融通手形

現実の商取引がなく振り出す約束手形のことです。資金繰りのため融通する手形のため、与信管理上では重要なチェックポイントです。

融通手形の特徴

手形が振り出されるということは、売買契約が存在して債務関係が発生している等、手形による決済を必要とする商取引である原因関係が存在します。しかし、融通手形の場合、原因関係が通常の商取引に基づくものではなく、現金を必要とする企業同士との間で融通の契約を結び、手形による決済を必要とする債務が存在しないのに、手形を振り出して、手形割引等で現金化を図り、当面の資金繰りをしのぐというのが特徴です。

TSRの視点

融通手形は主に金融機関から借入ができなくなった企業が、当座の資金繰りを行うために実施する資金調達手段であり、信用の低下した企業にとっては取引が存在しないのに資金をつくれるため、都合のいい方法です。しかし、手形である以上、その融通手形の支払期日が来ると、支払資金を捻出しなくてはならず、その資金は手形を借りた企業が手形を振り出した先に渡して決済する形となります。ただ、手形を借りた企業は資金繰りについて厳しい状況に晒されていることが一般的で、結局支払資金を用意できずに倒産してしまうケースが多くなります。よって、与信管理において融通手形を出したという噂、事実については極めて慎重に扱っていきたい事項です。

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