全国企業倒産状況

2016年1月の全国企業倒産675件

Xアイコン
facebookアイコン

2016年1月の倒産

倒産件数が675件 1月としては25年ぶりの700件割れ

 2016年(平成28年)1月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が675件、負債総額は1,269億2,700万円だった。
倒産件数は、前年同月比6.3%減(46件減)で2カ月ぶりに前年同月を下回った。前月は、船舶運航管理会社グループ39社が同時に会社更生手続きの開始決定を受けた特殊要因もあって9カ月ぶりに前年同月を上回った。しかし、当月は1月では1991年(645件)以来、25年ぶりの700件割れで依然として低水準な基調に変わりがない。
金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じていることや、大手輸出企業を中心とした業績拡大による景気の底上げ、さらに為替の円安基調が続く中で、原油価格の低下などの資源安も経営環境を緩和したとみられる。
負債総額は、前年同月比24.4%減(411億4,300万円減)。3カ月ぶりに前年同月を下回った。1月としては1997年以降の過去20年間で最少金額にとどまった。さらに平均負債額は1億8,800万円(前年同月比19.3%減)で、1月としては1990年(1億4,900万円)以来、26年ぶりに2億円を下回るなど、倒産企業1件当たりの負債額の小規模化が目立った。

企業倒産月次推移


  • 従業員数別:5人未満の構成比が74.9%、1年2カ月ぶりに74%台に上昇
  • 原因別件数:赤字累積などの「既往のシワ寄せ」が4カ月連続で増加
  • 「チャイナリスク」関連倒産が3件発生
  • 「円安」関連倒産が9件、10カ月連続で前年同月を下回る
  • 業種別:化学品製造(7→13件)、宿泊業(7→9件)、飲食業(46→53件)などで増加
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が6カ月連続で、すべて(構成比100%)を占める

産業別 10産業のうち6産業で倒産減少

 2016年1月の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同月を下回った。
こうしたなか、卸売業は101件(前年同月比2.0%増)で3カ月ぶりに前年同月を上回った。内訳では衣服卸(3→9件)や家具・建具・じゅう器等卸(4→7件)で前年同月を上回った。また、不動産業は27件(前年同月比50.0%増)で2カ月ぶりに前年同月を上回り、農・林・漁・鉱業6件(前年同月4件)と金融・保険業4件(同2件)も、件数は少ないが前年同月を上回った。
一方、前月が増加に転じた建設業は129件(前年同月比1.5%減)で、再び前年同月を下回った。しかし、内訳では公共事業の拡大を受けて減少を続けてきた土木工事業(16→29件)の倒産増加が注目される。また、サービス業他161件(前年同月比5.2%減)と情報通信業32件(同15.7%減)および運輸業21件(同51.1%減)がそれぞれ2カ月ぶりの減少。製造業100件(同4.7%減)と小売業94件(同15.3%減)がともに2カ月連続で減少した。

2016年1月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 9地区のうち7地区で前年同月を下回る

 2016年1月の地区別件数は、9地区のうち7地区で前年同月を下回った。
このうち、関東は277件(前年同月比4.1%減)で4カ月ぶりに前年同月を下回った。また、東北24件(同4.0%減)と中国26件(同25.7%減)および四国15件(同21.0%減)がそれぞれ2カ月ぶりに減少した。さらに、中部が71件(同12.3%減)で7カ月連続の減少、九州62件(同13.8%減)と北海道19件(同17.3%減)がともに2カ月連続で前年同月を下回った。
これに対し、北陸は19件(前年同月比5.5%増)で2カ月連続で前年同月を上回った。北陸の産業別では、建設業(2→10件)で増加が目立った。また、近畿は162件(前年同月比1.8%増)で5カ月ぶりに増加した。近畿の産業別では、小売業(19→25件)や卸売業(28→33件)など流通業で増加した。

2016年1月の都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)エンタープライズ自由ケ丘/大分県/宅地造成・販売/152億円/民事再生法
  2. (株)サンク/大阪府/セキュリティ機器販売ほか/111億3,800万円/破産
  3. 藤信興産(株)/愛知県/ゴルフ場経営ほか/51億9,800万円/民事再生法
  4. 築地実業(株)/東京都/水産物卸/46億8,700万円/特別清算
  5. (株)テラマチ/愛媛県/各種精密機械部品製造・組立、金属熱処理/29億600万円/民事再生法
Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ