 | 3,036 |
九州 | 430 | 77,386 |
福岡 | 185 | 33,809 |
佐賀 | 26 | 3,304 |
長崎 | 35 | 2,204 |
熊本 | 48 | 12,935 |
大分 | 45 | 6,191 |
宮崎 | 36 | 5,662 |
鹿児島 | 29 | 6,334 |
沖縄 | 26 | 6,947 |
合計 | 6,555 | 2,767,395 |
※地区の範囲は以下に定義している。関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)北陸(富山、石川、福井)近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
- 形態別:法的倒産の構成比、年度上半期としては過去最高の78.8%
- 原因別:「不況型」倒産構成比、年度上半期としては過去最高の82.6%
- 従業員被害者数が4万6,634人、年度上半期としては19年ぶりの5万人割れ
- 上場企業倒産が(株)武富士など5件(前年同期5件)にとどまった
- 負債10億円以上が274件、年度上半期としては20年ぶりに300件を下回る
- 業種別:酒類販売が前年同期比28.2%増、スーパーが同18.1%増
- 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年同期比15.2%減の6,519件
当期の主な倒産
- 日本振興銀行(株)/東京都/銀行業/6,805億6,300万円/民事再生法
- (株)武富士/東京都/消費者金融業/4,336億800万円/会社更生法
- (株)プロパスト/東京都/マンション分譲/554億4,700万円/民事再生法
- 茨城県住宅供給公社/茨城県/住宅用土地売買/523億3,600万円/破産
- (株)エービー産業/大阪府/建築工事ほか/234億円/特別清算
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