導入事例

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グローバル各拠点に散在する顧客データを一元化し、
未知の「ホワイトスペース」を可視化

株式会社リコーさま(東京)
業種:
デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他

QUICK FACT

導入前の課題
  • 地域やシステムごとに顧客マスタが個別に管理されており、グローバル一括でのデータ活用が困難だった
  • 手作業による調査では複雑な資本関係(ファミリーツリー)を網羅できず、営業活動に漏れや重複が発生していた
  • 自社取引先以外の企業データが不足しており、市場占有率の把握や新規開拓のターゲット選定(ホワイトスペース分析)が十分にできていなかった
導入後の効果
  • D-U-N-S® Numberを共通言語とすることで、名寄せの自動化とデータの鮮度維持を実現した
  • グローバル企業の資本関係を可視化し、ターゲット抽出からアプローチまでの時間を大幅に短縮した
  • 客観的な企業データに基づくサプライヤーリスクの管理や、散在していた契約情報の適切な紐付け、組織横断でのデータ利活用が可能になった

お話をうかがった方

  • 株式会社リコー
    DX本部 データマネジメントセンター
    データドリブン経営推進室
    室長

    原田 耕輔 さま
  • 株式会社リコー
    DX本部 データマネジメントセンター
    データドリブン経営推進室
    コーポレートマスターデータストラテジスト

    小澤 賢一 さま

※所属および役職は、取材時点のものとなっております。


事業内容

株式会社リコーロゴ

オフィス機器の基盤とデジタル技術を融合し、デジタルサービス企業へ変革

日本を代表するグローバル企業である株式会社リコーは、現在、大きな転換期の渦中にあります。長年、同社はオフィス向けの複合機やプリンターといった「OA機器メーカー」として圧倒的なシェアを誇ってきましたが、現在は「デジタルサービス企業」への変革を掲げ、顧客のDXを支援する多角的なビジネスを展開しています。デジタル戦略部データマネジメントセンターにおいて、データドリブン経営の推進を担う原田耕輔さまは、同社の現在の立ち位置について次のように語ります。

原田さま:
「弊社は現在、ものづくりの会社からデジタルサービスを提供する会社へ転換する最中にあります。これまでのオフィス機器の基盤を生かしつつ、業務プロセスのデジタル化やITマネージドサービス、クラウド連携など、お客様の働く環境をより良くする支援をさせていただいています。私たちが掲げている「"はたらく"に歓びを」というキーフレーズを実現するために、お客様の課題をより深く理解し、解決策を提示できる企業へと進化を続けています。」

同社が目指すデジタルサービスへのシフトにおいて、最も重要となるのが「顧客を知ること」です。従来の製品販売モデルでは、モノを届けて終わる関係が中心でしたが、サービスモデルでは継続的な接点を通じて顧客のニーズを的確に捉え続ける必要があります。そのためには、世界中に広がるグループ各社が持つ顧客情報を統合し、高度なデータ活用を行うための盤石なデータ基盤が必要不可欠でした。


課題・背景

地域やシステムごとに分断されたマスタ。複雑な企業グループ把握が大きな壁に

――リコーグループは世界各地に拠点を持ち、長年にわたり各地域で最適なビジネスを展開してきました。しかし、その歴史がゆえに、データの管理という側面ではサイロ化という大きな壁に直面していたといいます。原田さまは、導入前の課題を次のように振り返ります。

原田さま:
「デジタルサービスをグローバルに展開するためには、世界中のお客様の情報を正確に把握しなければなりません。しかし、以前は日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジアといった各地域が、それぞれ独自の基準で顧客マスタを整備してきました。そのため、各拠点で持っているマスタを統合しようとしても、名寄せが困難であったり、情報の更新頻度がバラバラであったりと、一元的な管理ができていないことが大きな課題でした。」

――特に課題となっていたのが、グローバル規模で活動する大手企業グループの全体像を把握することでした。相手が巨大な組織であればあるほど、どの拠点がどの会社の子会社なのか、また世界各地でどのような資本関係にあるのかを人為的に追跡するには限界があったといいます。

原田さま:
「大きな会社さまですと、非常に多くのグループ会社をお持ちです。しかし、弊社のシステム上では、それらが一つのグループとして紐付いていないケースがありました。あちらの拠点とお付き合いをしていたら、実はあちらの会社と親会社が同じだったということが後から判明することもあります。こうした「ファミリーツリー(系列情報)」を事前に、かつ正確に把握できなければ、効率的な営業戦略を立てることはできません。」
原田さま
原田さま

――また、実務レベルでのデータの精度や開発環境についても、改善の余地がありました。デジタル戦略部で要件定義やシステム連携を統括する小澤さまは、当時の状況を補足します。

小澤さま:
各地域で収集する情報の項目や定義が異なっていたため、本社視点での分析を行う際にデータの不整合が発生していました。また、システム間の連携も自動化されておらず、データの鮮度を維持するためのメンテナンス負荷が非常に高い状態でした。加えて、自社でお取引のあるお客様の情報は持っていても、まだお取引のない企業、いわゆる「ホワイトスペース」がどこにあるのかを客観的に把握する手段も限られていました。

解決・成果

D&B Direct+が社内システム間の断絶を解消。API連携による名寄せとリスク管理の高度化を実現

――こうした課題を解決するため、株式会社リコーは東京商工リサーチ(TSR)が提供する『D&B Direct+』『Data Block』『D&B Hoovers』『TSR企業情報ファイル』の包括的な導入を決定しました。最大のポイントは、利用目的の異なる複数のサービスを導入しながらも、それらが世界標準の企業識別コード『D-U-N-S® Number』を介して一貫性のあるデータとして統合されている点にあります。
同社では『Data Block』を、全世界共通の仕様で企業情報が格納されたマスタとして活用しています。これに国内最大級のカバレッジを誇る『TSR企業情報ファイル』を組み合わせることで、国内外を問わないシームレスなデータ基盤を構築しました。一方で、営業現場の最前線では、かねてより高い利便性が認知されていた『D&B Hoovers』が重要な役割を担っています。

原田さま:
「グローバル企業を担当するGMA(グローバルメジャーアカウント)チームでは、今回の統合前から『D&B Hoovers』を独自に活用していました。グローバルに展開する大規模な顧客企業の構造を把握し、戦略を練る上で、その情報の粒度の細かさや検索性は現場から非常に高く評価されていました。今回の導入では、現場ですでに実績のあったツールをシームレスに連携して活用できる環境を整えた形になります。」

――基本的な企業属性の特定やマスタの整備には『Data Block』を用い、より深くきめ細やかなマーケティング情報が必要な際には『D&B Hoovers』で探索を行う。この異なる用途のデータベース群をリコーさまの社内システムと繋ぎ、一つの巨大なデータ基盤へと昇華させているのが、APIサービスである『D&B Direct+』の存在です。小澤さまは、自社システムへの実装と運用の実態について次のように語ります。

小澤さま:
「以前は、事業部や拠点ごとに異なるデータベースを参照していたため、情報の断絶が起きていました。現在は『D&B Direct+』を活用して、私たちが運用している共通の社内システムとD&Bのデータベースを直接連携させています。具体的には、『D&B Direct+』などで特定したD-U-N-S® Numberをもとに、事業部で『TSR企業情報ファイル』に収録される評点を付与するといった運用も行っています。」

――この「社内システムとの自動的な連携」は、開発部門との緊密な連携とTSRのサポートによって実現しました。小澤さまは、データ構造の理解や要件化といった技術的なハードルを乗り越えた背景を振り返ります。

小澤さま:
「APIを実際にシステムへ導入する際、仕様やデータ構造を正しく要件化していく作業には時間を要しましたが、TSRさまには一日に何度も迅速なレスポンスをいただき、深くサポートしていただきました。そのおかげで、開発部隊からも『サポートが非常に手厚い』というフィードバックがあり、事前の検証期間を大幅に短縮して基本機能の実装を完了することができました。」
小澤さま
小澤さま
原田さま:
「もともと各地域からマスタを吸い上げてくるシステムは自社で持っていました。そこにD&Bの名寄せの仕組みを組み込んだことで、情報の正確性が飛躍的に向上しました。例えば、ある大手企業の海外拠点をリスト化して配布する際、以前は地域ごとに調査が必要でしたが、現在は統合されたシステム上でリストを作成してマッチングさせるだけです。情報の漏れがなくなっただけでなく、地域ごとの名寄せ作業も不要になり、アプローチまでの時間が劇的に短縮されました。」
システム図

今後の展開

新規事業からトップ営業の事前調査まで。広がり続けるD&B Hooversへのニーズ

――導入から約三年が経過し、株式会社リコーは2025年3月から契約を複数年に更新しました。これは、TSRのサービスが同社のデータインフラとして欠かせない存在になったことを意味しています。原田さまは、これからの展望について次のように語ります。

原田さま:
「今後はこのデータ基盤を全社、そしてグループ会社へとさらに横展開していきたいと考えています。特に『D&B Hoovers』については、その有効性が社内で広く知れ渡るようになり、現在はマーケティング部門だけでなく、新規事業開発や役員のトップ営業の事前調査など、多方面から『活用したい』という問い合わせが寄せられています。」

――これまでは「一部の専門チームによる活用」だったものが、今や「社内全体のニーズ」へと広がりを見せています。小澤さまも、現場の反響に確かな手応えを感じています。

小澤さま:
「特定の地域市場を深く調べたいというスポットの相談も増えており、利用の裾野は確実に広がっています。今後は『D&B Hoovers』の利用用途をさらに拡大し、社内の情報有効活用を促進していきたいと考えています。また、現場からは地域ごとのデータの特性についてTSRさまのアナリストと直接対話したいという要望も出ています。こうした専門的なサポートをいただきながら、データの精度をさらに高めていきたいですね。」

――最後に、原田さまは「ユーザーコミュニティ」への期待を口にされました。

原田さま:
「他社さまがどのような使い方をしているのかを学ぶ機会があれば、私たちとしても非常に参考になります。ユーザー会などを通じて、TSRさまやD&B社さまへ『こういうことができないか』という提案を共に行えるような、相互に価値を高め合える関係を築いていきたいですね。」

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