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地銀、第二地銀103行(2012年3月期連結決算ベース)製造業・建設業向け貸出金残高調査 ~ 製造業向けは前年同期比2.1%増 建設業向けは同3.1%減 ~、信用調査、与信管理、倒産情報は東京商工リサーチ。

公開日:2012.09.10

地銀、第二地銀103行(2012年3月期連結決算ベース)製造業・建設業向け貸出金残高調査 ~ 製造業向けは前年同期比2.1%増 建設業向けは同3.1%減 ~

 2012年3月期の地銀、第二地銀の貸出金残高は、業種別で製造業向けが前年同期から伸ばした一方、建設業向けは減少と対照的な結果となった。

※本調査は、地域密着型の地銀、第二地銀103行を対象に、2012年3月期連結決算ベースの製造業と建設業向け国内貸出金残高を調べ、前年同期と比較した。沖縄銀行は信託勘定を含む。

※四半期ごとの業種別貸出推移が確認できた79行は、リーマン・ショック前の2008年3月期から四半期ごとの残高推移を掲載した。

製造業向け貸出金残高 前年同期比2.1%増

 地銀、第二地銀103行の2012年3月期連結決算ベースの総貸出金残高は、203兆5,564億4,400万円(前年同期比2.1%増)と、前年同期を上回った。東日本大震災の被災地企業向けや地方公共団体、大都市圏の大企業向けの貸出金の増加が影響したとみられる。

 こうしたなか、地銀、第二地銀103行の2012年3月期連結決算ベースの製造業向け貸出金残高は25兆3,272億5,100万円で、前年同期比2.1%増(5,328億6,400万円増)となった。


製造業向け貸出金残高 約7割の銀行で増加

 前年同期より製造業向け貸出金残高が増加したのは71行(構成比68.9%、前年同期21行)で、前年同期から50行増加した。メーカーが震災に伴う減産を取り戻す動きや設備復旧などの復興需要が背景にあるとみられる。個別の増加額トップは、常陽銀行の621億5,600万円増。次いで大垣共立銀行603億2,900万円増、十六銀行493億6,200万円増、京都銀行475億4,700万円増、七十七銀行474億3,600万円増の順。

 一方、減少したのは32行(構成比31.0%、前年同期82行)となった。減少額のもっとも大きかったのは、九州域内の事業を北九州銀行に会社分割した山口銀行(単体)で1,139億2,400万円減。次いで、静岡銀行550億1,400万円減、北陸銀行251億1,400万円減の順。

 四半期ごとの業種別貸出推移を公表している79行では、リーマン・ショック時の資金繰り支援策としてスタートした「景気対応緊急保証制度」開始直後の2008年12月期は、3カ月前(2008年9月期)に比べ貸出残高が約2兆円増加した。その後は、ほぼ横ばいで推移していたが、2010年3月期に19兆円を割り込み、震災が発生した2011年3月期以降は減少していた。しかし、2011年9月期からは再び増勢に変わってきている。


製造業向け貸出比率は横ばい

 地銀、第二地銀103行の2012年3月期の連結決算ベースの製造業向け貸出比率は12.4%で、前年同期と変わらず横ばいだった。

 四半期ごとの業種別貸出推移を公表している79行では、「景気対応緊急保証制度」開始以降の2008年12月期(13.4%)に13%台へ上昇した。しかし、震災が発生した2011年3月期以降は13%台を割り込むこともあり、設備や在庫投資の低迷を反映した格好となった。


地銀、第二地銀 製造業向け 四半期別貸出金残高推移

建設業向け貸出金残高 7割の銀行で減少

 地銀、第二地銀103行の2012年3月期連結決算ベースの建設業向け貸出金残高は、8兆5,810億9,200万円(前年同期比3.1%減)だった。

 前年同期より建設業向け貸出金残高が減少したのは74行(構成比71.8%、前年同期87行)で、全体の7割を占めた。減少額トップは、九州域内の事業を北九州銀行に会社分割した山口銀行(単体)の507億3,700万円減。次いで、八十二銀行が126億6,300万円減、足利銀行(単体)が118億9,300万円減、北海道銀行が116億8,700万円減、常陽銀行が101億5,400万円減の順。

 一方、増加は29行(構成比28.1%、前年同期16行)にとどまった。群馬銀行が81億8,200万円増でトップ。次いで、大垣共立銀行64億9,800万円増、親和銀行58億1,200万円増、京葉銀行44億6,300万円増の順。

 四半期ごとの業種別貸出推移を公表している79行では、「景気対応緊急保証制度」開始直後の2008年12月期の残高は7兆円台に上昇した。しかし、2009年6月期以降は7兆円を下回り続け、震災後の2011年6月期は2008年3月期以降で最少金額に落ち込み、低迷が続いている。

 これは民間投資の減少や公共事業の削減など、建設市場の縮小が背景にある。復興需要が期待されたが、震災地を中心とした本格的な復興事業の遅れもあって牽引力に欠けた。


建設業向け貸出比率 震災発生の2011年3月期以降は低迷

 地銀、第二地銀103行の2012年3月期連結決算ベースの建設業向け貸出比率は4.2%で、前年同期比0.2ポイント低下した。

 四半期ごとの業種別貸出推移を公表している79行では、「景気対応緊急保証制度」開始後の2008年12月期に5.0%へ上昇したが、震災が発生した2011年3月期以降は低迷が続いている。


地銀、第二地銀 建設業向け 四半期別貸出金残高推移

 地銀、第二地銀の2012年3月期の業種別貸出で、製造業と建設業は明暗を分けた。製造業が震災の減産分を取り戻すため、運転資金や設備復旧投資で前年同期に比べ増加したのに対し、建設業向け貸出は減少した。受注環境が悪化するなか受注計画や手持ち工事量を重視する金融機関の融資姿勢が影響したとみられる。一方、建設業への融資基準が厳格化された訳でなく、基準をクリアする企業が少なかったとの見方もある。いずれにしても復興特需の地域格差、取り巻く経営環境の改善が不透明な建設業向け貸出は、しばらく低迷が続くとみられる。

 


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