• TSR速報

ユニゾホールディングス(株)

ユニゾホールディングスの入居ビル(TSR撮影)

ユニゾホールディングスの入居ビル(TSR撮影)

 ユニゾホールディングス(株)(東京都港区)は4月26日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全監督命令を受けた。
 申請代理人は岡野真也弁護士(岡野真也法律事務所、中央区日本橋本石町3-1-2)ほか。監督委員には加々美博久弁護士(加々美法律事務所、港区西新橋1-2-9)が選任された。
 負債総額は約1262億円(金融債務約649億円、社債約610億円)で今年最大の倒産。

 1959年9月に創業した不動産事業者。グループで「ホテルユニゾ」、「ユニゾイン」などのホテル事業や貸しビル、ゴルフ場など経営の多角化を進め、積極的な投資で事業を拡大した。2009年6月に東証2部(当時)上場、2011年2月に東証1部へ指定替えし、2015年7月に常和ホールディングス(株)から現商号へ変更した。
 2019年3月期の連結決算では売上高560億5300万円、当期純利益119億300万円をあげるなど好調な業績を維持していた。また、2019年7月、旅行大手の(株)エイチ・アイ・エス(東京都港区)がTOBを表明し、株価が急騰。その後、米国のファンドやユニゾホールディングスの従業員が出資した(株)チトセア投資(同区)により、約2050億円でEBO(従業員による買収)が成立し、2020年6月に上場廃止していた。
 しかし、「新型コロナウイルス」感染拡大により宿泊需要が落ち込み、ホテル事業の業況が悪化。社債や金融機関などからの借入金の負担が重荷となり、2020年12月にはユニゾホールディングスの格付けが低下したことで信用が低下し、注目を集めた。
 以降、金融機関からの資金調達が困難な状況が続くなかで保有不動産の売却などを進め、債務の返済に充当していた。こうしたなか、4月26日付で(株)日本産業推進機構(東京都港区、以下NSSK)グループとスポンサー支援に関する基本合意を締結。今後、NSSKグループの支援の下で再生を図るとして民事再生法の適用を申請した。

※ユニゾホールディングス(株)(TSR企業コード:293391149、法人番号:6010001045269、港区三田3-4-10、設立1977(昭和52)年5月16日、資本金320億6288万4330円)
※(株)エイチ・アイ・エス(TSR企業コード:292203993、法人番号:6011101002696、東京都港区)
※(株)チトセア投資(TSR企業コード:133135950、法人番号:5010001206185、東京都港区)
※(株)日本産業推進機構(TSR企業コード:012545015、法人番号:4010401114071、東京都港区)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

約束手形の決済期限を60日以内に短縮へ 支払いはマイナス影響 約4割、回収では 5割超がプラス影響

これまで120日だった約束手形の決済期限を、60日に短縮する方向で下請法の指導基準が見直される。約60年続く商慣習の変更は、中小企業の資金繰りに大きな転換を迫る。 4月1~8日に企業アンケートを実施し、手形・電子記録債権(でんさい)のサイト短縮の影響を調査した。

2

  • TSRデータインサイト

「早期・希望退職者」募集は年間1万人超ペース 空前の賃上げの裏側で加速する構造改革

4月23日現在、「早期・希望退職者」の募集が判明した国内の上場企業は21社で、前年同期の16社を5社上回った。対象人数(国内)は3,724人(前年同期1,236人)で、前年同期の3倍に達した。すでに2023年(3,161人)の年間実績を563人上回り、構造改革の促進で年間1万人超のペースで推移している。

3

  • TSRデータインサイト

今年の“大型連休” 6割の企業が5連休 大企業の2%が10連休超、中小企業は2割が4連休以下

2023年春のゴールデンウィーク(GW)は何連休? 東京商工リサーチ(TSR)が4月3日から11日に実施したアンケート調査で、最多はカレンダー通りの5連休で全体の6割を占めた。

4

  • TSRデータインサイト

2024年の「中堅企業」は9,229社 企業支援の枠組み新設で、成長を促進し未来志向へ

東京商工リサーチの企業データベースでは、2024年3月時点で「中堅企業」は9,229社(前年比1.2%増、構成比0.7%)あることがわかった。うち2023年の中小企業が、2024年に「中堅企業」に規模を拡大した企業は399社だった。一方、「中堅企業」から「中小企業」へ規模が縮小した企業も311社みられた。

5

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】テックコーポレーションと不自然な割引手形

環境関連機器を開発していた(株)テックコーポレーションが3月18日、広島地裁から破産開始決定を受けた。 直近の決算書(2023年7月期)では負債総額は32億8,741万円だが、破産申立書では約6倍の191億円に膨らむ。 突然の破産の真相を東京商工リサーチが追った。

記事カテゴリを表示
記事カテゴリを閉じる

プリントアウト

RSS

CLOSE
TOPへ