• TSRデータインサイト

年金データを中国企業へ無断で再委託したSAY企画、6月5日の株主総会で「解散」

 日本年金機構から委託されたデータ入力を無断で中国企業へ再委託していた(株)SAY企画(TSR企業コード:295785276、東京都豊島区、代表清算人:切田精一氏)が、6月5日開催の株主総会の決議で解散した。
 負債総額は2017年3月末時点で約5億円だが、その後日本年金機構が損害賠償を求めるなどの動きをみせており、変動の可能性がある。
 SAY企画は2003年8月設立。データベース構築・入力業務を柱にシステムの受託開発などを手掛けていた。厚生労働省など官公庁や日本年金機構からの受注が全体の9割を占め、2015年3月期には売上高約8億4,100万円をあげていた。
 しかし、2018年2月、日本年金機構との契約に反して無断で扶養親族等申告書の入力業務を中国の業者に委託していたことが発覚。また、多数の入力漏れなどにより年金受給者の源泉徴収額が正しく反映されない事態が発生した。日本年金機構は、内規に基づく停止措置としては最長期間となる向こう3年間の競争入札への参加資格を停止。一方、ずさんな仕事ぶりが明るみになった業者との契約に対する日本年金機構への批判も出ていた。

 SAY企画は、一連の問題発覚以降、徐々に業容を縮小し経営を続けていたが、東京商工リサーチ(TSR)の取材で、一部取引先に対する4月末の支払いが遅延したことが判明。また、TSRには電話が通じにくいなど多くの問い合わせが寄せられていた。

SAY企画が入居するビル(豊島区)

SAY企画が入居するビル(豊島区)

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年6月8日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)


 TSR情報とは

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

スーパー業界、業績は規模の格差が拡大 2年連続の増収増益も、物価高で利益鈍化

食料品の消費税減税の行方が注目されるが、全国のスーパー経営会社610社の最新決算(2024年10月期-2025年9月期、以下最新期)は、売上高合計が24兆9,484億6,300万円(前期比6.6%増)、利益合計は4,107億1,300万円(同4.4%増)と、2年連続で増収増益だった。

2

  • TSRデータインサイト

マイスHDがM&A総研側を提訴~M&A総研側は「全面的に争っていく」と反論~

中小企業庁は2026年度にM&Aに関するアドバイザリー資格を創設する。こうしたなか、M&A仲介大手が提案したスキームで損害を受けたとしてマイスホールディング(株)が2025年11月、損害賠償約1億2,000万円の支払いを求め東京地裁に提訴したことが東京商工リサーチの取材でわかった。

3

  • TSRデータインサイト

2026年度の「賃上げ」 実施予定は83.6% 賃上げ率「5%以上」は35.5%と前年度から低下

2026年度に賃上げを予定する企業は83.6%で、5年連続で80%台に乗せる見込みだ。 2025年度の82.0%を1.6ポイント上回った。ただ、賃上げ率は、全体で「5%以上」が35.5%(2025年8月実績値39.6%)、中小企業で「6%以上」が7.2%(同15.2%)と、前年度の実績値から低下した。

4

  • TSRデータインサイト

オンライン家庭教師の「メガスタ」運営、前払いの授業料に頼った資金繰り、口座凍結が判明=SNS炎上で事業継続を断念

2月16日、東京地裁から破産開始決定を受けた(株)バンザン(TSRコード:293197873、新宿区)が破産した経緯がわかってきた。

5

  • TSRデータインサイト

動物病院の倒産急増、2年連続の最多 ~ 熾烈な競争と高度化による機器投資が重し ~

飼い主のシビアな目による競争激化や高度化する医療機器への投資負担で業績が悪化、獣医師の高齢化や人手不足も深刻化している。2025年度(4-1月)は10カ月間で8件の倒産が発生し、2年連続で過去最多を更新した。

TOPへ