• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

【取材の周辺】コロナが直撃の外食大手 鳥貴族は持株会社へ、幸楽苑はシ・ローン締結

 コロナ禍での外出自粛や休業、外食控えの影響で、業績悪化を発表する飲食チェーンが相次いでいる。(株)鳥貴族(TSR企業コード: 571700365)は、2020年7月期第3四半期決算が最終赤字に転落。(株)幸楽苑ホールディングス(TSR企業コード: 152024999、以下幸楽苑)も2020年3月期決算が最終赤字に沈んだ。
 緊急事態宣言解除後の回復を見据え、鳥貴族は21年2月に持株会社へ移行する。「激変する環境のもとでも生き抜く経営体制の構築、新事業の創出、人財開発を行う」とした。幸楽苑は、テイクアウトの強化やタクシーによる配達、ドライブスルーの挑戦を開始した。

鳥貴族の第3四半期、営業自粛で赤字転落

 鳥貴族は6月5日、2020年7月期第3四半期(19年8月~20年4月)の決算を発表した。売上高230億2,400万円(前年同期比14.9%減)に対し、1億5,300万円の最終赤字に終わった。「新型コロナウイルス」感染防止のため、多くの店舗で営業自粛し、営業自粛期間の店舗運営にかかる固定費の特別損失(12億3,100万円)計上が響いた。
 また、同日発表した5月度の月次報告によると、5月の全店売上高は前年同月比87.9%減だった。4月は直営全店が4月4日以降臨時休業し、同96.2%減と大幅に落ち込んだ。5月も地域によって段階的に営業を再開したが、大幅減収が続いている。
 さらに、21年2月に持株会社へ移行をすると発表した。これに関連して、20年8月に分割準備会社の(株)鳥貴族JAPAN(大阪市浪速区)を設立する。鳥貴族は、「更なる挑戦として、日本全国に“298円均一の感動”を広げていくだけでなく、米国への出店をはじめとする海外への展開を図る」と発表した。

幸楽苑、台風や新型コロナで赤字

 役員報酬と社員給与の減額、従業員の夏季賞与の不支給を発表した幸楽苑は6月5日、2020年3月期(連結)決算短信を発表した。
 売上高は382億3,700万円(前期比7.3%減)、営業利益6億6,000万円(同59.6%減)、最終赤字6億7,700万円(前年10億900万円の黒字)と減収、赤字転落だった。
 19年10月の台風19号の水害で郡山工場が操業を停止し、東北や北関東などの店舗が臨時休業を余儀なくされた。さらに、新型コロナの感染拡大で、全国的に外食を控える傾向が強まったことが影響した。
 同日、新たなシンジケート・ローン(コミットメントライン)の契約締結も発表。組成金額は30億円で無担保。アレンジャー兼エージェントはみずほ銀行で、東邦銀行や秋田銀行など参加金融機関は7行。期間は20年6月5日から21年6月4日まで。
 幸楽苑は、直営店(国内既存店)の4月の売上高は前年同月比50.0%減と半減したが、5月は同37.8%減と回復。深夜の営業時間を短縮し、全商品のテイクアウトを実施。タクシーによる出前を開始したほか、ドライブスルーも試験的に導入し、巻き返しを狙っている。

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

賃金上昇、従業員退職による倒産が過去最多 8月の「人手不足」倒産 8月では最多の32件

2026年8月の「人手不足」倒産は、32件(前年同月比39.1%増)だった。8月としては、前年の23件を大幅に上回り、最多を更新した。1-8月は333件(前年同期比38.7%増)で、年間最多ペースが続く。

2

  • TSRデータインサイト

出版業の倒産急増、利益も悪化傾向 ~ 存続に向けた書店との直取引、目指す姿と課題 ~

電子書籍が普及するなか、紙の書籍を主体に手掛ける老舗出版社を中心に、「出版業」の倒産(負債1,000万円以上)が急増している。 2026年1-7月の「出版業」の倒産は21件(前年同期比90.9%増)で、2019年同期の21件以来7年ぶりに20件を超えた。

3

  • TSRデータインサイト

「フィットネスクラブ」の倒産が過去最多を更新へ 1-8月は26件、市場拡大もレッドオーシャンの兆し

拡大するフィットネス市場で、「フィットネスクラブ」の倒産が急増している。2026年1-8月は26件(前年同期比160.0%増)と前年同期の2.6倍に達し、2023年同期の16件を抜いて過去最多を更新した。 現在のペースで推移すると、2026年は年間最多の2023年の27件を上回り、40件台も視野に入ってきた。

4

  • TSRデータインサイト

泥臭い再生支援と粉飾決算、銀行員の「違和感」~ 「実務家座談会」を開催(後編)~

(後編)事業再生に携わる金融機関は企業にどう向き合うのか。東京商工リサーチ(TSR)は、事業再生に携わる金融機関の担当者に、取り組みの現状や事例、特色、留意点などを聞いた。

5

  • TSRデータインサイト

「半導体関連メーカー」生成AI普及で業績好調 売上トップはキオクシア、TSMC日本子会社は売上高約143倍

生成AIの普及やデータセンター向け需要拡大で、国内の主要半導体関連メーカーの業績が好調だ。東京商工リサーチ(TSR)の企業データベース(約440万社)から、全国の主な半導体関連メーカー154社の2025年度業績を分析した。

TOPへ