• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

コロナ関連破たんは負債1000万円未満を含め、全国で累計500件に到達

 9月15日午前11時までに、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が3件(倒産3件)判明した。2月からの累計は、全国で481件(倒産429件、弁護士一任・準備中52件)に達した。
 月別では、6月に単月最多の103件発生した。その後、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが、9月は15日までに40件が発生し、再び増勢を強めている。
 なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は累計19件判明した。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計500件に達した。
 資金力の乏しい小・零細企業を中心に、新型コロナの影響による倒産は再び増勢に転じている。なかでも、9月15日までに飲食業の破たんは70件(負債1,000万円未満3件を除く)に達し、新型コロナの打撃を受けた飲食業の倒産は、2020年は過去最多を更新する勢いを見せている。
 政府や自治体の各種支援策などに依存し、経営を維持している企業は少なくない。新型コロナの感染拡大から半年を経過し、資金繰り緩和効果も薄まる時期を迎えている。コロナ前に売上が戻る見込みがなく、新たな支援策がない場合、脱落がさらに加速する可能性もある。「新型コロナ」関連破たんは、再び増勢をうかがっており、予断を許さない状況が続いている。

【都道府県別】 (負債1,000万円以上) ~ 東京都が120件で突出、10件以上は14都道府県 ~

 9月1日、高知県初のコロナ関連破たんが発生し、全都道府県に広がった。
 都道府県別では、東京都が120件(倒産112件、準備中8件)に達し、全体の4分の1(構成比24.9%)と突出。以下、大阪府44件(倒産37件、準備中7件)、北海道25件(倒産25件)、愛知県24件(倒産23件、準備中1件)と続き、10件以上の発生は全国で14都道府県。
 9月15日は宮城県でプラント機械などの製造会社の新型コロナ関連破たんが判明した。新型コロナ感染拡大で、新規受注の見通しが立たたず、8月に事業を停止していた。

【業種別】 (負債1,000万円以上) ~ 飲食業が70件で最多、アパレル関連54件、宿泊業46件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が70件で最多。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が54件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が46件で、この3業種が突出している。このほか、飲食業の煽りを受けた飲食料品卸売業も26件発生、需要低迷の相関が広がり始めている。

【負債額】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産429件のなかで負債額が判明した427件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で170件(構成比39.8%)。次に、1千万円以上5千万円未満111件(同25.9%)、5千万円以上1億円未満68件(同15.9%)、10億円以上44件(同10.3%)、5億円以上10億円未満34件(同7.9%)の順。
 負債1億円未満が179件(同41.9%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も3件発生し、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。 

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した429件の形態別では、破産が379件(構成比88.3%)で最多。次いで、民事再生法が30件(同6.9%)、取引停止処分20件(同4.6%)だった。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。 業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図0914

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ