• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2018年(平成30年)に 周年記念を迎える企業

 2018年(平成30年)に創業1,300周年を迎えるのは旅館経営の(株)善吾楼(石川県)。創業700周年は産業機械販売の小保方鋼機(株)(群馬県)。創業300周年は酒類販売の(株)山中兵右衞門商店(静岡県)など8社。創業200周年は燃料や建材販売の服部興業(株)(岡山県)など50社。いずれも地元に根を張り、苦難の道を乗り越えている。
 創業100周年は全国で1,760社ある。100年前の1918年(大正7年)は第一次世界大戦が終結、米価の急上昇で「米騒動」も起きた。波乱万丈の年だったが、「大戦景気」を背景に重化学工業が発展を迎え、多くの製造業が生まれた年だった。
 2018年の創業100周年は、電機のパナソニック(株)や損害保険のあいおいニッセイ同和損害保険(株)のほか、トヨタ紡織(株)、(株)りそな銀行、日東電工(株)などがある。
 また、創業50周年は三井住友ファイナンス&リース(株)など2万9,676社が迎え、一気に増える。

  • ※東京商工リサーチの企業データベース(約310万社)から、2018年に創業100周年など周年を迎える企業(個人企業・各種法人を含む)を抽出、分析した。

2018周年企業数


創業100周年企業は1,760社

 2018年に創業100周年を迎える企業は1,760社だった。創業100周年を迎える主な企業は、製造業では、パナソニック(株)や自動車部品のトヨタ紡織(株)、電子部品の日東電工(株)、ベアリングのNTN(株)など世界的な企業に成長したメーカーが顔を揃えた。

主な100周年売上上位企業

周年企業 旅館「法師」を運営する(株)善吾楼が創業1,300年

 2018年に創業から節目の年を迎える周年企業(50周年以外は100年単位)で、最古の周年企業は創業1,300年を迎える石川県小松市の粟津温泉で旅館「法師」を運営する(株)善吾楼で、奈良時代初期の718年に開湯とされる。
 次いで、群馬県高崎市の産業機械卸の小保方鋼機(株)が鎌倉幕府時代の末期に創業し、創業700周年を迎える。
 600周年、500周年はなく、(宗)正覺寺(東京都)が400周年を迎え、300周年は、静岡県の酒類販売の(株)山中兵右衞門商店、京料理の(株)ちもと(京都府)、東京都の刷毛製造を手掛ける(株)江戸屋、奈良県で清酒製造の喜多酒造(株)など8社が江戸時代中の1718年に創業した。
 200周年は、岡山県の燃料や建材卸の服部興業(株)や群馬県の鋼材卸(株)コムテックス、京都府の旅館の柊家(株)、富山県の宮大工の森田建設(株)など50社が幕末の1818年に創業した。
 50周年が全国2万9,676社で、三井住友ファイナンス&リース(株)はリース事業を開始した1968年を創業としている。

主な周年企業

産業別周年企業 100周年以降は製造業の構成比が上昇

 周年企業を産業別でみると、創業50周年は建設業の1万3,177社(構成比44.4%)が最も多く、次いで製造業の4,402社(同14.8%)の順。100周年では、最多は製造業の538社(同30.5%)。創業200周年も製造業19社(同38.0%)、母数が少ないものの300周年も製造業の4社(同50.0%)が最も多かった。さまざまな時代を生き抜いた周年企業だが、高い技術力や時代に即した製品開発を進めてきた製造業の強さが際立った。

産業別周年企業

地区別 100周年は関東地区で523社

 地区別では、50周年は関東が9,769社(構成比32.9%)で最も多く、次いで近畿が5,234社(同17.6%)の順。100周年でも関東が523社(同29.7%)でトップ、次いで近畿が375社(同21.3%)だった。
 都道府県別では、50周年は東京都が3,440社(同11.5%)、大阪府が2,559社(同8.6%)、愛知県が1,696社(同5.7%)と続く。100周年では、東京都が257社(同14.6%)、大阪府が182社(同10.3%)、愛知県が109社(同6.1%)の順だった。

地区別100周年企業

地区別周年企業

老舗企業 全国で3万4,394社が業歴100年以上

 2018年に創業100年超となる企業を老舗企業と定義し、社数を分析した。すでに業歴100年を超える3万2,634社に加え、新たに2018年に創業100周年を迎える1,760社が老舗企業に加わり、老舗企業は全国で3万4,394社となる。
 宗教法人や文化団体などを除く老舗企業の業歴ランキングでは、578年創業の社寺建築の(株)金剛組(大阪府)が業歴1,440年、次いで587年創業の華道「池坊」の一般財団法人池坊華道会(京都府)が業歴1,431年、705年創業で徳川家康も訪れたと伝えられる(株)西山温泉慶雲館が業歴1,313年、717年創業の城崎温泉の旅館(株)古まんが業歴1,301年、次いで2018年に創業から1,300年を迎える旅館「法師」を経営する(株)善吾楼が続く。


 2018年に創業100周年を迎える企業は1,760社だった。この1,760社は、100年もの間、激動の時代を乗り越え、常に変化する経済動向や環境に対応し続けたことで、100周年を迎えることができたのだろう。
 さらに、100年を超え、200周年、300周年に辿り着ける企業はほんの一握りだ。何代も事業を承継することは簡単ではない。最近では、後継者問題から休廃業や解散、倒産に至るケースが増えており、老舗企業の承継方法など手本にすべき点がたくさんある。
 どの企業にも必要不可欠なのは「信用」だ。創業100周年を迎える企業など老舗企業は「歴史」という「信用」を築き上げている。おおよそ1年に新たに設立される新設法人は約10万社を超えるが、約3万社が休廃業・解散し、約9,000社が倒産している。現在、事業をしている企業が100年後にどうなっているかは、誰にもわからない。

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ