全国企業倒産状況

2021年3月の全国企業倒産634件

2021年3月の倒産

倒産件数が9カ月連続で減少、「新型コロナ」関連倒産は月間最多の151件

 2021年3月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が634件(前年同月比14.3%減)、負債総額は1,414億5,300万円(同33.5%増)だった。
件数は、2020年7月から9カ月連続で前年同月を下回った。これは2012年11月から2014年3月まで17カ月連続で減少以来の長さ。3月度では1972年以降の50年間で1990年(502件)、1973年(624件)に次ぐ、3番目に少ない件数となった。コロナ禍での各種支援策が奏功し、倒産は抑制された状態が続いている。
負債総額は、2020年7月以来、8カ月ぶりに前年同月を上回った。負債額が増加したのは、(株)F-Power(負債464億8,500万円)、(株)JCサービス(同153億4,200万円)の負債100億円以上が2件発生(前年同月ゼロ)したため。ただ、3月としては50年間で、1975年(1,374億9,600万円)に次ぐ、11番目に低い水準にとどまった。
負債1億円未満は482件(前年同月545件、構成比76.0%)と全体の8割弱を占め、小・零細規模の倒産を中心に推移している。
3月の「新型コロナウイルス」関連倒産は、151件(同13件)発生し、2020年2月の114件を抜いて月間最多を更新した。2020年2月からの累計は、1,162件に達した。

企業倒産月次推移


  • 「人手不足」関連倒産のうち、「後継者難」が42件(前年同月38件)
  • 形態別件数:破産が561件。法的倒産の構成比、10カ月連続で90%台
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが15道府県、減少26都府県、同数6県
  • 負債別件数:負債1億円未満の構成比が76.0%、100億円以上が2カ月ぶりに発生
  • 業種別件数:コロナ禍で注目される宿泊業は倍増、飲食業は減少
  • 従業員数別件数:10人未満の構成比が89.2%、300人以上は3カ月連続でゼロ
  • 中小企業倒産件数(中小企業基本法に基づく)は633件で、構成比99.8%

産業別 最多はサービス業他、10産業のうち8産業で前年同月を下回る

 2021年3月の産業別件数は、10産業のうち、不動産業と運輸業を除く8産業で前年同月を下回った。
最多はサービス業他の216件(前年同月比1.3%減)で、7カ月連続で前年同月を下回った。宿泊業が13件(同6件)と倍増する一方、飲食業は71件(前年同月75件)と減少した。
また、小売業は79件(前年同月比14.1%減)で、11カ月連続で減少した。飲食料品小売業が13件(前年同月24件)と半減した。
そのほか、建設業94件(前年同月比33.8%減)が12カ月連続、製造業88件(同4.3%減)が11カ月連続、卸売業79件(同28.1%減)が7カ月連続、情報通信業15件(同62.5%減)が2カ月連続で、それぞれ前年同月を下回った。
一方、不動産業35件(同66.6%増)が2カ月連続、運輸業21件(同90.0%増)が5カ月ぶりに、前年同月を上回った。

2021年3月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち、北海道を除く8地区で前年同月を下回る

 2021年3月の地区別件数は、9地区のうち、北海道を除く8地区で前年同月を下回った。
四国14件(前年同月比36.3%減)は、2020年5月以降、11カ月連続で前年同月を下回った。そのほか、九州48件(同22.5%減)が9カ月連続、関東237件(同18.5%減)が8カ月連続、中部80件(同10.1%減)と近畿165件(同2.9%減)、中国28件(同9.6%減)が7カ月連続、北陸11件(同38.8%減)が5カ月連続、東北29件(同29.2%減)が4カ月連続で、それぞれ減少した。
一方、北海道22件(同37.5%増)が、5カ月ぶりに前年同月を上回った。

2021年3月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)F-Power/東京都/電力小売/464億8,500万円/会社更生法
  2. (株)JCサービス/東京都/太陽光発電システム開発ほか/153億4,200万円/民事再生法
  3. (株)じゅう/福岡県/マンション分譲、不動産賃貸/57億3,000万円/破産
  4. (株)フェリーチェ/沖縄県/ホテル経営/36億7,300万円/破産
  5. (株)ビスタホテルマネジメント/東京都/ビジネスホテル経営/35億円/民事再生法

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「人手不足倒産予備軍」  ~ 今後は「人材採用力」の強化が事業継続のカギ ~

賃上げ圧力も増すなか他社との待遇格差で十分な人材確保ができなかった企業、価格転嫁が賃上げに追い付かず、資金繰りが限界に達した企業が事業断念に追い込まれている。  こうした状況下で「人手不足」で倒産リスクが高まった企業を東京商工リサーチと日本経済新聞が共同で分析した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「人手不足」倒産 359件 サービス業他を主体に、年間400件に迫る

深刻さを増す人手不足が、倒産のトリガーになりつつある。2025年11月の「人手不足」倒産は34件(前年同月比70.0%増)と大幅に上昇、6カ月連続で前年同月を上回った。1-11月累計は359件(前年同期比34.4%増)と過去最多を更新し、400件も視野に入ってきた。

3

  • TSRデータインサイト

【社長が事業をやめる時】 ~消えるクリーニング店、コスト高で途絶えた白い蒸気~

厚生労働省によると、全国のクリーニング店は2023年度で7万670店、2004年度以降の20年間で5割以上減少した。 この現実を突きつけられるようなクリーニング店の倒産を聞きつけ、現地へ向かった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「税金滞納」倒産は147件 資本金1千万円未満の小・零細企業が約6割

2025年11月の「税金(社会保険料を含む)滞納」倒産は10件(前年同月比9.0%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。1-11月累計は147件(前年同期比11.9%減)で、この10年間では2024年の167件に次ぐ2番目の高水準で推移している。

5

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

TOPへ