公開日付:2013.02.08
証券会社118社の2012年3月期決算の総営業収益は、2年連続で前年を下回った。このうち、営業収益30億円未満の中小規模では77社のうち、58社(構成比75.3%)が当期純損失を計上し、規模による業績格差が目立った。全体でも当期純損失の計上が73社(構成比61.8%)に達しており、地場証券を中心に厳しい経営環境を浮き彫りにした。
- ※本調査は、日本証券業協会に加盟する証券会社118社を対象に、最近の業績推移を調べた。資料は東京商工リサーチの企業データおよび、「業務および財産の状況に関する説明書」(注)等に基づく。
- ※金融商品取引法第46 条の4 の規定に基づき、証券会社の全ての営業所または事務所に備え置き、公衆の縦覧に供するために作成されたディスクロージャー資料 。
2012年3月期の総営業収益 前年同期比4.7%減
証券会社118社の2012年3月期単独決算ベースの総営業収益は、1兆6,091億1,200万円(前年同期比4.7%減)となり、2年連続で前年を下回った。過去の3月期決算推移をみると、2008年は2兆2,189億6,400万円だったが、リーマン・ショック後の2009年は1兆5,202億9,100万円まで落ち込んだ。その後、2010年には1兆8,418億5,100万円と盛り返したが、2011年は1兆6,894億7,800万円となり減少が続いている。
当期純損失計上が73社
証券会社118社のうち、2012年3月期単独決算ベースで当期純損失を計上したのは、全体の6割にあたる73社(構成比61.8%)だった。過去の3月期決算推移では、2008年が71社、リーマン・ショック後の2009年が90社と一気に増加した。その後も、2010年が60社、2011年が72社と推移し、厳しい経営状況を映し出した。2012年3月期での営業収益30億円未満の中小証券会社をみると、77社のうち58社(構成比75.3%)で当期純損失を計上し、企業規模による格差も広がっている。
中小証券会社の廃業が相次いでいる。2012年度に廃業した証券会社は13社(2012年12月25日現在)となり、2009年度の14社を上回るペースで推移している。これは、証券業界の経営環境の悪化を反映した。特に、法人取引のウエートが大きい大手と比べて、個人投資家との対面営業を中心とする地場証券の経営は、手数料の安さを売り物にしたネット証券との競合もあって厳しさを増している。2月1日には、関東財務局から証券業取り消しの行政処分を受けていたイニシア・スター証券(株)(東京・負債2億9,000万円)が破産手続開始決定を受けたが、東京証券取引所グループと大阪証券取引所が合併するなど、証券業界が大きな転換期を迎えたなかで、今後は証券会社の淘汰が一層進んでいくとみられる。
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