全国企業倒産状況

2014年7月の全国企業倒産882件 建設業倒産は今年最多

2014年7月の倒産

倒産件数882件で3カ月連続減少 建設業倒産は今年最多

 2014年(平成26年)7月度の全国企業倒産は、件数(負債額1,000万円以上)が882件、負債総額は1,294億9,200万円だった。
倒産件数は前年同月比13.9%減、3カ月連続で前年同月を下回った。また、7月度に1,000件を割ったのは1991年(874件)以来で、低水準に推移した。ただし、月次推移をみると、2013年12月(750件)を底にして減少傾向の下げ止まりが窺え、今後の推移が注目される。
負債総額は同35.1%減で、6カ月連続で前年同月を下回った。負債100億円以上が3カ月ぶりに発生しなかったのに対し、負債1億円未満は626件(構成比70.9%)と小規模倒産が7割を占めた。

企業倒産月次推移


  • 形態別:法的倒産の構成比が過去最高の90.1%
  • 従業員数別:5人未満の構成比が今年最高の72.7%
  • 原因別:「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が6カ月ぶりに前年同月を上回る
  • 金融円滑化法に基づく貸付条件変更後の倒産が22件、6カ月連続で前年同月を下回る
  • 「人手不足」関連倒産のうち、「求人難」型が5件発生
  • 業種別:飲食業や建築設計などの技術サービス業などで倒産増加
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が881件(構成比99.8%)、3カ月連続で前年同月を下回る

産業別 建設業、小売業、不動産業の倒産件数が今年最多

 7月の産業別倒産件数は、10産業のうち8産業で前年同月を下回った。
こうしたなか、不動産業が今年最多の33件(前年同月比73.6%増)で2カ月連続で前年同月を上回った。
一方、建設業は前年同月を下回ったが、今年最多の196件(同16.2%減)に達し、今後の推移が注目される。製造業は116件(同20.0%減)で12カ月連続、卸売業は121件(同20.3%減)で3カ月連続で前年同月を下回った。消費税率引き上げの影響が懸念される小売業も3カ月連続の前年同月比減少だったが、4月と並び今年最多の126件(同18.1%減)で、業種別では婦人・子供服小売(6→10件)などで増加をみせた。燃料価格の高止まりが懸念される運輸業は25件(前年同月比28.5%減)で3カ月連続で前年同月を下回った。また、サービス業他が216件(同6.8%減)で減少に転じた。

2014年7月の産業別倒産

産業別倒産月次推移

地区別 倒産件数が9地区のうち7地区で前年同月を下回る

 7月の地区別倒産件数は、9地区のうち7地区で前年同月を下回った。
こうしたなか、震災の直接被災地である東北は31件(前年同月比19.2%増)で3カ月ぶりに増加に転じた。県別では秋田・山形・福島で前年同月を上回り、青森・岩手・宮城が前年同月同数だった。また、中国が46件(同4.5%増)で6カ月ぶりに前年同月を上回った。
一方、中部は105件(同32.6%減)で5カ月連続で前年同月を下回り、関東374件(同12.0%減)、北陸22件(同29.0%減)、北海道24件(同11.1%減)は、それぞれ3カ月連続で前年同月を下回った。また、四国は18件(同10.0%減)で3カ月ぶりに減少し、近畿218件(同0.4%減)と九州44件(同42.8%減)はそろって2カ月ぶりに減少に転じた。

2014年7月の都道府県別倒産

地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. (株)一関カントリー倶楽部/岩手県/資産管理業/86億7,800万円/破産
  2. ソフトウエア製作所(株)/東京都/ソフトウェア開発、不動産管理/75億円/破産
  3. 岐阜北開発(株)/岐阜県/ゴルフ場経営/71億円/特別清算
  4. (株)きむら食品/新潟県/包装餅・包装米飯・粉製造/49億3,300万円/民事再生法
  5. (株)神戸ワイン/兵庫県/テーマパーク運営管理/35億円/特別清算

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSR速報 ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ