脱毛サロンなどエステ業の倒産が過去最多に 1-11月累計 99件、競争激しく倒産急増
2024年1-11月 「脱毛サロンなどエステティック業」倒産状況
脱毛サロンなど、エステ業界の倒産が過去最多を更新した。2024年1-11月までに99件に達し、最多だった2023年の年間88件を上回った。若者の興味を引き付ける広告などで契約し、多額の前払金を集めて運転資金に充てる手法で事業を拡大してきた脱毛サロンも多い。ただ、いったん契約数が鈍化すると、出店費用や広告費などが負担になり、前払金を返金できないケースも出てくる。
また、エステティック業の倒産には含まれない医療脱毛サロン「アリシアクリニック」運営会社2社が12月10日、破産開始決定を受け、医療脱毛サロンにも倒産が広がってきた。
これまでエステ業のうち脱毛サロンの倒産(医療脱毛サロン除く)で負債最大は「全身脱毛サロンC3」運営の(株)ビューティースリー(2023年9月破産、負債80億円)で、被害者(債権者)は約4万6,000人に及ぶ。「脱毛ラボ」運営の(株)セドナエンタープライズ(2022年8月破産、負債60億円、約3万人)、「銀座カラー」運営の(株)エム・シーネットワークスジャパン(2023年12月破産、負債58億5,700万円、約10万人)が続く。
医療脱毛サロンの「アリシアクリニック」運営の(医)社団美実会(負債72億9,546万円、同5万7,498人)の倒産も発生し、競争激化がうかがわれる。
脱毛サロンなどエステ業の倒産は、コロナ禍前の2019年に73件発生した。その後、コロナ禍の資金繰り支援策で一時的に減少したが、2022年から増加へ転じ、2023年は最多の88件発生した。多数の利用者が被害を受ける脱毛サロンの倒産は、お客が支払う前払金で事業を拡大するケースが大半で、お客を保護する仕組み作りが急がれる。
※本調査は、日本産業分類の「エステティック業」の倒産(負債1,000万円以上)を集計、分析した。脱毛、痩身、美肌などを含む。
※エステティック業の倒産には、医療脱毛サロンは集計対象外。