2017年3月の全国企業倒産786件
倒産件数が786件 3カ月ぶりに前年同月を上回る
2017年(平成29年)3月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が786件、負債総額は1,668億100万円だった。
倒産件数は、前年同月比5.3%増(40件増)で、3カ月ぶりに前年同月を上回った。また、都道府県別では、前年同月より増加が22道府県、減少が22都県と拮抗し、地区別では9地区のうち5地区で前年同月を上回るなど、倒産減少傾向の「底打ち」を窺わせた。
負債総額は、前年同月比5.1%減(90億9,800万円減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。負債10億円以上の大型倒産が33件(前年同月比13.7%増)で、1年1カ月ぶりに30件を上回ったが、負債100億円以上の大型倒産が2件(前年同月3件)だったことが影響した。これに対し、1億円未満の小規模倒産は563件(前年同月比11.7%増、構成比71.6%)と全体の7割を占め、前年同月より増加した。
- 形態別:法的倒産の構成比が過去最高の92.2%を占める
- 負債別:10億円以上の大型倒産が33件、1年1カ月ぶりに30件台に増加
- 従業員数別:5人未満の構成比が73.9%、12カ月連続で70%を上回る
- 原因別件数:「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が113件、5カ月ぶりの100件台
- 上場企業倒産が発生なし、連続「ゼロ」期間が過去2番目に長い18カ月連続に
- 「チャイナリスク」関連倒産が3件、4カ月連続で前年同月を下回る
- 「熊本地震」関連倒産が1件、累計13件
- 業種別:飲食業(58→72件)、旅行業(3→5件)などで倒産増加
- 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)が、3カ月ぶりに前年同月を上回る
産業別 10産業のうち6産業で前年同月を上回る
2017年3月の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同月を上回った。
卸売業122件(前年同月比10.9%増)で2カ月連続で前年同月を上回り、内訳では電気機械器具卸(9→16件)や建築材料卸(5→11件)などで増加が目立った。
さらに、情報通信業30件(前年同月比50.0%増)と運輸業29件(同11.5%増)が、ともに4カ月ぶりに前年同月を上回り、製造業108件(同14.8%増)が3カ月ぶり、サービス業他218件(同10.1%増)が2カ月ぶりに増加に転じた。件数は少ないが農・林・漁・鉱業は7件(前年同月5件)で2カ月連続の増加。
一方、建設業145件(同1.3%減)と小売業102件(同13.5%減)はともに3カ月連続で減少した。金融・保険業は4件(前年同月7件)で2カ月ぶりに減少した。このほか、不動産業は前年同月同数の21件だった。
地区別 9地区のうち5地区で前年同月を上回る
2017年3月の地区別件数は、9地区のうち5地区で前年同月を上回った。
増加した地区では、関東310件(前年同月比9.1%増)と北海道36件(同33.3%増)がともに2カ月連続で前年同月を上回った。また、四国17件(同6.2%増)が7カ月ぶり、北陸20件(同17.6%増)が6カ月ぶりに増加に転じ、近畿197件(同10.6%増)が3カ月ぶりに前年同月を上回った。関東の産業別では、飲食業などのサービス業他(84→99件)や建設業(42→57件)がなどで増加をみせた。また、北海道もサービス業他(6→10件)、卸売業(5→7件)などが件数を押し上げた。
一方、九州は46件(前年同月比4.1%減)で5カ月連続、中部81件(同10.9%減)が3カ月連続、東北26件(同23.5%減)が2カ月連続で減少した。中国27件(同20.5%減)は3カ月ぶりに前年同月を下回った。
※地区の範囲は以下に定義している。
- 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
- 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
- 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
- 北陸(富山、石川、福井)
- 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
- 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
- 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
- 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)
当月の主な倒産
[負債額上位5社]
- (株)てるみくらぶ/東京都/旅行業/151億1,300万円/破産
- (株)レイテックス/東京都/半導体製造装置販売ほか/114億円/破産
- (株)花咲カントリー倶楽部/山梨県/ゴルフ場経営/71億4,000万円/民事再生法
- (株)Brillia/東京都/結婚式場経営/59億9,200万円/破産
- (株)モアアンドモア/神奈川県/予備校経営/47億1,200万円/民事再生法
- 製品詳細・資料請求・お問い合わせに関して
製品に関する詳細情報、料金体系につきましては、「資料請求・お問い合わせ」ボタンをクリック後、以下の手順でお問い合わせください。
- お問い合わせ種別:「お問い合わせ」を選択
- お問い合わせの内容:「○○○」(任意:質問事項・要件など)とご記入
- ご連絡先:必要事項を入力し、送信してください。
- このページを見ている人はこんなページも見ています
-
重要な経済指標である倒産をベースに国内経済を把握できます。
倒産月報・企業倒産白書倒産情報や債権者リストなど経営判断に欠かせない情報誌です。
TSR情報誌(倒産情報誌)国内を含めた世界最大級の多彩な企業情報をオンラインでご提供!
インターネット企業情報サービス(tsr-van2)1日2回、最新の倒産情報をメールいたします。
TSR express(TSR情報Web) -倒産情報配信サービス-