全国企業倒産状況

2021年7月の全国企業倒産476件

Xアイコン
facebookアイコン

2021年7月の倒産

7月では50年間で最少、コロナ関連倒産は7月までで前年累計を上回る

 2021年7月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が476件(前年同月比39.6%減)、負債総額が714億6,500万円(同29.1%減)だった。
件数は、2カ月連続で前年同月を下回った。7月度では1972年以降の50年間で、1990年の482件を下回り、最少を記録した。減少率(39.6%減)は、1月の38.6%減を上回り、今年最大で、倒産の低水準が際立った。
負債総額も、2カ月連続で前年同月を下回った。7月度で1973年(525億800万円)に次ぎ、50年間で3番目の低水準となった。倒産減少に加え、負債10億円以上が13件(前年同月24件)、同1億円以上5億円未満も68件(同126件)とほぼ半減した。一方、負債1億円未満は380件で構成比(79.8%)は今年最大となり、倒産は小・零細規模を中心に推移している。
7月の「新型コロナウイルス」関連倒産は、138件(前年同月比40.8%増)だった。今年1月から毎月100件超で推移し、1-7月累計は903件に達した。この結果、2020年(2-12月)の累計799件を超えた。倒産が低水準で推移するなか、コロナ関連倒産の構成比は次第に高まっている。

企業倒産月次推移


  • 「人手不足」関連倒産のうち、「後継者難」が19件(前年同月26件)
  • 形態別件数:破産が433件。法的倒産の構成比、14カ月連続で90%台
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが7県、減少34都道府県、同数6県
  • 負債別件数:負債1億円未満の構成比が79.8%、100億円以上は2カ月連続で発生せず
  • 業種別件数:飲食業、アパレル関連、食品関連が軒並み減少
  • 従業員数別件数:10人未満の構成比が89.9%、300人以上は7カ月連続でゼロ
  • 中小企業倒産件数(中小企業基本法に基づく)は475件で、4カ月ぶりに100%ではなかった

産業別 2カ月連続で全10産業が前年同月を下回る

 2021年7月の産業別は、2カ月連続で全10産業が前年同月を下回った。
最多はサービス業他の163件(前年同月比42.4%減)で、2カ月連続で減少した。新型コロナウイルスの感染拡大による影響が懸念される飲食業が前年同月比36.5%減(93→59件)と、大幅に減少した。
そのほか、製造業52件(前年同月比34.1%減)は、15カ月連続で前年同月を下回った。また、農・林・漁・鉱業6件(前年同月11件)は7カ月連続、建設業70件(前年同月比32.6%減)、卸売業71件(同34.8%減)、小売業58件(同49.1%減)、不動産業16件(同30.4%減)、運輸業20件(同37.5%減)、情報通信業20件(同33.3%減)は2カ月連続で、それぞれ減少した。
金融・保険業は、2020年8月以来、11カ月ぶりに発生なし(前年同月4件)。
また、建設業、不動産業は、今年最少となった。

2021年7月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 全9地区で前年同月の倒産件数を下回る

 2021年7月の地区別件数は、全9地区で前年同月を下回った。全9地区で減少は、2021年4月以来、3カ月ぶりで、2021年では1月・2月・4月に続いて4度目。
四国11件(前年同月比21.4%減)は、2020年5月以降、15カ月連続で前年同月を下回った。また、中国15件(同60.5%減)は11カ月連続、東北20件(同23.0%減)は8カ月連続、北海道9件(同25.0%減)は4カ月連続、関東171件(同43.5%減)、中部71件(同36.6%減)、近畿143件(同32.8%減)、九州27件(同46.0%減)は2カ月連続、北陸9件(同57.1%減)は3カ月ぶりに、それぞれ減少した。

2021年7月の都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)Sharp Document 21yoshida/宮城県/複写機販売、コンサルティング/83億円/民事再生法
  2. (株)ムツミグローバルフーズネットワーク/東京都/食料品販売/37億1,000万円/破産
  3. パシバ(株)/兵庫県/喫煙具・日用雑貨品ほか企画販売/35億円/特別清算
  4. ジョイハウス(株)/大阪府/商業施設賃貸管理/30億円/破産
  5. (株)ブルーム/東京都/雑貨・玩具販売/28億4,000万円/民事再生法
Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ