• TSR速報

(株)ガイアほか6社

ガイアの店舗(TSR撮影)

ガイアの店舗(TSR撮影)

パチンコホールの負債額として過去3番目の大型倒産

 (株)ガイア(東京都中央区)は10月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は岡野真也弁護士(岡野真也法律事務所、中央区日本橋本石町3-1-2)。監督委員には永沢徹弁護士(永沢総合法律事務所、中央区日本橋3-3-4)が選任された。
 負債総額はガイアが850億9562万円(2023年5月期決算時点)、グループ7社合計約1600億円(各社の決算期時点)。

 「GAIA(ガイア)」の店名で展開する大手パチンコチェーン。積極的な店舗出店で業界大手まで成長し、2006年5月期には売上高5853億500万円をあげていた。以降は、遊技人口の減少や分社化の影響に加え、2011年には代表取締役(当時)が覚せい剤取締法違反の疑いで神奈川県警に逮捕。さらに2012年には東京国税局からグループで所得隠しを指摘されるなど相次いで報道され、業績も2017年5月期は売上高2873億6500万円まで落ち込んでいた。

 以降は、稼働率向上の対策や遊技台、不動産の販売などで売上は増収へ転じ、2019年5月期は売上高3208億6579万円をあげた。しかし、金融機関からの借入金に依存した資金繰りが続くなど、財務内容の改善を急いでいた。
 こうしたなか新型コロナウイルス感染拡大後は、来店客数の減少や店舗休業などで売上が急減。金融機関への支援要請や店舗売却(2023年5月末時点で全国83店舗)、公租公課の分納などで資金繰りを維持していたが、2023年5月期は売上高1895億4291万円にとどまり、グループ向け貸付の引当金計上などで65億7538万円の赤字を計上。資金調達の遅れなどから10月2日の決済が不調となり、10月31日の手形決済が見通せず、今回の措置となった。
 なお、同日にJトラスト(株)(渋谷区)と関係会社などととスポンサー支援にかかわる基本合意を締結。今後、同社の支援を受けて、パチンコホールの営業は通常通り継続する意向。

※(株)ガイア(TSR企業コード:320363295、法人番号:8010001065835、中央区日本橋横山町7-18、設立1984(昭和59)年9月)
※Jトラスト(株)(TSR企業コード:570303931、法人番号:2010401094729、渋谷区)

 同時に民事再生法の適用を申請した関連会社は以下の通り
(株)ジャバ(TSR企業コード:295258926、法人番号:1010001075246、中央区日本橋横山町7-17、設立2001(平成13)年8月、資本金5000万円、負債105億9601万円(2023年5月期決算時点))
(株)MG(TSR企業コード:023850850、法人番号:3010001181694、中央区日本橋横山町7-18、設立2017(平成29)年2月、資本金20万円、負債166億6026万円(2023年3月期決算時点))
(株)トポスエンタープライズ(TSR企業コード:320841790、法人番号:9040001005498、千葉県千葉市美浜区新港44-3、設立1997(平成9)年4月、資本金9000万円、負債85億4090万円(2023年5月期決算時点)
(株)ユナイテッドエージェンシー(TSR企業コード:296175102、法人番号:3010001090284、中央区日本橋横山町7-18、設立2004(平成16)年10月、資本金1200万円、負債88億232万円(2023年5月期決算時点))
(株)ガイア・ビルド(TSR企業コード:296262234、法人番号:7010001091601、中央区日本橋横山町7-18、設立2005(平成17)年1月、資本金4500万円、負債141億2376万円(2023年5月期決算時点))
(株)MG建設(TSR企業コード:024468304、法人番号:9010001183173、中央区日本橋横山町7-17、設立2007(平成29)年4月、資本金4000万円、負債171億8100万円(2022年3月期決算時点))

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

約束手形の決済期限を60日以内に短縮へ 支払いはマイナス影響 約4割、回収では 5割超がプラス影響

これまで120日だった約束手形の決済期限を、60日に短縮する方向で下請法の指導基準が見直される。約60年続く商慣習の変更は、中小企業の資金繰りに大きな転換を迫る。 4月1~8日に企業アンケートを実施し、手形・電子記録債権(でんさい)のサイト短縮の影響を調査した。

2

  • TSRデータインサイト

「早期・希望退職者」募集は年間1万人超ペース 空前の賃上げの裏側で加速する構造改革

4月23日現在、「早期・希望退職者」の募集が判明した国内の上場企業は21社で、前年同期の16社を5社上回った。対象人数(国内)は3,724人(前年同期1,236人)で、前年同期の3倍に達した。すでに2023年(3,161人)の年間実績を563人上回り、構造改革の促進で年間1万人超のペースで推移している。

3

  • TSRデータインサイト

今年の“大型連休” 6割の企業が5連休 大企業の2%が10連休超、中小企業は2割が4連休以下

2023年春のゴールデンウィーク(GW)は何連休? 東京商工リサーチ(TSR)が4月3日から11日に実施したアンケート調査で、最多はカレンダー通りの5連休で全体の6割を占めた。

4

  • TSRデータインサイト

2024年の「中堅企業」は9,229社 企業支援の枠組み新設で、成長を促進し未来志向へ

東京商工リサーチの企業データベースでは、2024年3月時点で「中堅企業」は9,229社(前年比1.2%増、構成比0.7%)あることがわかった。うち2023年の中小企業が、2024年に「中堅企業」に規模を拡大した企業は399社だった。一方、「中堅企業」から「中小企業」へ規模が縮小した企業も311社みられた。

5

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】テックコーポレーションと不自然な割引手形

環境関連機器を開発していた(株)テックコーポレーションが3月18日、広島地裁から破産開始決定を受けた。 直近の決算書(2023年7月期)では負債総額は32億8,741万円だが、破産申立書では約6倍の191億円に膨らむ。 突然の破産の真相を東京商工リサーチが追った。

記事カテゴリを表示
記事カテゴリを閉じる

プリントアウト

RSS

CLOSE
TOPへ