• TSR速報

(株)マキノ出版

マキノ出版が入居するビル

 (株)マキノ出版(東京都中央区)は3月2日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。
 申請代理人は植田統弁護士(青山東京法律事務所、港区南青山1-1-1、電話03-6447-4823)ほか1名。監督委員には安藤信彦弁護士(安藤総合法律事務所、千代田区永田町2-14-3、電話03-3597-7700)が選任された。
 負債総額は約15億円。


 健康、美容関連をテーマに取り扱う「壮快」、「安心」、「ゆほびか」等の雑誌をはじめ、家電などの製品情報を取り扱う「特選街」(2021年10月休刊)、ムック本、書籍等の出版を手掛けていた。シニア層をターゲットとした事業展開で、健康ブームも背景に1996年2月期には売上高約38億5400万円をあげていた。
 しかし、以降は紙媒体の需要減少や出版市況の低迷により減収で推移していたうえ、コロナ禍以降はさらに業績が悪化。2022年2月期は売上高が約15億円にまで落ち込み、採算悪化による赤字決算も続いた。この間、コロナ関連融資の利用などにより資金繰りを維持する一方で、WEBサービスなどへの注力や本社移転、人員削減などを進めていた。
 こうしたなか、2022年以降は紙価格の上昇に伴うコストアップなどが重なったことで資金繰りが悪化し、今回の措置となった。
 なお、債権者説明会を3月7日(火)午前10時よりスペースまる八(中央区日本橋茅場町1-12-2)で開催する予定。
 ※(株)マキノ出版(TSR企業コード:291648541、法人番号:1010001007273、中央区日本橋茅場町3-4-2、設立1977(昭和52)年10月、資本金5000万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

コロナ破たん累計が1万件目前 累計9,489件に

4月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が244件(前年同月比9.9%減)判明した。3月の月間件数は2023年3月の328件に次ぐ過去2番目の高水準だったが、4月は一転して減少。これまでの累計は9,052件(倒産8,827件、弁護士一任・準備中225件)となった。

2

  • TSRデータインサイト

堀正工業(株) ~約50行を欺いた粉飾、明細書も細かく調整する「執念」 ~

東京には全国の地域金融機関が拠点を構えている。今回はそれら金融機関の担当者が対応に追われた。最大54行(社)の金融機関やリース会社から融資を受けていた老舗ベアリング商社の堀正工業(株)(TSR企業コード:291038832、東京都)が7月24日、東京地裁から破産開始決定を受けた。

3

  • TSRデータインサイト

インバウンド需要で「ホテル経営」が好調 8割のホテルが稼働率80%超、客室単価の最高が続出

コロナ禍の移動制限の解消と入国審査の緩和で、ホテル需要が急回復している。ホテル運営の上場13社(15ブランド)の客室単価と稼働率は、インバウンド需要の高い都心や地方都市を中心に、コロナ禍前を上回った。

4

  • TSRデータインサイト

2024年4月の「円安」関連倒産 1件発生 発生は22カ月連続、円安の影響はさらに長引く可能性も

2024年4月の「円安」関連倒産は1件発生した。件数は、3カ月ぶりに前年同月を下回ったが、2022年7月から22カ月連続で発生している。 3月19日、日本銀行はマイナス金利解除を決定したが、じりじりと円安が進み、4月29日の午前中に一瞬34年ぶりに1ドル=160円台に乗せた。

5

  • TSRデータインサイト

約束手形の決済期限を60日以内に短縮へ 支払いはマイナス影響 約4割、回収では 5割超がプラス影響

これまで120日だった約束手形の決済期限を、60日に短縮する方向で下請法の指導基準が見直される。約60年続く商慣習の変更は、中小企業の資金繰りに大きな転換を迫る。 4月1~8日に企業アンケートを実施し、手形・電子記録債権(でんさい)のサイト短縮の影響を調査した。

記事カテゴリを表示
記事カテゴリを閉じる

プリントアウト

RSS

CLOSE
TOPへ