• TSRデータインサイト

仮想通貨取引所の「Zaif(ザイフ)」 金融庁が3度目の業務改善命令

 9月14日、ハッキングにより約70億円の仮想通貨が流出したテックビューロ(株)(TSR企業コード:576983667、大阪市西区)に対し、金融庁は25日会見し、異例の3度目の業務改善命令を出したことを明らかにした。金融庁は立ち入り検査を継続しており、状況によってはさらに重い処分を出す可能性も出てきた。
テックビューロが運営する仮想通貨取引所「Zaif(ザイフ)」は9月14日、保有する仮想通貨が不正アクセスで約472億円の顧客の預かり資産のうち約45億円と、自社保有分の約25億円を合わせた計約70億円分の仮想通貨が流出した。9月18日、金融庁は同社に報告を求めたが、発生原因の究明や顧客への対応など報告内容が「すべての点で不十分だった」(金融庁)という。
このため金融庁は、流出事案の事実関係及び原因の究明ならびに再発防止策の策定・実行など業務改善命令を発出した。会見で金融庁は、仮想通貨の登録業者で不正な流出が発生したことについて「大変遺憾に思っている」と厳しい姿勢を示した。
テックビューロは今年の3月8日、適切に顧客対応するための態勢に関して業務改善命令を受けたが、6月22日にも利用者財産の分別管理等に係る実効性ある内部管理態勢について2度目の業務改善命令を受けていた。
会見で金融庁は、「(ハッキングについて)具体的な説明を受けていない。9月27日までに顧客被害に対する対応などを書面で報告するように求めた」と説明。同時に立ち入り検査も実施し、検査の状況によっては「資金決済法の業務一部停止など把握した状況によって必要な対応を取る」とさらに重い処分を下す可能性も示唆した。
テックビューロは今回の事態を受け、9月下旬までにジャスダック上場の(株)フィスコ(TSR企業コード:293061823、東京都港区)のグループ会社から50億円の金融支援を受け、ハッキングで消失した顧客の仮想通貨を調達する準備を進めていることを公表している。
だが、金融支援の動向や金融庁の追加処分の有無など、まだ重要な部分は流動的だ。同時に、仮想通貨取引所として顧客資産の保護や情報開示など、テックビューロの根本的な経営姿勢も問われている。

テックビューロの本社(9月21日撮影)

テックビューロの本社(9月21日撮影)

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年9月27日号に掲載予定「SPOT情報」を再編集)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハウスメーカーの倒産、26年上半期9割増の衝撃 ~ 踏み切れない抜本再生、施主の権利保護も重要 ~

コスト高や人手不足などでハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増している。2026年上半期(1-6月)は118件発生し、前年同期から約9割増えた。

2

  • TSRデータインサイト

倒産と無縁の税理士業界に異変、2026年上半期は4件発生 粉飾は詐欺罪も、コンプラ違反と健康問題がリスクに

過去、税理士事務所の倒産は半年で、概ね1~2件にとどまっていた。景気状況に相関せず、倒産と無縁の税理士業界だったが、2026年上半期(1-6月)はすでに4件発生した。

3

  • TSRデータインサイト

エブリライブの元従業員、「突然の解雇」に困惑

6月初旬から連絡が取りにくくなっているライブ配信のエブリライブ(株)(東京都港区)が、同時期に大半の従業員を解雇していたことがわかった。  解雇を通知の際、エブリライブ側は従業員に「破産予定のため」と説明したという。解雇された元従業員が東京商工リサーチの取材に応じた。

4

  • TSRデータインサイト

2026年上半期「医療機関」倒産 増勢続く 上半期で2番目の38件、「後継者難」は最多

医療機関の倒産が止まらない。2026年上半期(1-6月)に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は、38件(前年同期比15.1%増)と大幅に増加した。上半期では、2006年以降の20年間で、2024年と2025年の33件を上回り、2009年の39件に次ぐ2番目の高水準となった。

5

  • TSRデータインサイト

愛媛県のいよぎんHDと愛媛銀が経営統合へ  メインバンク取引社数 金融Gでは国内21位に

愛媛県内にある企業のメインバンクシェア57.5%(県内メインバンク取引社数1万966社)の伊予銀行を傘下に持ついよぎんホールディングスと、県内2位で18.5%(同3,542社)の愛媛銀行が、7月24日開催の取締役会で経営統合を付議することを発表した。

TOPへ