年度上半期の「美容室」倒産 54件の高水準 低価格と高付加価値に二極化、差別化がカギ
~2026年度上半期(4-9月)の「美容業」倒産動向~
店舗数が全国で27万店以上と言われる美容室の倒産が高止まりしている。2026年度上半期(4-9月)の「美容業」倒産は54件(前年同期比6.8%減)で、年度上半期では4年ぶりに前年を下回った。
ただ、2年連続の50件台で、2007年度以降の20年間では、前年(58件)に次ぐ2番目の高水準だった。
負債総額は20億5,100万円(同2.4%増)で、2年連続で増加した。負債1億円未満が51件(同1.9%減)で全体の94.4%(前年同期89.6%)を占め、過小資本の美容室の淘汰が進んでいる。
美容室は、比較的少ない資金で開業でき、新規参入が相次ぎ、生存競争が激しい業界になっている。低価格店舗もジワリと広がるなか、人気の美容師やデザイン力などで固定客の確保を進め、ブランド力と高付加価値の創出で差別化を図れるかが問われている。
原因別では、最多は販売不振が41件(前年同期比12.7%減)で、全体の75.9%を占めた。資本金別は、1千万円未満が48件(前年同期比12.7%減、構成比88.8%)で、うち個人企業他が22件(同12.0%減、同40.7%)と小・零細規模が多いことが特徴だ。こうした資産背景に乏しい小・零細規模の美容室は、顧客に応じた接客や施術力のほか、SNSのフォロワー増加などで集客力を強化し、差別化を図れないと生き残りが難しいことを示している。
「人手不足」倒産は5件(前年同期比150.0%増、前年同期2件)で、2021年度同期の4件を超え過去最多を更新した。美容師の人手不足が続くなか、小・零細規模の美容室は、美容師自体のブランド力や差別化も求められている。安定顧客を獲得できない美容室の淘汰は続きそうだ。
※本調査は、日本産業分類(細分類)の「美容業」を抽出し、2007年度から2026年度までの上半期倒産を集計、分析した。

✔原因別:販売不振が41件(前年同期比12.7%減、構成比75.9%)で最多。次いで、既往のシワ寄せが4件(同100.0%増、同7.4%)、他社倒産の余波(前年同期同数)、運転資金の欠乏(前年同期同数)がそれぞれ3件。
✔資本金別:個人企業他が22件(前年同期比12.0%減、構成比40.7%)で最多。以下、1百万円以上5百万円未満が21件(同31.2%増、同38.8%)、1千万円以上5千万円未満が6件(同200.0%増、同11.1%)、5百万円以上1千万円未満が4件(同33.3%減、同7.4%)。
✔負債額別:最多は1千万円以上5千万円未満が39件(前年同期比20.4%減、構成比72.2%)で、以下、5千万円以上1億円未満が12件(同300.0%増、同22.2%)。
✔従業員数別:5人未満が48件(前年同期同数)で最多。その他、10人以上20人未満(前年同期比25.0%減、構成比5.5%)、5人以上10人未満(同40.0%減、同5.5%)が各3件。