企業情報、信用調査など与信管理をサポートする東京商工リサーチ

2011年1~12月期決算 上場企業「役員報酬1億円開示企業」調査~ 役員報酬1億円以上 226社・367人 ~、信用調査、与信管理、倒産情報は東京商工リサーチ。

公開日:2012.04.23

2011年1~12月期決算 上場企業「役員報酬1億円開示企業」調査~ 役員報酬1億円以上 226社・367人 ~

 上場企業3,618社の2011年決算(1月期~12月期)有価証券報告書に開示された役員報酬1億円以上は、226社、367人だった。比較可能な3月期~12月期では、2010年に比べ4社、8人増加した。

 367人の役員報酬総額は合計609億4,300万円で、主な内訳は基本報酬が378億4,900万円(構成比62.1%)と業績に連動しない報酬が6割を占め、その他、賞与が83億2,800万円(同13.6%)、退職慰労金(引当金繰入額含む)が75億5,200万円(同12.3%)、ストックオプション44億7,100万円(同7.3%)、業績連動報酬・中期インセンティブほか27億4,300万円(同4.5%)となった。

 また、367人のうち、276人(同75.2%)は提出企業のみからの報酬で、関係会社から報酬を得ていたのは約25%にとどまった。

 開示人数は大塚ホールディングス(東証1部、2010年12月新規上場)が8人で最多だった。2人以上が開示されたのは82社(構成比36.2%)で、1人のみが6割超を占めた。

 2010年と比較可能な3月期~12月期決算では、7月期は2年連続で個別開示がなかったが、3月期173社・298人(前年比7社増、同9人増)、5月期4社・5人(同1社増、同1人増)、11月期4社・5人(同3社増、同4人増)と前年を上回った。

 2011年は3月の東日本大震災や電力不足、タイ洪水、歴史的な円高と厳しい経済環境にあったが、大手企業は海外での市場拡大やコスト削減などに取り組んだほか、業績連動型よりも業績に直接左右されない役員報酬体系を採り入れている企業も多く役員報酬は前年並みに落ち着いた。(ヤフーの井上雅博氏はソフトバンクと重複のため2人にカウント)


報酬支払元別・金額別・個別開示人数別

役員報酬 トップは日産・カルロス ゴーン氏の9億8,200万円

 2011年決算(1月期~12月期)で1億円以上の役員報酬367人のうち、報酬最高額は日産自動車のカルロス ゴーン氏の9億8,200万円(報酬支払元:提出企業のみ)だった。次いで、ソニーのハワード・ストリンガー氏の8億8,200万円(同:提出企業及び連結企業)、大東建託の多田勝美氏の8億2,300万円(同:提出企業のみ)、タカタの高田重一郎氏の6億9,500万円(同:提出企業のみ)、エース交易の榊原秀雄氏の6億1,800万円(同:提出企業のみ)の順だった。

 上位5人のうち、大東建託の多田氏、タカタの高田氏、エース交易の榊原氏の3人は退職慰労金が役員報酬の大半を占め、長年の貢献に対する対価といえる。

 また上位50人の報酬総額合計175億4,500万円の主な内訳をみると、基本報酬が89億200万円(構成比50.7%)と、役員任期中の安定報酬が半数を占めた。次いで、退職慰労金(39億5,100万円)、賞与(19億4,600万円)、ストックオプション(16億5,200万円)、業績連動(6億800万円)の順。役員報酬は従来型の業績変動に影響を受けない基本報酬や退職慰労金が主だが、業績反映型やストックオプションなど業績連動型も約2割を占めており、徐々に報酬スタイルは多様化の傾向をみせている。

 367人の報酬金額別では、9億円台が1人(構成比0.2%)、8億円台が2人(同0.5%)、5~7億円台4人(同1.0%)、2~4億円台52人(同14.1%)、1億円台が308人(同83.9%)で、1億円台が8割超を占めた。


役員報酬ランキング

法人別開示人数 大塚ホールディングスが8人で最多

 2011年決算(1月期~12月期)で役員報酬を開示した226社のうち、役員報酬1億円以上の開示人数の最多は大塚ホールディングスの8人だった。次いで、日産自動車の7人、キヤノン、ソニー、ファナック、トヨタ自動車の各6人、三菱商事、野村ホールディングス、三井物産、ソフトバンク、日本板硝子の各5人。人数別では、1人が144社(構成比63.7%)と最も多く、2人が57社(同25.2%)、3人が11社(同4.8%)と続いた。

 最終赤字企業で1億円以上の役員報酬の開示があった企業は、日産自動車(7人)、ソニー(6人)、ソフトバンク、野村ホールディングス(各5人)、パナソニック、GCAサヴィアングループ、藤商事(各2人)など20社だった。


役員報酬開示人数

産業別開示人数 製造業が110社、191人で最多

産業別では、製造業が110社(構成比48.6%)・191人(同52.0%)と半数を占めた。次いで、サービス業他が53社(同23.4%)・89人(同24.2%)、卸売業が21社(同9.2%)・35人(同9.5%)と続く。2人以上の個別開示を行った82社のうち、製造業が49社(同59.7%)と約6割を占め、突出ぶりが目立つ。農・林・漁・鉱業では、役員報酬の個別開示はなかった。


売上高別開示人数 1,000億円以上が半数を占める

 売上高別では、1,000億円以上が112社(構成比49.5%)・211人(同57.4%)と最も多かった。次いで、100億円以上・500億円未満が54社(同23.8%)・86人(同23.4%)、500億円以上・1,000億円未満が28社(同12.3%)・32人(同8.7%)だった。売上高10億円未満は4社(同1.7%)・5人(同1.3%)と持株会社制などで連結の事業会社から報酬を得たケースが中心だった。

 2011年は東日本大震災などの災害もあったが、3月、5月、11月で前年を上回る開示社数・人数となり、また8月、10月は前年と同数だった。

 役員報酬1億円以上の開示から2年を経過しようとしている。この制度で役員報酬の可視化が進み、役員報酬額が1億円未満でも、代表権を有する役員の報酬額を開示したり、米国会計基準に準じ上位5人を開示する企業も現れてきた。

 役員報酬は、株主、取引先、従業員などステークホルダーから経営方針や業績と報酬額の整合性が問われる。そのため、今まで以上に利害関係者への説明責任が生じるとともに、役員報酬額の透明性も求められている。


禁・転載・複写

お問合せ先
株式会社東京商工リサーチ 情報本部/TEL:03-6910-3155
または最寄りのTSR支社店へお問い合わせください

TSR商品販売サイト

  • TSR ONLINE SHOP:出版物・マーケティングレポート等のオンラインショッピングサイト

TSR関連おすすめサービス

  • エラベル:TSRがオススメする就職・営業に役立つ地域の優良企業紹介サイト
  • TSR express:TSR情報誌をご購読のお客様に無料でお届けする倒産情報配信・検索サービス
  • 東日本大震災関連記事

TSRのソーシャルネットサービス(SNS)

  • 東京商工リサーチtwitter公式アカウント
  • 東京商工リサーチ公式facebookページ