• TSRデータインサイト

ジャパンライフに4度目の行政処分、12月20日にも被害者弁護団が刑事告発へ

 12月15日、消費者庁はジャパンライフ(株)(TSR企業コード:291624898、千代田区)に対し、特定商取引法違反と預託法違反で1年間の一部業務停止を命じた。2016年12月以降、すでに3度の行政処分を受けているため、今回の処分は異例の4度目となる。
今回の処分は、特商法の規定に基づく連鎖販売取引や預託等取引契約の新規勧誘、更新などの停止で、期間は12月17日から2018年12月16日まで。ジャパンライフを巡っては、全国の消費生活センターに高齢の女性からの相談が相次いでいる。特定適格消費者団体「消費者機構日本」は、ジャパンライフに関する情報提供を呼び掛けている。

ジャパンライフのベスト

ジャパンライフが扱うベスト(消費者庁公開)

 消費者庁は12月15日に開いた会見で、「ジャパンライフへ法律に基づいて厳正、適切に対処する。消費者被害を守る」と語気を強め、前例のない4度目の行政処分を発表した。
同時に、同庁はジャパンライフが扱う磁気ベストやカタログ等の資料も公開した。「NEW磁気ベストRハイブリッド」の小売価格は200万円、月間レンタル料は1万円と記載されている。

ジャパンライフのカタログ

ジャパンライフのカタログ(消費者庁公開)

 消費生活センターに寄せられたジャパンライフの相談件数は、2015年4月1日から2017年12月5日までに515件に達した。年齢は75歳以上が75%、女性が74%。高齢で一人暮らしの女性が多いという。都道府県別で最多は北海道の58件。相談は37都道府県に及び、ほぼ全国に広がっている。
消費者庁が公開した資料に、ジャパンライフが2017年9月に社員などへ出した「返金取下げ継続奨励金支給規定」がある。顧客の返金要請を取り下げさせると継続額の1%を奨励金として支給するという内容で、同社の顧客対応をいみじくも示すものだ。

12月20日、被害対策弁護団が愛知県警に刑事告発へ

 ジャパンライフの顧客から相談を受け付けている「ジャパンライフ被害対策中部弁護団」(弁護団長:杉浦英樹弁護士、事務局:電話0566-73-0770)は12月20日、愛知県警に刑事告発する方針を固めた。告発容疑は詐欺や預託法、出資法違反などで、告発後に会見を開く予定だ。 

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年12月19日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ