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銀行112行(2014年9月中間期決算) 「地方公共団体・中小企業等向け貸出金残高」調査

 銀行112行の2014年9月中間期の地方公共団体向け貸出金残高は26兆4,393億円で、前年同期より4.6%(1兆1,749億円)増加。112行のうち81行(構成比72.3%)で地方公共団体向け貸出金残高を伸ばし、9月中間期としては、4年連続で前年同期を上回った。
また、中小企業等向け貸出金残高は279兆4,556億円で、前年同期に比べ2.2%増(6兆1,330億円増)と、3年連続で前年同期を上回った。112行のうち84行(構成比75.0%)で中小企業等向け貸出金残高を伸ばした。
2014年9月中間期の総貸出金残高(411兆26億円)に占める地方公共団体向け貸出金残高の比率は6.43%で、前年同期より0.15ポイント上昇した。また、中小企業等向け貸出比率は67.99%で、前年同期より0.08ポイント上昇した。
金融庁は金融機関に対して中小企業への貸出を促していて、各銀行は中小企業への貸出し増加に努めている。しかし、中小企業等向けの貸出に比べてリスクの低い地方公共団体向け貸出を増加させており、貸出姿勢には依然として大きな変化がみられない。


  • ※本調査は、銀行112行の2014年9月中間期決算の「地方公共団体向け」および「中小企業等向け」貸出金残高を前年同期と比較
  • ※りそな、沖縄銀行は信託勘定を含む

銀行112行 貸出比率推移

地方公共団体向け貸出金 前年同期比4.6%増

 銀行112行の2014年9月中間期での地方公共団体向け貸出金残高は26兆4,393億円で、前年同期(25兆2,643億円)より4.6%(1兆1,749億円)増加した。112行のうち、地方公共団体向け貸出金残高が前年同期を上回ったのは81行(構成比72.3%、大手1行、地銀49行、第二地銀31行)で、前年同期(76行)より5行増加(大手1行増、地銀1行増、第二地銀3行増)した。
地方公共団体向け貸出金残高の最多は北洋銀行の1兆2,726億円(前年同期比1.5%増)で総貸出金残高に占める貸出比率は23.49%だった。次いで、みずほ銀行1兆272億円(同10.4%減)、福岡銀行8,060億円(同1.8%減)、三井住友銀行7,993億円(同14.4%減)、常陽銀行7,948億円(同2.7%増)の順。貸出金残高5,000億円以上は13行で、前年同期(10行)より3行増加した。
総貸出残高に占める地方公共団体向けの貸出比率は平均6.43%。前年同期より0.15ポイント上昇。9月中間期としては、ここ5年間で貸出比率は最高となった。112行のうち地方公共団体向け貸出比率が前年同期を上回ったのは70行(構成比62.5%)で、前年同期(65行)より5行増加。
地方公共団体向け貸出比率のトップは北都銀行の34.10%(前年同期31.04%)。以下、青森銀行33.65%(同31.12%)、秋田銀行24.45%(同21.27%)、北洋銀行23.49%(同22.52%)、岩手銀行23.27%(同21.40%)の順。地方公共団体向け貸出比率の上位10行のうち9行は、前年同期より貸出比率が上昇し、リスク回避の傾向が一段と強まっているようだ。

中小企業等向け貸出金 前年同期比2.2%増

 銀行112行の2014年9月中間期の中小企業等向け貸出金残高は279兆4,556億円。前年同期(273兆3,226億円)より2.2%(6兆1,330億円)増加し、9月中間期としては3年連続で増加した。銀行112行のうち84行(構成比75.0%)と、約8割で前年同期を上回った。
中小企業等向け貸出金残高の最多は三菱東京UFJ銀行の33兆3,542億円(前年同期比0.5%減)。以下、三井住友銀行32兆9,353億円(同0.8%増)、みずほ銀行30兆1,280億円(同1.3%増)、りそな銀行14兆7,242億円(同2.2%増)、横浜銀行7兆8,023億円(同1.8%増)の順。貸出金残高1兆円以上は64行で、前年同期(62行)より2行増加した。
総貸出残高に占める中小企業等向けの貸出比率は平均67.99%。前年同期より0.08ポイント上昇し、2010年9月中間期以降で初めて貸出比率が上昇した。112行のうち中小企業等向け貸出比率が前年同期を上回ったのは49行(構成比43.7%)で、前年同期(37行)より12行増加した。 中小企業等向け貸出比率のトップはスルガ銀行の95.80%(前年同期95.75%)。次いで、大正銀行93.29%(同93.57%)、南日本銀行93.13%(同92.48%)、静岡中央銀行92.91%(同92.57%)、関西アーバン銀行92.42%(同92.26%)と続く。

地区別貸出比率 4地区で地方公共団体向けが2ケタ増

 本店所在地で分けた地区別では、地方公共団体向け貸出金は全国10地区のうち東京を除く9地区で前年同期を上回った。増加率では、中部13.9%増を筆頭に、四国12.8%増、中国11.8%増と続く。また貸出比率では、北海道22.53%を最高に、東北20.28%、北陸18.19%、中国12.58%、九州11.30%の順。
中小企業等向け貸出金は全国10地区のうち北海道を除く9地区で前年同期を上回った。増加率では、九州6.3%増を最高に、中国4.7%増、北陸3.3%増と続く。また貸出比率では、近畿の79.34%をトップに、関東76.12%、中部73.85%、四国73.52%、九州73.45%と続く。唯一、貸出金が前年同期を下回った北海道は、北海道銀行が1兆9,007億円で前年同期より0.8%(150億円)増加したが、北洋銀行が3兆3,403億円で同4.1%(1,441億円)減少したことで、貸出金残高を押し下げた。このうち東北、中部、中国、四国では「地方公共団体向け」が10%以上の増加率だった一方、全体的に「中小企業等向け」は数%にとどまっていて、貸出姿勢に温度差がみられた。


 中小企業金融円滑化法が2013年3月に終了し、その後も銀行は取引先の返済猶予に応じるなど支援に大きな変化はない。しかし、業績改善が遅れている中小企業は依然として多く、地場企業を取引先として多く抱える地方銀行や第二地銀は、中小企業等向けの貸出を伸ばすが、それ以上に貸倒リスクの低い地方公共団体向けへの貸出を増加させた。
金融庁は中小企業への貸出を促しているが、銀行は依然としてリスク回避の貸出姿勢に変化はない。今後、中小企業を見る目利き力が銀行に一段と求められていて、リスクテイクをしながら中小企業への貸出をいかに伸ばしていくかの動向が注目される。

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