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全国150万2,573社 「企業のメインバンク」調査

 国内の約150万社のメインバンクは、金融グループでは三菱UFJフィナンシャル・グループが12万4,331社(約150万社に占めるシェア8.2%)でトップだった。個別行でも、三菱東京UFJ銀行が12万3,763社(同8.2%)でトップを守った。大都市圏は大手行が優位を維持するが、地方では地方銀行のシェアが圧倒し、信用金庫も都道府県内シェアの上位にランクインが目立った。
 県内シェア(占有率)のトップは、島根県の山陰合同銀行で、県内シェアは65.7%に達した。都道府県別で、県内シェア50%以上の地方銀行は18行を数え、県内シェア2番手に入った信用金庫も8信金あった。
 東京都は、上位を三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行と、大手行が独占。5位に地方銀行を押しのけ多摩信金が登場した。東京都の地方銀行、第二地銀は取引先数が多くても大手行と信金に挟まれている状況が浮き彫りになった。
 マイナス金利の導入後、金融機関は本業の資金貸出による収益が厳しい状況が続いている。さらに地方は人口減少で貸出市場が縮小、産業構造の変化による地域経済の後退も懸念されている。それだけに地域経済の活性化には金融機関の積極的な金融仲介機能が欠かせない。取り巻く環境がドラスティックに変化するなか、金融機関は経営の効率化や再編による経営健全化と同時に、「フィデューシャリー・デューティー」(顧客本位の業務運営)をより求められている。


  • ※本調査は、東京商工リサーチの企業データベースから2013年-2017年の3月末のメインバンクを集計、分析した。メインバンクが複数の場合、最上位行をメインバンクとして集計した。対象数は2017年:150万2,573社、2016年:149万4,369社、2015年:148万1,424社、2014年:146万4,552社、2013年:144万3,762社。
  • ※経営統合や合併した銀行(予定含む)のグループを「金融グループ」と定義した。
  • ※フィナンシャル(・)グループは以下、FG。ホールディングスは以下、HD。フィナンシャルホールディングスは以下、FHとした。
  • ※金融グループに限り、りそなHDに「近畿大阪銀行、関西アーバン銀行、みなと銀行」の取引社数を含め、持分法適用会社とする予定の三井住友FGには含めていない。

金融グループ・銀行のメインバンク取引社数 三菱UFJFGがトップ

 金融グループ(合併、統合予定を含む)とグループに属さない単独銀行を含む取引社数トップは、三菱UFJFG(三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行)の12万4,331社だった。次いで、三井住友FG(三井住友銀行、SMBC信託銀行)の9万4,660社、りそなHD(りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行、関西アーバン銀行、みなと銀行)の7万8,614社、みずほFG(みずほ銀行、みずほ信託銀行)の7万7,456社と、大手金融グループが上位を独占した。
 5位以下は、めぶきFG(足利銀行、常陽銀行)の3万1,443社、6位のふくおかFG(福岡銀行、親和銀行、熊本銀行)の3万1,045社と、地方銀行グループが続く。参考までに、ふくおかFGは統合を無期限延期とした十八銀行を含むと3万7,693社で、地銀グループトップになる予定だった。
 8位の北洋銀行は2万5,519社で、銀行単独ではトップ。北洋銀行は経営破綻した北海道拓殖銀行の一部事業を引き継ぎ、札幌銀行との合併で北海道ではトップの取引先シェアを誇る。

金融グループ、銀行 メインバンク取引社数ランキング

業態別 銀行は三菱東京UFJ銀行、信金は京都中央信金、信組は茨城県信組がトップ

 銀行では、三菱東京UFJ銀行の12万3,763社がトップ。次いで、三井住友銀行の9万4,644社、みずほ銀行の7万7,306社と、メガバンクが上位を独占。大手行を除くトップは、第二地方銀行の北洋銀行2万5,519社。次いで、千葉銀行の2万1,924社、福岡銀行の2万170社、西日本シティ銀行の1万9,295社で、福岡県の2行が競り合っている。
 信用金庫は、京都中央信金が7,910社でトップ。次いで、多摩信金の6,319社の後、大阪シティ信金6,318社、尼崎信金5,999社と関西勢が続く。
 信用組合は、茨城県信組が2,960社でトップ。次いで、新潟縣信組1,292社、山梨県民信組1,277社、西日本トップの広島市信組が1,186社で続き、6位の長野県信組まで1,000社台。

業態別 メインバンク取引社数ランキング

取引先企業 増収増益率ランキング

 金融機関ごとにメインバンク取引先企業の増収増益(判明分)率を取材、分析した。直近3期(2014年1-12月期、2015年1-12月期、2016年1-12月期)の売上高、利益が判明した企業数を分母に、増収増益の企業数を分子として増収増益率を算出した。
 2016年の取引先企業の増収増益率のトップは、沖縄銀行が36.7%。次いで、琉球銀行が36.0%で続き、沖縄県の地方銀行2行が前年より急上昇した。沖縄県は4年連続で入域観光客数が過去最高を更新するなど好調な県内経済が背景にある。
 沖縄銀行は「過去複数年の業績や同業種の平均値等から見た取引先の位置付けを可視化。自身の会社を客観的に確認させ、内容を共通認識し、深度ある対話を行っている」と説明。琉球銀行は「法人事業部内に営業店向けの事業性評価に基づく支援グループを設置した」と語り、両行とも取引先との対話を重要視していることが一定の効果を生んでいるようだ。
 次いで、広島信金の35.0%、常陽銀行の34.1%、日本政策金融公庫の33.8%と続く。
 業態別では、大手銀行が30.77%でトップ。地方銀行は30.34%だった。一方、信用金庫は29.02%、信用組合は29.10%で、取引先の規模による業績格差がやや目立つ結果となった。

メインバンク取引先 増収増益率ランキング

倒産企業のメインバンク調査

 各年度(4-3月)に倒産した企業(負債1,000万円以上)のメインバンクを分析した。2016年度の社数では、地方銀行が1,538社(構成比31.6%)と最も多かった。次いで、信用金庫が1,301社(同26.7%)、大手銀行1,239社(同25.5%)、第二地銀534社(同10.9%)と続く。
 2016年度末(2017年3月末)のメインバンクの取引社数を分母に、倒産企業数で割った「倒産比率」では、信用組合が0.44%で最も高く、次いで信用金庫0.40%、大手銀行0.35%、第二地銀0.33%、地方銀行0.26%、その他0.25%の順だった。
 増収増益率と同様に信金や信組は、経営基盤や資金余力の乏しい小・零細企業との取引が多く、取引先の業績改善に課題を抱えていることを示している。一方、地方銀行は大手銀行より取引企業数は1.6倍多かったが、倒産比率は0.9ポイント低く、地場企業への対応の違いを示唆している。
 2016年度と2012年度の倒産比率を比較すると、最も低下(改善)しているのは信用組合の0.33ポイント減で、次いで信用金庫0.29ポイント減だった。信用金庫、信用組合はともに倒産比率は高いが、地域密着型の支援効果により倒産比率の改善がうかがえる。

倒産企業のメインバンク調査

2017年 金融グループ取引社数ランキング

 経営統合や合併を公表した金融機関グループ(予定を含む)のメインバンク取引社数では、トップの三菱UFJFGから4位のみずほFGまで、大手銀行系グループが上位を独占した。
 地銀グループでは、5位の足利銀行と常陽銀行が2016年10月に発足しためぶきFGの3万1,443社がトップ。次いで、十八銀行との経営統合が無期限延期となったふくおかFG(福岡銀行、親和銀行、熊本銀行)の3万1,045社が続く。
 以下、北海道銀行と北陸銀行のほくほくFGが2万7,758社、肥後銀行と鹿児島銀行の九州FGが2万1,642社、横浜銀行と東日本銀行のコンコルディアFGが2万1,054社、西日本シティ銀行と長崎銀行の西日本シティFHが1万9,846社の順。


 マイナス金利導入後の貸出金利の低下、人口減少などで、金融機関は稼ぐ力が低下。このため合併や統合などによる規模拡大や、コスト削減に向けた再編の動きも強まっている。
 2018年にはりそなHDが近畿大阪銀行、関西アーバン銀行、みなと銀行の関西3行の連結子会社化を予定し、関西ではメガバンクを含めた金融機関のシェア争いが注目される。
 長崎県内の大型統合と注目されたふくおかFGの親和銀行と十八銀行の統合は再延期された。県内の貸出シェアが70%に達する統合に公正取引委員会が待ったをかけた格好だが、今回の調査でも十八銀行と親和銀行をメインバンクとする長崎県内の企業数のシェアは83.7%にのぼった。
 都道府県別のメインバンク取引社数では、シェア50%超の地方銀行が他銀行と統合や合併したのは山口銀行、肥後銀行、鹿児島銀行の3行のみ。地元有力企業と密接に結び付き、高いシェアを持つ地方銀行は、手堅い営業基盤を背景に統合に積極的に動いているとは言い難い。
 だが、貸出利ザヤの縮小、外国債券など有価証券の運用難で収益力が落ちた金融機関は、再編圧力を無視できないだろう。競争が激しい都市圏、2番手以降の金融機関の動きに目を離せない。
 取引先の「事業性評価」が動き出し、金融機関は目利き力を問われているが、一気に力量向上は難しい。取引企業に有益なコンサルティング機能を発揮できるか。地域経済と取引企業の成長に向け具体的な行動を起こせるか。経営の効率化と金融仲介機能の実現力が、生き残りをかけた金融機関のメルクマール(中間目標)になっている。

都道府県別メインバンク取引社数ランキング(東日本)

都道府県別メインバンク取引社数ランキング(西日本)

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