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件数9件、年上半期では30年間で最多~ 2022年上半期(1-6月)「貸切バス業」の倒産 ~

  2022年上半期(1-6月)の「貸切バス業」倒産(負債1,000万円以上)は、コロナ禍が直撃した前年同期と同じ9件だった。上半期では1993年以降の30年間で、最多件数を記録した。
 「貸切バス業」の倒産9件のうち、8件が『新型コロナ関連倒産』(前年同期9件)だった。長引くコロナ禍でインバウンド需要の消失、国内旅行の激減で大打撃を受けた貸切バス業界の苦境を反映している。
 資本金別は9件すべて1億円未満の中小・零細企業で、負債額別でも1億円未満が6件と約7割(構成比66.6%)を占めた。形態別は9件すべて破産で、再生型倒産は9年連続で派生しなかった。
 倒産した企業は中小・零細規模が主体で、コロナ禍の人流抑制や外出・旅行自粛などの新しい生活様式の広がりで業績回復が遅れ、事業継続を断念するケースが目立つ。
 政府は、6月10日からパッケージツアーによる外国人観光客の受入れを開始した。だが、新型コロナ新規感染者数の急増に伴い、観光庁は7月14日、県民割支援期間を8月31日宿泊分まで延長し、「全国旅行支援」の実施も感染状況を見極めていくことを公表した。書き入れ時である夏休みを前に、新型コロナ新規感染者の急増は痛手で、再び貸切バス業界に暗雲が漂い始めている。
 コロナ関連支援策の効果が薄らぐなか、燃料費上昇、人手不足などの深刻な問題がのしかかる貸切バス業界は倒産だけでなく、廃業の加速も懸念される状況が続いている。

  • 本調査は、日本産業分類の「一般貸切旅客運送業」(貸切バス業)の2022年上半期(1-6月)の倒産を集計、分析した。

上半期の倒産 9件のうち『新型コロナ関連倒産』が8件

 2022年上半期(1-6月)の「貸切バス業」倒産は前年同期と同数の9件で、1993年以降の30年間では2年連続で最多となった。
 2022年上半期の「貸切バス業」倒産は、9件のうち『新型コロナ関連倒産』が8件(前年同期9件)とコロナ禍の影響が続いていることが鮮明になった。長引くコロナ禍で、インバウンド需要の消失や国内旅行の大幅な減少など、貸切バス業界は深刻な経営環境が続いている。
 主な倒産は、総和観光(株)(茨城県、負債7億円、1月破産)は、社員旅行、研修旅行、老人会・町内会旅行のほか、中国・台湾など海外の旅行ツアー会社と結び付きを強めていた。しかし、コロナ禍で一気に客足が途絶え、大幅に売上が落ち込んでいた。(株)森山(福岡県、同5億900万円、2月破産)は、貸切バスを中心に、高速バスも運行していた。しかし、新型コロナ感染拡大による外出自粛や県またぎの移動が制限され需要が大幅に減少。コロナ関連支援でしのいでいたが、業況が改善しなかった。

貸切バス

【原因別】 9件すべてが『不況型』倒産

 原因別は、最多が「販売不振」の8件(前年同期8件)で、全体の88.8%を占めた。このほか、「既往のシワ寄せ」(赤字累積)が1件(前年同期ゼロ)だった。
 『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は9件(前年同期比12.5%増、前年同期8件)で、2016年同期以来、6年ぶりに構成比が100.0%になった。
 コロナ禍で国内外の移動制限が広がり、現状の苦しさに加え、先行きの見通しも厳しいことから事業継続を断念するケースがほとんどを占めている。

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【形態別】9件すべてが破産

 形態別は、「破産」が9件(前年同期比12.5%増、前年同期8件)で、2年ぶりにすべての倒産が破産(前年同期88.8%)だった。
 一方、再建型の「会社更生法」は、大型倒産がないこともあって上半期では1993年以降の30年間で発生はない。また、「民事再生法」も2014年同期から9年連続でゼロだった。
 貸切バス業の倒産は、ほとんどが中小・零細規模であることに加え、コロナ禍で業績回復が遅れ、再建型より事業継続を断念する消滅型の「破産」が圧倒的に多い。

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【資本金別】9件すべてが1億円未満

 資本金別は、最多が「5百万円以上1千万円未満」の6件(前年同期比100.0%増、前年同期3件)で、倒産に占める構成比は66.6%(前年同期33.3%)だった。
 次いで、「1千万円以上5千万円未満」が2件(前年同期比50.0%減、構成比22.2%)。
 そのほか、「1百万円以上5百万円未満」が前年同期と同件数の1件だった。「5千万円以上1億円未満」は2年ぶりにゼロ、「1億円以上」は2016年同期以降、発生していない。

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【負債額別】2016年以降、10億円以上の倒産はゼロ

 負債額別は、1億円未満が6件(前年同期比20.0%増、前年同期5件)で、倒産に占める構成比は66.6%(前年同期55.5%)だった。内訳は、「1千万円以上5千万円未満」が5件(前年同期比66.6%増)、「5千万円以上1億円未満」が1件(同50.0%減)。
 「1億円以上5億円未満」は1件(同66.6%減)で、3年ぶりに前年同期を下回った。一方、「5億円以上10億円未満」は2件(前年同期1件)で、2年連続で前年同期を上回った。
 10億円以上の大型倒産はゼロで、2016年同期以降、発生していない。

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【従業員数別】10人未満が7割超

 従業員数別は、最多が5人以上10人未満の4件(前年同期比33.3%増、前年同期3件)。また、5人未満が3件(同50.0%増、同2件)だった。
 10人未満が7件(同40.0%増、同5件)で、倒産に占める構成比は77.7%(前年同期55.5%)で、7割超が小規模企業だった。
 一方、50人以上はゼロで、上半期としては2016年同期以降、7年連続で発生していない。

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