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ガソリンスタンド2867社 コロナ禍の外出自粛などで約8割が減収

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公開日付:2021.10.22

主な「ガソリンスタンド」2,867社の業績動向調査

 「ガソリンスタンド」運営業者(以下、ガソリン販売業者)2,867社の最新期決算の売上高合計は、5兆3,368億円(前期比13.2%減)だった。コロナ禍での外出自粛の広がりに加え、若者の自動車離れや自動車の低燃費化、電気自動車(EV)の普及などで、減収が続いている。
 ガソリン販売業者2,867社のうち、減収は2,261社と約8割(構成比78.8%)に達した。さらに、減収企業のうち、前期比較で減収率が10%超は1,469社(同64.9%)と、6割超を占めた。
 一方、当期純利益の合計は780億円(前期比23.8%増)と伸長した。コロナ禍でガソリンの仕入単価が抑えられたことによる粗利(マージン)上昇が寄与したほか、セルフ給油所へのシフトなど固定費の削減効果も出たようだ。
 資源エネルギー庁によると、ガソリンスタンド数は1994年度末の6万421カ所をピークに減少が続き、2020年度末は2万9,005カ所とほぼ半減している。
 ガソリンスタンドの売上減少に対し、近年はコンビニエンスストアやカフェを併設するなど、新たな収入源で売上確保をしようとする動きも出ている。9月末で緊急事態宣言が全面解除され、県をまたぐ長距離の移動も増えて、今後は販売数量の回復も見込まれている。だが、自動車離れや電気自動車・次世代自動車などの普及で、ガソリン消費量の低下は避けられない。さらに、都市部と地方では冷暖房電気製品の普及や住民の高齢化の度合いが異なり、地域による格差も広がっているようだ。
 生活環境や様式の変化に伴い、ガソリンスタンドの周辺環境は厳しさが増している。

  • 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(390万社)から、日本産業分類(小分類)「ガソリンスタンド」のうち、2020年4月期以降を最新期とし、3期連続で売上高と当期純利益を比較可能な2,867社を抽出し、分析した。

前期より減収幅が拡大

 ガソリン販売業者2,867社の最新期の売上高は5兆3,368億円(前期比13.2%減)で、2年連続で減収となった。減収率は前期の2.1%減より11.1ポイント拡大。コロナ禍での外出自粛によりガソリン需要が落ち込み、売上減少に拍車を掛けた。
 一方、最新期の当期純利益は780億円(同23.8%増)で、2年連続の増益となった。2,867社のうち、増益は1,436社(構成比50.0%)で半数を占めた。セルフ給油所の増加による固定費の削減や仕入価格も落ち着き、利益率が上昇したようだ。

ガソスタ業績

減収率10%超が5割

 ガソリン販売業者2,867社のうち、最新期の売上高が減収は2,261社(同78.8%)と、約8割に達した。
 売上高伸長率では、「▲10%未満」が1,469社(構成比51.2%)で最も多く、半数を占めた。
 以下、「▲10~▲5%未満」が512社(同17.8%)、「0~5%未満」が484社(同16.8%)の順。一方、10%以上は74社(同2.5%)と、1割にも満たなかった。

最新期は黒字が約9割

 2,867社の最新期の損益は、黒字が2,560社(構成比89.2%)で、前年の87.2%より2.0ポイント上昇した。一方、赤字は307社(同10.7%)だった。
 最新期は、資本金1億円以上の大企業では44社中41社(同93.1%)、同1億円未満の中小企業(個人企業他を含む)では2,823社中2,519社(同89.2%)が黒字で、規模を問わず黒字を確保できている。

1億円以上の大企業の増益率、7割超

 資本金別の損益では、1億円以上の大企業は増益が77.2%(34社)と最も高かった。大企業は44社すべてが最新期で減収だったが、ガソリン販売の粗利上昇に加え、営業費の削減、資産売却などで収益力の底上げを図ったことが奏功した。

業歴50年以上が7割

 業歴別では、「50~100年未満」が1,834社(構成比63.9%)で6割を超えた。次いで、「30~50年未満」が467社(同16.2%)、「100年以上」が206社(同7.1%)、「10~30年未満」が129社(同4.5%)だった。
 業歴30年以上の企業が2,507社(同87.4%)と8割を超え、他業種と比べ老舗企業が多い。最も業歴が長いのは(株)岡田商店(鳥取県)など2社で、創業は1868年だった。
 一方、「5~10年未満」は6社(同0.2%)、「5年未満」は1社(同0.03%)と新規参入が少なく、ガソリンスタンド数の減少に拍車をかけている。


 ガソリンスタンドの2021年度上半期(4-9月)の倒産は、10件(前年同期18件)で、年度上半期では2年ぶりに減少した。しかし、2020年のガソリンスタンドを含む燃料小売業の休廃業・解散は273件(前年237件)と増加している。
 ガソリン販売業者は、業歴30年以上の老舗企業が約9割(構成比87.4%)を占め、一方で10年未満は7社(同0.2%)と、新規参入や新陳代謝がほとんどないことを示している。また、過疎が進む地域では、採算悪化や人手、後継者不足などでガソリンスタンドの閉鎖が深刻化している。
 こうした地域では、交通インフラが未発達で生活の上で自動車は欠かせない。さらに、災害時の燃料供給の拠点ともなるガソリンスタンドの果たす役割は一層増している。
 資源エネルギー庁によると、ガソリンスタンド(サービスステーション)数が3カ所以下の地域である「SS過疎地」は、2021年3月31日時点で1,718市町村のうち343市町村と、約2割(構成比19.9%)にのぼる。ガソリンスタンドは、コロナ禍での業績悪化や先行きの見通し難から、廃業がさらに増えることが懸念されている。だが、地域の重要な社会インフラとしての側面もあり、ガソリンスタンドへの地域に根ざした支援も必要だろう。

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