全国企業倒産状況

2009年度(平成21年度)[2009.4-2010.3] 全国企業倒産状況

倒産件数 14,732件
負債総額 7兆1,367億500万円
対前年度比(件数) -8.7%(前年度 16,146件)
対前年度比(負債) -49.0%(前年度 14,018,911百万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数が前年度比8.7%減の1万4,732件、「不況型」倒産構成比が過去最高

 2009年度(2009年4月~2010年3月)全国企業倒産件数は、1万4,732件、負債総額は7兆1,367億500万円となった。

倒産件数は、前年度比8.7%減(1,414件減)で4年ぶりに前年を下回り、年度としては戦後22番目となった。また都道府県別では、38都道府県で前年を下回り、全国的に倒産が減少した。

これは「景気対応緊急保証制度」や政府系金融機関の低利融資「セーフティネット貸付」、さらに「中小企業等金融円滑化法」施行などの政策が効果を発揮したとみられる。 

負債総額は、前年度比49.0%減(6兆8,822億600万円減)となり、年度としては戦後14番目の規模だった。負債100億円以上が同55.9%減の59件(前年度134件)と大幅に減少したことが影響した。


産業別

倒産件数、10産業のうち8産業で前年度比減少

 前年度比減少率は、金融・保険業の28.9%減(107→76件)を筆頭にして、卸売業14.7%減(2,315→1,974件)、運輸業14.3%減(635→544件)、不動産業14.2%減(625→536件)、建設業14.1%減(4,540→3,898件)、小売業11.7%減(1,839→1,623件)、農・林・漁・鉱業6.9%減(86→80件)、製造業5.5%減(2,540→2,400件)の順。

これに対して増加は、情報通信業6.7%増(559→597件)とサービス業他3.5%増(2,900→3,004件)の2産業だった。

産業別分類 件数(件) 負債額(百万円)
農・林・漁・鉱業 80 26,106
建設業 3,898 723,582
製造業 2,400 778,190
卸売業 1,974 559,030
小売業 1,623 196,729
金融・保険業 76 378,149
不動産業 536 826,923
運輸業 544 1,680,152
情報通信業 597 311,253
サービス業他 3,004 1,656,591
合計 14,732 7,136,705

※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。


地区別

倒産件数では9地区のうち近畿を除く8地区で前年度を下回った。

 減少率は、北海道34.0%減(741→489件)、九州26.8%減(1,435→1,050件)、中国24.5%減(765→577件) 、東北23.2%減(896→688件)、四国20.3%減(452→360件)、北陸9.5%減(451→408件)、関東5.0%減(5,782→5,489件)、中部0.6%減(1,631→1,621件)の順。これに対して増加は、近畿の1.4%増(3,993→4,050件)だけだった。

また都道府県別倒産件数では、前年同月を下回ったのが38都道府県、増加が9府県となった。

  • 北海道:年度としては19年ぶりに500件を下回る。
  • 東北:年度としては18年ぶりに700件を下回る。県別件数では、全県で前年度比減少。
  • 関東:全体の件数が、前年度比5.0%減。県別件数では、千葉、神奈川で前年度比増加。
  • 中部北陸:全体の件数が、中部が前年度比0.6%減、北陸が同9.5%減。県別件数では、愛知、三重、富山で前年度比増加。
  • 近畿:年度としては7年ぶりに4,000件台に増加した。県別件数では、滋賀、大阪、和歌山で前年度比増加。
  • 中国:年度としては5年ぶりに600件を下回る。県別件数では、全県で前年度比減少。
  • 四国:全体の件数が、前年度比20.3%減。県別件数では、全県で前年度比減少。
  • 九州:年度としては19年ぶりに1,100件を下回る。県別件数では、全県で前年度比減少。
地区別分類 件数(件) 負債額(百万円)
北海道 489 177,113
東北 688 161,601
青森 96 23,462
岩手 91 39,171
宮城 171 36,486
秋田 90 14,787
山形 95 14,338
福島 145 33,357
関東 5,489 4,456,304
茨城 238 84,660
栃木 153 50,384
群馬 173 89,333
埼玉 615 139,923
千葉 436 134,217
東京 2,867 3,722,702
神奈川 795 169,148
新潟 131 30,959
山梨 81 34,978
中部 1,621 459,393
長野 192 92,312
岐阜 205 48,619
静岡 286 96,610
愛知 798 193,711
三重 140 28,141
北陸 408 132,928
富山 147 48,591
石川 161 58,804
福井 100 25,533
近畿 4,050 1,044,139
滋賀 204 30,813
京都 523 87,952
大阪 2,296 735,571
兵庫 713 154,704
奈良 158 22,183
和歌山 156 12,916
中国 577 190,230
鳥取 48 18,415
島根 64 13,959
岡山 143 55,240
広島 224 74,088
山口 98 28,528
四国 360 256,019
徳島 52 10,888
香川 122 206,018
愛媛 117 19,150
高知 69 19,963
九州 1,050 258,978
福岡 451 114,734
佐賀 60 15,722
長崎 121 29,521
熊本 127 22,948
大分 84 17,283
宮崎 74 16,913
鹿児島 72 24,204
沖縄 61 17,653
合計 14,732 7,136,705
  • ※地区の範囲は以下に定義している。
    関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
    中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
    北陸(富山、石川、福井)
    近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 「不況型」倒産構成比が年度過去最高の80.7%
  • 形態別:破産が年度過去最多の9,964件
  • 負債額別:100億円以上の大型倒産が前年度比55.9%減の59件(前年度134件)
  • 従業員数別:5人未満の構成比が年度としては平成2番目に高率の63.1%
  • 従業員被害状況:前年度比24.4%減の13万人
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年度比8.6%減の1万4,646件

当年の主な倒産

  • (株)日本航空インターナショナル/東京都/旅客運送事業、貨物事業/1,527,919百万円/会社更生法
  • (株)日本航空/東京都/持株会社/671,578百万円/会社更生法
  • (株)ロプロ/大阪府/貸金業/250,034百万円/会社更生法
  • (株)ウィルコム/東京都/PHSデータ通信業/206,000百万円/会社更生法
  • (株)ジョイント・コーポレーション/東京都/不動産分譲、流動化事業/147,600百万円/会社更生法

禁・転載・複写

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ