(株)環境経営総合研究所

環境経営総合研究所の入居ビル(2024年8月撮影)
大規模粉飾の環境経営総合研究所が会社更生廃止、破産へ
2024年9月30日、会社更生開始決定を受けた(株)環境経営総合研究所(渋谷区)は2月27日、更生手続き廃止決定を受けた。
管財人は岩崎晃弁護士(岩崎・本山法律事務所、中央区八丁堀4-1-3)。
負債総額は約255億円。
古紙や廃プラスチックなどを再利用し、環境に配慮した新素材「紙マスターバッチ(M/B)や「MAPKA(マプカ)」などの開発製造を展開。使い捨てプラスチックによる海洋汚染などの環境問題に対応した新素材として注目され、2000年9月に千葉県松戸市に研究施設を開設したほか、2003年5月に千葉県旭市に研究施設、工場を開設。その後、北海道札幌市に工場や営業部、茨城県土浦市に工場など順調に業容を拡大させるとともに日本政策投資銀行から出資を受けていた。以降も、アメリカにJV工場、韓国企業への出資やJVによる工場開設するなど海外展開を強化していた。
しかし、2005年から2006年にかけて、第三者に約50億から60億円の資金流出があった。同時期から決算書の粉飾を開始し、売掛金等を操作。複数の決算書を作成しており、官報公告では、2023年8月期の売上高519億2635万円、最終利益36億380万円を確保し、純資産345億1902万円、総資産544億1966万円としていたが、税務申告では、2023年8月期の売上高は46億9281万円に対し、最終利益は2億3473万円にとどまり、純資産56億7069万円、総資産300億2835万円だった。売掛金等を適正に処理した場合、債務超過に陥る可能性が高まったため、2024年8月20日、債権者から東京地裁に会社更生法を申し立てられ同年9月30日、同開始決定を受けていた。今後、破産へ移行するとみられる。
※(株)環境経営総合研究所(TSRコード:294046615、法人番号:5011001043734、渋谷区南平台町16-29、設立1996(平成8)年12月、資本金24億7000万円)