• TSR速報

(株)プラスアルファほか1社

プラスアルファの本社が入居するビル

派遣人材への給与未払いが表面化していた

 (株)プラスアルファ(渋谷区)と関連のマックスアルファ(株)(立川市)は11月10日、東京地裁より破産開始決定を受けた。

 負債はプラスアルファが12億7262万円(2022年3月期決算時点)、マックスアルファが8億5401万円(2022年12月期決算時点)、2社の負債合計は21億2663万円。


 プラスアルファは、コールセンターやシステム会社などへの人材派遣を中心に展開していた。大手コールセンターや通信会社などと取引実績を有し、都内のほか、埼玉や大阪、福岡、広島などにも支店を出店するなど順調に事業規模を拡大させ、2022年3月期には売上高45億1723万円をあげていた。

 マックスアルファは、物流業界に特化した人材派遣を展開していた。アマゾンや楽天などインターネット通販大手の物流センターでの作業請け負いで業績を伸長させ、2022年12月期は過去最高となる売上高51億6731万円をあげた。

 しかし、売上拡大の一方で、2社ともに派遣単価の上昇などにより、採算が低迷していた。資金繰り悪化から10月分の派遣人材への給与未払い問題がSNSを中心に顕在化し注目を集めていた。こうしたなか、事業継続を断念し、今回の措置となった。


※(株)プラスアルファ(TSR企業コード:297296108、法人番号:8011001056080、渋谷区神泉町8-16、設立2008(平成20)年4月、資本金5000万円)

 マックスアルファ(株)(TSR企業コード:297989847、法人番号:2012801008433、立川市曙町2-34-6、設立2009(平成21)年6月、資本金1500万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度上半期の「粉飾決算」倒産 11件 再生支援を求めて「粉飾告白」が急増

赤字決算を黒字に偽ったり、売上の過大な水増しや資金の不正流出などを隠ぺいする「粉飾決算」の発覚による倒産が急増している。特に、コロナ禍の業績悪化を隠ぺいして事業再生を目指す企業で目立ち、2024年度上半期(4-9月)は11件(前年同期比120.0%増)と、前年度同期の2.2倍に増えた。

2

  • TSRデータインサイト

中国の日本人駐在員、8割超の企業が「注意喚起」 企業の約3%、大企業の14%が日本人従業員を駐在

9月、中国・深センで日本人学校に通う男児が襲われ、死亡した事件が日本企業に波紋を広げている。東京商工リサーチ(TSR)が10月上旬に実施した企業向けアンケート調査で、企業の約3%が中国に日本人従業員を駐在させており、そのうちの8割超が駐在員に注意喚起したと回答した。

3

  • TSRデータインサイト

新総裁に期待する経済政策トップは 「内需拡大の推進」  企業の受け止め 「期待していない」6割、「期待する」4割

新総裁への期待度は、最多が「あまり期待していない」の38.5%、「全く期待していない」20.4%を合わせた「期待していない」は59.0%と約6割に達した。期待する経済政策では「内需拡大の推進」が46.1%を占め、「法人税の引き下げ」は大企業13.1%、中小企業23.3%と規模による格差が大きかった

4

  • TSRデータインサイト

上場企業の「早期退職」募集 46社 人数は前年同期の約4倍 複数回募集が増加、対象年齢は30歳以上など引き下げ傾向

2024年1-9月に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は46社(前年同期30社)で、前年同期の1.5倍に達し、すでに2023年年間(1-12月)の41社を超えた。対象人員も、8,204人(同2,066人)と前年同期の約4倍と大幅に増加、上場企業の「早期退職」の募集が加速している。

5

  • TSRデータインサイト

2024年1-9月のラーメン店倒産 47件で年間最多を更新中 スープ味は「醤油・中華」27.6%、「とんこつ」21.2%で大差なし

2024年1-9月のラーメン店の倒産が47件(前年同期比42.4%増)に達し、集計を開始して以降で年間最多の2023年(1-12月)の45件を抜いた。

TOPへ