• TSR速報

(株)オーカワほか1社

オーカワの本社

オーカワの本社

商品の自主回収、返金が発生

 (株)オーカワ(吉野郡下市町)と、関連の大川商店(株)(同郡下市町)は8月9日、事業を停止し、奈良地裁五條支部への破産申請を西川暢春弁護士ほか1名(弁護士法人咲くやこの花法律事務所、大阪市西区阿波座1-6-1)に一任した。
 負債は、オーカワが約28億4100万円(2024年4月期決算時点)、大川商店が約14億6000万円(2023年10月期決算時点)で、2社合計約43億100万円。

 オーカワは、1964年4月に創業し、こんにゃくの製造販売を手掛けていた。大手スーパー等への拡販に取り組み、ゴマ豆腐やところてんなど扱い品を増やすことで事業規模を拡大させ、2016年4月期には売上高約44億5000万円をあげていた。
 しかし、近年は同業者間での低価格競争などもあって、売上高は40億円を割り込む水準となり、業績は頭打ちの状態が続いていた。
 2020年4月期には一時閉鎖していた中部圏の営業所を再開し、2021年4月期には大阪営業所も開設するなどして営業強化を図り、2023年4月期にはパッケージのリニューアル等にも着手したものの、思うように業績は改善しなかった。また、収益面でも、原材料価格や人件費の高まりから一層厳しい運営を強いられていた。

 こうしたなか、商品の「匠の生芋しらたき」において、一部に溶解が見受けられ、腐敗臭が確認されたとして、8月1日より自主回収および返金を余儀なくされる事態が発生。事業継続の見通しが立たなくなり、今回の措置となった。

 大川商店は、オーカワに対してこんにゃく芋等の原材料を供給していたが、同社に連鎖した。

※(株)オーカワ(TSR企業コード:620058161、法人番号:5150001015985、吉野郡下市町栃本1-1、設立1985(昭和60)年7月、資本金2500万円)
※大川商店(株)(TSR企業コード:622124595、法人番号:6150001018054、同郡下市町伃邑2212、設立2012(平成24)年11月、資本金1000万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

M&A総研の関わりに注目集まる資金流出トラブル ~ アドバイザリー契約と直前の解約 ~

東京商工リサーチは、M&Aトラブルの当事者であるトミス建設、マイスHD、両者の株式譲渡契約前にアドバイザリー契約を解約したM&A総合研究所(TSRコード: 697709230、千代田区)を取材した。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業、中高年の活用に活路 「早期・希望退職」は大企業の2.8%が実施

 「早期希望・退職」をこの3年間実施せず、この先1年以内の実施も検討していない企業は98.5%だった。人手不足が深刻化するなか、上場企業の「早期・希望退職」募集が増えているが、中小企業では社員活用の方法を探っているようだ。

3

  • TSRデータインサイト

【解説】秀和システムの法的整理、異変察知は「船井電機より前」

(株)秀和システム(TSRコード:292007680、東京都)への問い合せは、船井電機(株)(TSRコード:697425274、大阪府)の破産の前後から急増した。ところが、あるベテラン審査マンは「ERIが弾けた時からマークしていた」と耳打ちする。

4

  • TSRデータインサイト

1-6月の「訪問介護」倒産 2年連続で最多 ヘルパー不足と報酬改定で苦境が鮮明に

参議院選挙の争点の一つでもある介護業界の倒産が加速している。2025年上半期(1-6月)の「訪問介護」の倒産が45件(前年同期比12.5%増)に達し、2年連続で過去最多を更新した。

5

  • TSRデータインサイト

2023年度「赤字法人率」 過去最小の64.7% 最小は佐賀県が60.9%、四国はワースト5位に3県入る

国税庁が4月に公表した「国税庁統計法人税表」によると、2023年度の赤字法人(欠損法人)は193万650社だった。普通法人(298万2,191社)の赤字法人率は64.73%で、年度集計に変更された2007年度以降では、2022年度の64.84%を下回り、最小を更新した。

TOPへ