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「川金ホールディングスグループ国内取引状況」調査

 10月23日、(株)川金ホールディングス(TSR企業コード:314027181、埼玉県川口市、東証2部)は、連結子会社2社が製造販売する免震・制振装置の検査データ改ざんを公表した。
 対象製品は、光陽精機(株)(TSR企業コード:320024326、茨城県筑西市)が製造し、(株)川金コアテック(TSR企業コード:314110089、埼玉県川口市)が販売していた。
 10月16日にKYB(株)(TSR企業コード:290030463、東京都港区、東証1部)が、検査データの改ざんを公表したばかりで、相次ぐデータ改ざんで日本メーカー製品への信頼が揺らいでいる。
 東京商工リサーチは、自社で保有する企業データベースを活用し、川金ホールディングスグループ(以下、川金グループ)と今回データ改ざんが発覚した連結子会社2社(以下、改ざん2社)の取引先をそれぞれ調査した。川金グループの取引先数は1次・2次合計で延べ2,329社。一方、今後の生産や受発注に影響が出るとみられる改ざん2社の取引先数は同532社だった。
 改ざん2社の1次取引先数は、仕入先が58社、販売先が24社。産業別では、仕入先の最多は製造業の37社(構成比63.7%)、販売先では建設業の11社(同45.8%)だった。


  • ※本調査は企業情報サービス(tsr-van2)の企業相関図から、川金ホールディングスおよび国内の同社グループの仕入先と販売先を、1次(直接取引)・2次(間接取引)に分け、分析した。
  • ※1次取引先は直接取引のある取引先、2次取引先は1次取引先と直接取引がある間接取引企業を示す。
  • ※調査対象は川金ホールディングスのほか、2018年3月期の有価証券報告書に記載されている国内連結子会社12社とした。

川金ホールディングスの業績など

 川金ホールディングスの2018年3月期の業績(連結)は、売上高391億2,400万円(前期比22.3%増)、経常利益30億7,500万円(同50.6%増)、当期純利益9億2,600万円(同22.6%増)と好調だった。土木関連事業で、維持補修関連の需要取り込みなどで増収増益を確保した。
 データ改ざんが発覚した光陽精機の2018年3月期の業績(単体)は、売上高37億3,400万円(前期比1.5%増)、経常利益2億300万円(同51.8%増)、当期純利益1億4,600万円(42.7%増)。
 川金コアテックの2018年3月期業績(単体)は、売上高が87億3,500万円(同24.6%増)、経常利益は14億1,900万円(同41.3%増)と黒字を確保したが、特別損失の計上で当期純利益は3億8,700万円の赤字(前期は6億7,800万円の赤字)だった。

川金ホールディングスグループの1次・2次取引先 延べ2,329社

 川金グループの1次仕入先は170社、2次仕入先は763社。一方、販売先は1次販売先が129社、2次販売先が1,267社で、取引先の総数は延べ2,329社に及ぶ。1次仕入先、1次販売先とも最も社数が多かった業種は製造業だった。

改ざん2社の1次・2次取引先は延べ532社

 改ざん2社の1次仕入先は58社、2次仕入先は258社だった。一方、販売先は1次販売先が24社、2次販売先が192社で、取引先の総数は延べ532社に及ぶ。
 資本金別では、1次販売先24社のうち、資本金1,000万円未満は1社(構成比4.1%)にとどまるのに対し、2次仕入先58社では11社(同18.9%)にのぼる。仕入先に事業規模が比較的小さい企業が多く、今後の交換用製品の製造体制に万全を期す必要がある。

川金グループHD改ざん2社取引先

改ざん2社の販売先 工事業者が多い

 産業を細分化した業種で改ざん2社の取引先をみると、1次仕入先で最多は鉄鋼シャースリット業で6社だった。一次販売先は、鉄骨工事業と土木工事業が各4社。販売先上位には工事業者が並び、今後の交換対応などで現場の繁忙や人手確保の状況を考慮した対応が迫られることになりそうだ。
 地区別では、仕入先・販売先ともに関東が最も多かった。都道府県別でみると、1次仕入先の最多は光陽精機が本社を置く茨城県で16社(構成比27.5%)だった。

川金グループHD改ざん2社取引先 業種別


 KYBに続き川金グループでも検査データの改ざんが明らかになった。日本の製造業では検査データの改ざんが相次ぎ、「メイドインジャパン」の信頼に大きな影を落としている。
 国土交通省は、KYBでの改ざん発覚を受けて、免震・制振関連メーカー88社に社内調査と報告を求めている。
 免震・制振関連メーカーと取引がある企業の担当者は、「改ざんが発覚した企業の取引先の動向も把握する必要に迫られている。改ざんが発覚した場合、改ざんした企業とグループ全体の業績への影響を出来るだけ早く開示して欲しい」と改ざんが相次ぐ状況を憂慮している。
 改ざんを二度と引き起こさないコンプライアンス、ガバナンス体制の確立が、問題が起きるたびに言われる。だが、形骸化した反省でなく、国内メーカー全体のモラルが問われていることを真摯に受け止め、改ざんを引き起こした当該企業は速やかに詳細な情報を開示すべきだ。

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