• TSR速報

(株)かづ美

※画像は実際の企業と関係はありません

※画像は実際の企業と関係はありません

スポンサーによる再建を目指す

 (株)かづ美(石川県)は12月20日、金沢地裁に民事再生法の適用を申請し同日、弁済禁止の保全処分及び監督命令を受けた。
 申請代理人は髙木大地弁護士(弁護士法人関西法律特許事務所、大阪市中央区北浜2-5-23)ほか6名。
 監督委員には小堀秀行弁護士(弁護士法人兼六法律事務所、白山市殿町48)ほか1名が選任されている。

 負債総額は債権者287名に対し27億405万円。

 1986年6月創業で、創業当初は「ブライダルコスチューム・かづ美」の屋号で貸衣装業を展開。法人化以降は化粧品事業部を新設したほか、1990年1月には「ドレスモードカヅミ」の名称で、婚礼衣装やパーティードレスなどのレンタル・販売業に注力していた。2000年4月には飲食事業にも進出したほか、2004年4月には「ヴィラ・グランディスウエディング・リゾート金沢店」を開設し、現在の主業務である婚礼及び披露宴の企画・演出・運営に本格参入した。

 その後は北陸3県に式場を開設。北陸3県ではテレビCMなどで知名度が高くトップクラスの業容を誇り、福井店を開業した2011年6月期の売上高は約25億5700万円を計上していた。

 しかし、近年は少子化に伴い結婚式の需要が減少したほか、同業他社との競合もあり2015年6月期の売上高は17億1326万円と20億円を割り込んだ。2018年6月期の最終赤字により債務超過に転落。その後は「新型コロナウイルス」感染拡大の影響もあり、2021年6月期の売上高は6億8230万円にまで落ち込み、億単位の最終赤字を計上するなど、財務内容は悪化した。コロナ関連融資を利用するも、金融機関にリスケジュールを要請。2024年6月期は一部借入返済を実施するもリスケジュールを継続するなど厳しい資金繰りが続いていたところ、自主再建を断念し今回の法的措置を選択した。

 なお、今後はスポンサーを募ったうえで事業再建を目指す方針である。

 ※(株)かづ美(TSR企業コード:580112217、法人番号:9220001001826、金沢市中屋2-88-1、設立1987(昭和62)年7月、資本金3300万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年度の業績見通しに大ブレーキ 「増収増益」見込みが16.6%に急減

トランプ関税、物価高、「価格転嫁」負担で、国内企業の業績見通しが大幅に悪化したことがわかった。2025年度に「増収増益」を見込む企業は16.6%にとどまり、前回調査(2024年6月)の23.3%から6.7ポイント下落した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月20日時点) 役員報酬1億円以上の開示は117社・344人

2025年3月期決算の上場企業の株主総会開催が本番を迎えた。6月20日までに2025年3月期の有価証券報告書を510社が提出し、このうち、役員報酬1億円以上の開示は117社で、約5社に1社だった。

3

  • TSRデータインサイト

チャプター11をめぐる冒険 ~ なぜマレリはアメリカ倒産法を利用したのか ~

ずっと日本にいるのに時差ボケが続いている。  「マレリのチャプター11が近いから関連サイトをチェックし続けろ」と6月6日に先輩に言われて以降、私の生活はアメリカ時間だ。

4

  • TSRデータインサイト

代金トラブル相次ぐ、中古車販売店の倒産が急増

マイカーを売却したのに入金前に売却先の業者が破たん――。こうしたトラブルが後を絶たない。背景には、中古車価格の上昇や“玉不足”で経営不振に陥った中古車販売店の増加がある。倒産も2025年1-5月までに48件に達し、上半期では過去10年間で最多ペースをたどっている。

5

  • TSRデータインサイト

定量×定性分析 危ない会社は増えたのか?

2024年度の全国倒産が1万144件(前年度比12.0%増)と11年ぶりに1万件を超えたが、企業の倒産リスクはどの水準にあるのか。東京商工リサーチが企業を評価する「評点」と「リスクスコア」のマトリクスからみてみた。

TOPへ