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2009年出版業の倒産状況<br />前年比12.5%増、平成最多の72件、信用調査、与信管理、倒産情報は東京商工リサーチ。

公開日:2010.03.09

2009年出版業の倒産状況
前年比12.5%増、平成最多の72件

◎2009年出版業倒産、平成最多の72件

 2009年(1月~12月)の出版業の倒産件数は、前年比12.5%増の72件となり、年次ベースでは1992年(67件)を上回り平成最多となった。最近の出版業倒産件数は、2000年が52件、2001年60件、2002年62件、2003年55件、2004年54件、2005年44件、2006年61件、2007年66件、2008年64件と推移してきた。特にここ数年は、高水準の状況が続いている。

 

 負債総額は、同29.1%増の252億3,100万円となり、1992年(240億9,600万円)以来17年ぶりに200億円を上回った。負債10億円以上の大型倒産が同2件増の6件発生した。

◎縮小傾向が続く出版市場

 出版業界の調査研究機関である出版科学研究所が発表した、2009年の出版物販売金額(推計)が前年比4.0%減の1兆9,356億円となり21年ぶりに2兆円を下回った。内訳は、雑誌が同3.8%減の1兆864億円、書籍が同4.3%減の8,492億円となった。このうち雑誌は12年連続のマイナスで、販売部数と雑誌広告減少による収益悪化から休刊誌も相次ぎ「雑誌不況」が深刻化した。

 

 また書籍はミリオンセラー作品が少なかった一方で、出版社が売上増加を狙い新刊本を多く出したことで刊行点数が増加した。しかし売れない本は書店から次々と返され、返品率の上昇が出版社の経営を打撃した。このように出版業倒産の増加には、出版市場の一段の縮小が影響した

◎形態別、破産が前年比57.8%増

 形態別では、企業の解体・消滅である破産が前年比57.8%増の60件(構成比83.3%)で最も多かった。これに対して再建型の民事再生法は同62.5%減の3件(前年8件)となり、業績のジリ貧による息切れ倒産の増加を浮き彫りにした。原因別では、販売不振が同20.8%増の58件(構成比80.5%)と8割を占めた。次に事業上の失敗と他社倒産の余波が各4件と続く。

◎従業員数別、20人以上300人未満が前年比40.0%増

 従業員数別は、5人未満が前年比27.7%増の46件で最も多かった。また構成比は63.8%と6割を占め、前年(56.2%)より7.6ポイント上昇した。出版業は、従業員数5人未満の小規模企業や個人事業者が多い業界だが、こうしたなか20人以上300人未満が同40.0%増の14件と増加が目立った。ここ数年の傾向として中堅企業の倒産増加が注目される。

 

☆           ☆            ☆

 出版業界を取り巻く経営環境は、携帯電話やインターネットなど読書に代わる娯楽メディアの普及や、ネット広告への移行による広告収入の減少から年々厳しさを増している。さらに雇用環境の悪化から個人消費が節約志向に傾き、ますます先行きが不透明なことから今後の動向が懸念される。

◎出版業倒産年次推移
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 年     件数  負債総額(百万円)
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2000   52  18,799
2001   60  11,286
2002   62  18,895
2003   55  11,937
2004   54  15,600
2005   44   5,325
2006   61  16,650
2007   66  17,394
2008   64  19,537
2009   72  25,231
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