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2020年度(4-1月)「すし店の倒産動向」調査

 2020年度(20年4月-21年3月)のすし店の倒産(負債1,000万円以上)は、1月までの10カ月間で28件(前年度同期比64.7%増)発生した。前年同期の1.6倍増と高水準で推移し、2月には2015年度以来、5年ぶりに30件台に乗せる可能性が高い。
 すし店は、高級店からリーズナブルな回転寿司まで客層を広げ、さらにインバウンド需要の高まりで、好調に推移していた。倒産も2019年度まで4年連続で減少したが、2020年度に入り新型コロナ感染拡大で様相が一変した。インバウンド需要の消失に加え、飲食店への休業・時短要請や外出自粛、企業の接待自粛や在宅勤務の広がりなどで市場が縮小した。
 2021年1月に政府が11都府県に緊急事態宣言を再発令し、2月には栃木県を除く10都府県で延長された。長引くコロナ禍で三密回避のダメージが「すし店」を苦しめている。
 倒産の原因別は、最多は販売不振の27件(構成比96.4%、前年同期14件)。資本金1,000万円未満が25件(同89.2%、同14件)、負債1億円未満が26件(同92.8%、同14件)、従業員10人未満が26件(同92.8%、同17件)と小・零細企業が9割を占め、コロナ禍の影響が資金力の乏しいすし店を直撃している実態が鮮明となった。
 大手すし店では、テイクアウトや独自の感染防止対策などで来店客の落ち込み対策を進めている。だが、資金力がぜい弱な小・零細規模では新たな投資や対策も容易ではない。さらに、緊急事態宣言の再発令や新型コロナ対策の改正特別措置法の成立などで、営業時間の短縮がのしかかり、小・零細企業や商店は先行きが不透明な状況が続く。

  • ※本調査は、日本産業分類の「飲食業」のなかの、「すし店」の2020年度(4-1月)の倒産を集計、分析した。

2015年度以来、5年ぶりに30件台の可能性も

 2020年度の「すし店」倒産は、4月から1月までの10カ月間で28件(前年同期比64.7%増、前年同期17件)と急増した。2019年度までインバウンド需要の恩恵などもあり、倒産は2016年度以降、4年連続で減少。2019年度は、2000年度以降の20年間で最少の22件まで減少していた。
 だが、2020年度は新型コロナ感染拡大で成長を支えていたインバウンド需要が消失し、感染抑制のため自治体は飲食店に休業や時短営業を要請した。こうした状況が直撃し、2020年7-9月期は12件(前年同期比140.0%増)、稼ぎ時の10-12月期も9件(同80.0%増)と、増勢を強めた。
 コロナ禍の各種資金繰り支援策で、2020年度(4-1月)の飲食業倒産は676件(前年同期比3.8%減)と抑制されている。だが、すし店は小・零細企業(店舗)が多く、支援策だけでは経営悪化を支え切れず、息切れ倒産が押し上げている。

sushi

原因別 「販売不振」が9割を占める

 原因別の最多は、「販売不振」の27件(前年同期比92.8%増)だった。すし店倒産の96.4%(前年82.3%)と大半を占め、前年同期より14.1ポイント上昇した。新型コロナ感染拡大によるインバウンド消失や外出自粛、休業・時短要請が業績を直撃したことを端的に示している。
 このほか、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が1件(同0件)だった。

形態別 消滅型の「破産」が25件で構成比約9割

 形態別で、最多は「破産」の25件(前年同期比66.6%増)で、構成比は約9割(89.2%)を占めた。「特別清算」の1件(前年同期同数)と合わせ、消滅型の倒産が92.8%を占めた。
 一方、再建型の「民事再生法」は個人企業の小規模個人再生が2件(前年同期0件)で、構成比は7.1%にとどまった。コロナ禍で行き詰まった企業は、再建が難しいことを示している。
 また、資本金別では1,000万円未満が25件(構成比89.2%)、負債額別では1億円未満が26件(同92.8%)と、小・零細企業が約9割を占めた。コロナ禍が長期化し、インバウンドや外食需要回復の見通しが立たないなか、小・零細企業(店舗)ほど窮地に立たされている。

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