• TSR速報

(株)さきしまコスモタワーホテル開発

入居していたビル

 (株)さきしまコスモタワーホテル開発(大阪市中央区)は12月24日、大阪地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人は山形康郎弁護士(弁護士法人関西法律特許事務所、大阪市中央区北浜2-5-23)が選任された。
 負債総額は約72億円。
 
 ホテルや飲食店、商業施設の開発及び運営受託などを目的に設立され、2019年1月に大阪府が所有する大阪府咲洲庁舎(通称:さきしまコスモタワー)の7~17階で「さきしまコスモタワーホテル」を開業した。当社をホテルの事業主とし、運営を関係会社の(株)さきしまコスモタワーホテル(TSR企業コード:026587939、法人番号:1120001209759、大阪市)が担う形態で事業を展開。インバウンド需要を中心に集客していたが、「新型コロナウイルス」感染拡大により宿泊需要が急速に収縮。国内需要へと対象顧客をシフトし、立地を生かしてスポーツ団体の合宿需要や修学旅行の取込を強化していた。しかし、金融機関に借入金返済のリスケジュールを要請していた。

 また、ホテル開業に際して大阪府との賃貸借契約後の点検で、利用するエレベーターの騒音が法令に定める基準値(65デシベル)を超過する事実が判明。開業にあたっては簡易的な防音措置を実施し営業を開始したが、約4億円とされる改修費用の負担を大阪府に求めるほか、当初の賃貸借契約に瑕疵担保責任があるとして大阪府への賃借料支払を停止した。

 こうしたなか、2020年7月に大阪府が2019年10月~2020年7月までの賃料約3億2000万円の滞納を理由として当社との賃貸借契約を解除。同年8月には占有移転禁止の仮処分が執行され、当社は大阪府に対して損害賠償請求訴訟を反訴した。
 しかし、2023年3月に大阪地裁が客室部分の明け渡し及び賃料・損害金など約27億円の支払いを命じる判決を下し、2024年10月末をもって退去。
 この間、2024年8月22日に強制執行を免れるために資産を隠したとして、大阪府警に当社社長らが強制執行妨害目的財産損壊等(財産の隠匿)容疑で逮捕されるなど、動向が注目されていたところ、今回の措置となった。
 
 ※(株)さきしまコスモタワーホテル開発(TSR企業コード:026591189、法人番号:2120001209758、大阪市中央区北久宝寺町4-4-15、設立2017(平成29)年11月、資本金3000万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

個人破産、13年ぶり高水準 ~ 貸出姿勢の変化と業界を跨いだ悪循環 ~

法人破産より個人破産の動向が心配だ-。 いま、金融機関が個人破産の動向を懸念する。なかでも、物価高や地価上昇で高額の住宅を購入した結果、過剰債務を抱えた複数人世帯の動向が気になるという。

2

  • TSRデータインサイト

「鰻の成瀬」、株式譲渡を巡り対立が表面化~ 仮処分決定と株主間契約 ~

うなぎ料理専門店「鰻の成瀬」のフランチャイズ(FC)やコンサルティングなどを手掛けるフランチャイズビジネスインキュベーション(株)(TSRコード:136729983、滋賀県、以下FBI社)の周辺が騒がしい

3

  • TSRデータインサイト

キーボード「FILCO」のダイヤテック、忸怩たる破産 ~ 為替デリバティブと需要減、綱渡りの資金繰り ~

パソコン用キーボード「FILCO(フィルコ)」で知られあるダイヤテック(株)(TSRコード:292026617、東京都)が負債2億円あまりを抱えて4月30日、破産開始決定を受けた。

4

  • TSRデータインサイト

2026年1-5月の「飲食業」倒産 過去最多の411件 飲食業の苦境浮き彫り、「人件費高騰」が6.6倍に急増

2026年1-5月の「飲食業」倒産は、411件(前年同期比2.2%増)だった。同期間では、1997年以降の30年間で最多だった2024年の408件を超え、最多件数を更新した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年5月の「人手不足」倒産 5月最多の37件 「人件費高騰」が2.4倍増、「従業員退職」も増加

2026年5月の「人手不足」倒産は37件(前年同月比60.8%増)で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。 5月では2024年の28件を上回り、調査を開始した2013年以降、最多を更新した。

TOPへ