全国企業倒産状況

2011年(平成23年)6月度 全国企業倒産状況

倒産件数 1,165件
負債総額 2,163億5,300万円
前月比(件数) +8.7%(前月 1,071件)
前月比(負債) -14.3%(前月 2,526億7,400万円)
前年同月比(件数) +1.4%(前年同月 1,148件)
前年同月比(負債) -23.7%(前月 2,838億4,600万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数が2カ月連続で前年同月を上回る 6月「震災関連」倒産は76件発生


 2011(平成23)年6月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,165件、負債総額が2,163億5,300万円となった。

 

 倒産件数は、前年同月比1.4%増(17件増)となり、2カ月連続で前年同月を上回った。地区別では9地区のうち5地区で前年同月を上回ったが、震災の被災地である東北は6カ月連続で減少。都道府県別では21道府県で前年同月を上回った。

 こうした倒産件数の増勢の背景には、6月の「東日本大震災」関連の倒産が76件発生するなど、震災が大きく影響した(]6月末までに累計173件)に達し、すでに「阪神・淡路大震災」が発生した1995年の1年間の震災関連倒産144件を上回った。今後の推移が注目される。

 

 負債総額は、前年同月比23.7%減(674億9,300万円減)で、6月としてはこの20年間で最少金額となった。これは負債10億円以上の大型倒産が前年同月(49件)から28件(同42.8%減)に減少し、1990年11月(17件)以来20年7カ月ぶりに30件を下回ったことが影響した。このように企業倒産は小・零細規模の倒産が中心に推移した。

企業倒産月次推移


産業別


産業別倒産件数 10産業のうち4産業で前年同月を上回る

 増加率は、農・林・漁・鉱業33.3%増(6→8件)、小売業16.4%増(128→149件)、建設業7.2%増(317→340件)、サービス業他4.9%増(241→253件)の順。

 これに対し、減少は金融・保険業50.0%減(6→3件)、不動産業23.0%減(39→30件)、運輸業17.9%減(39→32件)、情報通信業10.6%減(47→42件)、製造業7.0%減(184→171件)、卸売業2.8%減(141→137件)の6産業だった。

 


産業別分類 件数(件) 負債額(百万円)
農・林・漁・鉱業 8 939
建設業 340 41,085
製造業 171 31,214
卸売業 137 18,556
小売業 149 9,462
金融・保険業 3 3,030
不動産業 30 15,194
運輸業 32 3,259
情報通信業 42 3,416
サービス業他 253 90,198
合計 1,165 216,353


※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

主要産業倒産件数推移


地区別

地区別倒産件数 9地区のうち5地区で前年同月を上回る

 増加率では、北陸87.5%増(24→45件)、中国41.6%増(36→51件)、中部35.4%増(124→168件)、九州3.8%増(78→81件)、北海道3.0%増(33→34件)の順。

 これに対し減少は、四国31.0%減(29→20件)、東北16.3%減(49→41件)、関東9.9%減(443→399件)、近畿1.8%減(332→326件)の4地区だった。

・北海道:件数が6カ月連続前年同月を上回る。

・東北:全体の件数が、6カ月連続前年同月を下回る。県別件数では、岩手、秋田、山形で前年同月を上回る。

・関東:全体の件数が、6カ月連続前年同月を下回る。県別件数では、茨城、埼玉で前年同月を上回る。

・中部北陸:全体の件数が、中部は4カ月連続、北陸が3カ月連続で前年同月を上回る。県別件数では、静岡、愛知、富山、石川、福井で前年同月を上回る。

・近畿:全体の件数が、前年同月比マイナスながら今年最多。県別件数では、大阪、奈良で前年同月を上回る。

・中国:全体の件数が、2カ月連続で前年同月を上回る。県別件数では、島根、岡山、広島で前年同月を上回る。

・四国:全体の件数が、3カ月連続前年同月を下回る。県別件数では、香川のみ前年同月を上回る。

・九州:全体の件数が、2カ月連続前年同月を上回る。県別件数では、福岡、佐賀、大分、鹿児島で前年同月を上回る。

都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
北海道 34 11,845
東北 41 11,543
青森 7 2,707
岩手 5 2,893
宮城 7 1,442
秋田 10 1,808
山形 4 122
福島 8 2,571
関東 399 64,077
茨城 24 1,633
栃木 10 2,321
群馬 13 1,395
埼玉 60 7,072
千葉 23 4,468
東京 202 39,934
神奈川 54 3,773
新潟 8 897
山梨 5 2,584
中部 168 27,365
長野 10 2,003
岐阜 17 1,328
静岡 34 8,836
愛知 98 13,644
三重 9 1,554
北陸 45 8,103
富山 13 2,990
石川 21 3,880
福井 11 1,233
都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
近畿 326 25,840
滋賀 7 727
京都 35 2,120
大阪 193 15,564
兵庫 61 5,687
奈良 15 1,320
和歌山 15 422
中国 51 8,485
鳥取 0 0
島根 8 1,027
岡山 12 3,592
広島 23 3,216
山口 8 650
四国 20 2,811
徳島 4 803
香川 5 221
愛媛 6 675
高知 5 1,112
九州 81 56,284
福岡 41 48,358
佐賀 3 157
長崎 7 330
熊本 7 523
大分 7 2,012
宮崎 3 163
鹿児島 6 3,777
沖縄 7 964
合計 1,165 216,353


※地区の範囲は以下に定義している。

関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)

中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)

北陸(富山、石川、福井)

近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)


 

◎都道府県別件数:21道府県で前年同月を上回る

◎産業別件数:建設業が2カ月連続で前年同月を上回る

◎原因別:「運転資金の欠乏」が前年同月比27.9%増(43→55件)

◎産業因別:卸売業の負債総額が20年7カ月ぶりに200億円を下回る

◎従業員被害者数:前年同月比3.1%減の6,684人

◎業種別件数:スーパー(1→8件)、宿泊業(7→15件)、飲食業(56→77件)などで増加が目立つ

◎中小企業の倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年同月比1.7%増の1,162件

当月の主な倒産


(株)福岡センチユリーゴルフクラブ/福岡県/ゴルフ場経営/負債343億円/民事再生法

(株)齋藤商事/東京都/経営コンサルティングほか/負債150億円/銀行取引停止

新川管財(株)/北海道/臨床検査受託業務、診断薬製造・販売/負債75億円/特別清算

ターンアラウンド債権回収(株)/東京都/債権管理回収業/負債30億円/破産

(株)日本建機リース/鹿児島県/建設機械リース、販売/負債28億円/民事再生法


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