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後継者難倒産が過去最多の381件、2年連続で増加【2021年】

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公開日付:2022.01.13

 2021年(1-12月)の『後継者難』の倒産は、381件(前年比2.4%増)だった。2年連続で前年を上回り、調査を開始した2013年以降で最多件数を更新した。また、負債1,000万円以上の倒産(6,030件)に占める構成比は6.3%(前年4.7%)と、最も高い水準になった。
 産業別では、最多がサービス業他の84件(前年76件)で、『後継者難』倒産の2割(構成比22.0%)を占めた。次いで、建設業77件(前年86件)、製造業66件(同60件)と続く。
 資本金別は、1千万円未満(個人企業他を含む)が205件(前年比1.4%減、構成比53.8%)と、半数以上を占めたが、1千万円以上5千万円未満が166件(前年152件)と増加した。
 負債額別は、1億円未満が271件(前年比0.7%減)で、構成比は7割(構成比71.1%)を占めた。ただ、1億円以上5億円未満98件(前年86件)、5億円以上10億円未満8件(同7件)と増加した。
 小・零細企業だけでなく、中堅規模でも事業承継は経営課題の一つとなっている。
 『後継者難』倒産のうち、代表者の「死亡」は196件(構成比51.4%)、「体調不良」は121件(同31.7%)を数え、この2要因で全体の83.2%(前年79.8%)に達した。
 代表者の高齢化は進み、平均年齢は62.49歳(前年62.16歳)に上昇した。多くの中小企業では、代表者が経営全般を担っているが、業績低迷が続く企業では後継者の育成などは後回しになっているケースも少なくない。そうしたなか、代表者に不測の事態が起きた場合、事業継続に支障が出るリスクも高く、事業承継は重大な経営課題になっている。

  • 本調査は「人手不足」関連倒産(後継者難・求人難・従業員退職・人件費高騰)から、2021年(1-12月)の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)を抽出し、分析した。

『後継者難』倒産381件、倒産全体の6.3%を占める

 2021年の『後継者難』倒産は、381件(前年比2.4%増、前年372件)。負債1,000万円以上の2021年の倒産は6,030件で、コロナ禍の資金繰り支援策の下支えにより57年ぶりの低水準となった。ただ、『後継者難』倒産は全体の6.3%と、前年の4.7%より1.6ポイント上昇し、調査を開始した2013年以降で、最も高い水準になった。
 金融機関は、財務情報を基準とした審査から、事業の将来性などを含めて判断する「事業性評価」に移行し、定着しつつある。企業の審査において、後継者の「有無」は重要な判断材料の一つとなっている。
 だが、長引くコロナ禍で業績回復が遅れ、後継者の育成や事業承継への準備を先送りにしているケースもある。さらに、高齢の代表者ほど長期的な経営ビジョンを打ち出せず、事業継続へのリスクが高まっている。
 中小企業は代表者の高齢化が進み、事業承継への対応が急がれる。

後継者難

【要因別】「死亡」と「体調不良」で8割

 要因別は、最多が代表者などの「死亡」の196件(前年比19.5%増、前年164件)で、2年連続で前年を上回り、2014年の175件を超え、最多件数を記録した。『後継者難』倒産に占める構成比は51.4%で、前年(44.0%)より7.4ポイント上昇。2018年(51.6%)以来、3年ぶりに構成比が50%台になった。
 また、「体調不良」は121件(前年比9.0%減、構成比31.7%)で、2年ぶりに減少した。
 代表者などの「死亡」と「体調不良」は合計317件(前年比6.7%増、前年297件)で、初めて300件を超えた。
 『後継者難』倒産に占める構成比は83.2%で、前年の79.8%より3.4ポイント上昇した。
 そのほか、「高齢」は41件(前年比2.5%増、構成比10.7%)で、3年連続で前年を上回った。

後継者難

【産業別】10産業のうち、5産業で増加

 産業別は、10産業のうち、増加が5産業、減少は5産業だった。
 最多は、サービス業他の84件(前年比10.5%増、構成比22.0%)で、2016年以降、6年連続で前年を上回った。サービス業他では、広告業(ゼロ→6件)、建築設計業(1→5件)を含む学術研究,専門・技術サービス業が17件(前年8件)、美容業(2→4件)、旅行業(1→3件)を含む生活関連サービス業,娯楽業が11件(前年6件)などで前年を上回った。
 そのほか、製造業66件(前年比10.0%増、前年60件)が2年連続、不動産業25件(同92.3%増、同13件)が2年ぶり、情報通信業11件(同22.2%増、同9件)が3年ぶりに、増加した。
 金融・保険業は1件(前年ゼロ)で、2年ぶりに発生した。
 増加率が最も大きい不動産業は、不動産代理業・仲介業(4→9件)、貸事務所業(2→6件)建物売買業(1→4件)、土地売買業(1→4件)で増加した。
 一方、建設業77件(前年比10.4%減、前年86件)、卸売業64件(同1.5%減、同65件)、運輸業13件(同7.1%減、同14件)が2年ぶり、農・林・漁・鉱業2件(同71.4%減、同7件)、小売業38件(同9.5%減、同42件)が3年ぶりに、それぞれ減少した。

後継者難

【形態別】破産の構成比が92.1%と、過去最高に

 形態別は、最多が「破産」の351件(前年比4.7%増、前年335件)だった。『後継者難』倒産に占める構成比は92.1%で、前年(90.0%)より2.1ポイント上昇し、過去最高を記録した。
 「特別清算」は17件(前年比112.5%増、前年8件)で、初めて10件以上となった。
 「破産」と「特別清算」は合計368件(前年比7.2%増)で、構成比は96.5%(前年92.2%)に達し、『後継者難』倒産はほとんどが消滅型の倒産だった。
 一方、再建型の民事再生法は1件(前年2件)。会社更生法は、調査を開始した2013年以降、発生がない。

【資本金別】1千万円未満が半数以上

 資本金別では、1千万円未満(個人企業他を含む)が205件(前年比1.4%減)。『後継者難』倒産に占める構成比は53.8%(前年55.9%)と、半数以上を占めた。
 ただ、1千万円以上5千万円未満が166件(前年比9.2%増)で、2年連続で前年を上回った。

【負債額別】中堅規模での倒産が増加

 負債額別は、1億円未満が271件(前年比0.7%減、構成比71.1%)と、4年ぶりに前年を下回った。
 ただ、5千万円以上1億円未満が87件(前年比11.5%増)、1億円以上5億円未満が98件(同13.9%増)、5億円以上10億円未満が8件(前年7件)と、それぞれ2年連続で増加した。中堅規模の企業でも、事業承継の問題は顕在化してきている。

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