全国企業倒産状況

2017年上半期(1-6月)の全国企業倒産4,267件

Xアイコン
facebookアイコン

2017年上半期(1-6月)の倒産

倒産件数が4,267件 上半期としては27年ぶりの低水準

 2017年(平成29年)上半期(1-6月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が4,267件、負債総額が2兆2,104億3,800万円だった。
倒産件数は、前年同期比0.1%減(6件減)。上半期としては8年連続で前年同期を下回り、1990年(2,948件)以来の低水準にとどまった。金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じていることに加えて、国内景気の緩やかな拡大も影響しているとみられる。
一方、負債総額は前年同期比178.5%増(1兆4,168億3,500万円増)で、5年ぶりに前年同期を上回った。上半期としては2012年(2兆76億6,700万円)以来の2兆円超え。
これは、製造業倒産としては戦後最大になった、上場企業で自動車部品製造のタカタ(株)(負債1兆5,024億円)の民事再生法の適用申請が影響した。この1件だけで上半期負債の約7割(構成比67.9%)を占めた。

企業倒産上半期推移


  • 四半期別件数:2017年4-6月期が前年同期比2.7%増となり、32四半期ぶりに増加に転じる
  • 形態別件数:法的倒産の構成比が上半期としては過去最高91.2%
  • 従業員数5人未満の構成比74.4%、上半期としては過去20年間で最高
  • 原因別:赤字累積など「既往のシワ寄せ」が上半期では4年ぶりの増加
  • 負債額別:負債10億円以上の大型倒産が129件、上半期過去20年間で最少
  • 上場企業倒産が上半期としては2年ぶりに1件発生
  • 「人手不足」関連倒産が152件(前年同期149件)、このうち「求人難」型が16件
  • 為替関連倒産のうち、「円安」関連倒産が14件(同61件)
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、2000年以降では上半期最少件数

産業別 サービス業他が2年連続増加、不動産業は8年ぶりの増加

 2017年上半期の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同期を下回った。こうしたなか、上半期で前年同期より増加したのはサービス業他の1,229件(前年同期比10.1%増)で、2年連続で増加した。業種別では飲食業(337→388件)、広告業(30→36件)、学習塾(15→21件)などで増加した。また、不動産業148件(前年同期比4.2%増)が8年ぶりの増加。情報通信業178件(同10.5%増)と農・林・漁・鉱業33件(同17.8%増)がともに5年ぶりに前年同期を上回った。
こうした一方で、建設業が784件(同4.9%減)で上半期としては9年連続で減少した。また、製造業544件(同7.3%減)と運輸業124件(同10.7%減)がともに4年連続で前年同期を下回った。卸売業は628件(同3.3%減)で2年連続で減少した。金融・保険業も26件(同13.3%減)で2年ぶりに減少した。

2017年上半期の産業別倒産

産業別倒産上半期推移

地区別 近畿が上半期では8年ぶりの増加

 2017年上半期の地区別では、9地区のうち6地区で前年同期を下回った。
こうしたなか、近畿が1,069件(前年同期比0.9%増)で、上半期としては8年ぶりに増加に転じた。また、関東1,720件(同4.9%増)と北海道153件(同16.7%増)がともに5年ぶりに前年同期を上回った。産業別では、近畿が飲食業などのサービス業他(297→334件)や不動産業(28→39件)などで件数を押し上げた。関東はソフトウェア業を含む情報通信業(114→130件)、北海道はサービス業他(19→41件)などで増加が目立った。
一方、中部は548件(同1.9%減)で6年連続減少、四国が72件(同11.1%減)で5年連続で減少した。中国は173件(同4.4%減)で4年連続減少、九州は284件(同12.3%減)で2年連続で減少した。また、東北151件(前年同期比15.6%減)と北陸97件(同19.1%減)がともに2年ぶりに減少に転じた。

2017年上半期の都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

上半期の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. タカタ(株)/東京都/自動車部品製造/1兆5,024億円/民事再生法
  2. (株)KK資産管理会社/広島県/資産管理業/220億円/特別清算
  3. (株)てるみくらぶ/東京都/旅行業/151億1,300万円/破産
  4. (株)レイテックス/東京都/半導体製造装置販売ほか/114億円/破産
  5. (株)ゲンダイ/岡山県/遊技場経営/105億1,600万円/民事再生法
Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ