（負債総額1,000万円以上の倒産を集計、％は小数点2位以下切捨）

件数・負債総額が2月としては過去20年間で最少　倒産の小型化が加速

2013年（平成25年）2月度の全国企業倒産件数（負債額1,000万円以上）は916件、負債総額が1,719億7,100万円だった。

倒産件数は、前年同月比11.7％減で4カ月連続で前年同月を下回った。また、2月としては、1994年以降の過去20年間では、1999年（939件）を下回り最少件数となった。「中小企業金融円滑化法」などの各種金融支援効果で依然として倒産が抑制されている。

負債総額は、前年同月比72.7％減で、3カ月連続で前年同月を下回った。この大幅減の要因としては、前年同月には製造業で過去最大倒産となった東証1部上場でＤＲＡＭ製品製造のエルピーダメモリ（株）（負債4,480億3,300万円）の大型倒産が発生したのに対し、当月は負債10億円以上の大型倒産が28件（前年同月30件）にとどまり、負債100億円以上も1件（前年同月2件）だったことが影響した。

産業別

産業別倒産件数　10産業のうち6産業で前年同月を下回る

こうしたなか、製造業131件（前年同月比1.5％増）、農・林・漁・鉱業8件（同60.0％増）および金融・保険業7件（前年同月1件）の3産業が2カ月ぶりに前年同月を上回った。
一方、建設業は222件（前年同月比15.5％減）で12カ月連続で減少した。また、サービス業他が218件（同19.2％減）、情報通信業が44件（同10.2％減）、不動産業が20件（同4.7％減）で、それぞれ2カ月ぶりに前年同月を下回った。運輸業は32件（同20.0％減）となり、5カ月ぶりに前年同月を下回った。卸売業は117件（同18.1％減）で2カ月連続で前年同月を下回った。このほか小売業が前年同月同数の117件だった。

• ※業種分類のコード（日本標準産業分類に基づく）改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

地区別

地区別倒産件数　9地区のうち東北のみ前年同月を上回る

• 北海道：件数が4カ月連続で前年同月を下回る。
• 東北：全体の件数が、2カ月連続で前年同月を上回る。県別件数では、岩手、宮城、秋田、福島で前年同月比増加。
• 関東：全体の件数が、4カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、埼玉、千葉、神奈川で前年同月比増加。
• 中部北陸：全体の件数が、中部は5カ月連続で前年同月を下回り、最近１年間で最少。北陸は5カ月ぶりに前年同月を下回る。県別件数では、富山のみ前年同月比増加。
• 近畿：全体の件数が、7カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、京都、和歌山で前年同月比増加。
• 中国：全体の件数が、2カ月ぶりに前年同月を下回る。県別件数では、岡山、山口で前年同月比増加。
• 四国：全体の件数が、2カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、香川、愛媛で前年同月比増加。
• 九州：全体の件数が、4カ月連続で前年同月を下回る。県別件数では、福岡、熊本、大分、鹿児島で前年同月比増加。

• ※地区の範囲は以下に定義している。
  関東（茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨）
  中部（長野、岐阜、静岡、愛知、三重）
  北陸（富山、石川、福井）
  近畿（滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山）
  

• 金融円滑化法に基づく貸付条件変更後の倒産が過去最多の36件
• 原因別件数：既往シワ寄せ（赤字累積）が8カ月連続で前年同月を上回る
• 従業員数別：20人以上50人未満が53件（前年同月比55.8％増）で増加が目立つ
• 「東日本大震災」が影響した「震災関連」倒産が34件
• 負債額別：10億円以上の大型倒産が28件、7カ月ぶりに30件を割り込む
• 業種別件数：道路貨物運送業が5カ月ぶりに前年同月を下回る
• 第三セクター等の倒産が2件発生
• 中小企業倒産（中小企業基本法に基づく）が916件（構成比100.0％）

当月の主な倒産

1. （社）愛知県農林公社／愛知県／農林業振興事業／227億円／民事再生法
2. （株）ＫＨコーポレーション／北海道／温泉ホテル経営／75億円／特別清算
3. （株）春陽堂／京都／食料・飲料卸／49億3,300万円／破産
4. クラウン製靴（株）／東京都／靴製造販売／36億7,000万円／民事再生法
5. （株）茶月／京都／持ち帰り寿司店経営／28億3,100万円／破産